単語を並べて会話する
ようやくインドから国境を越えてネパールに入り、カトマンズのタメル地区に落ち着きました。
このページでは旅の補足として、英会話が全然できない私が、旅の中でどのように現地の人たちとコミュニケーションを取っていたかを書いていきます。
インドやネパールでは、ほとんど単語を並べて会話していました。
特に乗り物に乗るときや、飲食店で注文するときなどは、単語だけでなんとかなります。
例えば地下鉄でハウラー駅に行きたいとき。
目の前に停まっている電車が、ハウラー駅に行くかどうかを駅員に尋ねるときは、電車を指さし、「ハウラー?」と聞けば良いわけです。
もしその電車がハウラー駅行きなら、駅員は「ハウラーハウラー」とか「イエス」と言って頷くでしょうし、違うなら「ノー」と言ってくれるでしょう。
ビルガンジのページやパトナのページで書きましたが、知らない場所で目的地に行きたいときは、現地のリキシャを頼れば何とかしてもらえます。
パトナからラクソウル行きのバスを捕まえたければ、リキシャの運転手に、「ラクソウル バス」とか「ラクソウル バススタンド」と言えば良いわけです。
後は運転手に任せておけば、バスの所まで連れて行ってもらえるでしょう。
値段の交渉も、例えば指を一本立てて「ワンハンドレッド ルピー」と言えば、100ルピーで行きたいのだと相手に分かってもらえるでしょう。
飲食店でも、メニューを指さしながら食べ物の名前を伝えるか、指さしていきながら、「ディスワン アンド ディスワン プリーズ」とか伝えればOKです。
会計をお願いしたいときも、財布を出して店員の所に行けば、こちらが会計をしたいのだと分かってもらえます。
英会話について
英会話については、最初からあきらめていました。
半年ほど前にバンコクに行った時、英語が全然聞き取れなかったので、英語の勉強をしなくてはと思っていました。
とりあえず相手の英語が聞き取れるようになれば、こちらの意図を伝える手段はいくらでもあるわけです。
それで、映画を英語で見たり、英会話の本を買って付いていた音声を聞いたりしたのですが、大して長続きせず、上達もしませんでした。
こういうものは本当に上達したいと思わないと、できるようにならないものです。
そういうわけで、英会話が全然できないままインドに来てしまいました。
まあそんな状態でも、特に困った場面はなく、快適に旅ができたので良しとしましょう。
インドに来て最初のころは、英会話ができないことが不安で仕方なかったのですが、単語を並べるだけで何とかなることが分かってきて、最後の方は開き直っていました。
むしろ、英語が分からないふりをして、ガイドたちをまいていたぐらいです。
旅の中でどうしても会話が必要になるのは、入国や出国のときと、ホテルにチェックインするときです。
そういった時だけ、相手の英語が分からないとどうしようもありません。
特にインドの入出国や、ゲストハウスの宿泊時などは、英会話が必要になると思います。
インドのゲストハウスでは、宿側が宿泊者の動向を把握しておかないといけないらしく、チェックインのときには「どこから来たか」を聞かれますし、チェックアウトのときは、「どこへ行くのか」を聞かれます。
ただ、そういうときに使われる英語は限られており、中学で習う英語で大体カバーできまると思います。
もし、どうしても相手の言っていることが分からなければ、スマホの翻訳アプリを使えば良いと思います。
英会話が不安な場合、いつでも用意できるようにアプリを準備しておきましょう。
私は(思考が)古い人間なので、相手の言うことが分からなくても、スマホを使うということに頭がいかず、翻訳アプリは使わずじまいでした。
こちらの要望を伝える
思い返してみれば、旅の英会話では「アイ ワント ○○」「アイ ワントゥー ~」ばかり使っていたような気がします。
「アイ ワント 〇〇」は何かが欲しいときに使い、「○○」のところには物が入ります。
例えば「アイ ワント ティケット」と言えば、何かのチケットが欲しいということになります。
「アイ ワントゥー ~」は何かをしたいときの言い方で、「~」の部分は動作を入れます。
「アイ ワントゥー ゴー パトナ」と言えば、私はパトナに行きたいという意味です。
バスや鉄道のチケット売り場で、「アイ ワントゥー ゴー パトナ」「アイ ワント ティケット」と伝えれば、「パトナに行きたいからチケットをください」ということになるでしょう。
「アイ ワントゥー ゴー パトナ」「アイ ワントゥー ライド ア バス」だったら、「パトナに行きたいからバスに乗りたい」ということです。
もっと簡単に、バスを指さして「パトナ?」と聞けば、「パトナに行きたい」「パトナへのバスを探している」という意味が相手に伝わります。
旅の中では、自分がどこかに行きたいとか、何かを食べたいとか、ここに行きたいとか、そういった要望を伝えられれば、大体のことができてしまいます。
後は最低限、前の項で述べたように相手の質問の意味が理解できれば、それには単語を使って答えることができます。
確認の仕方を工夫する
これは社会人経験で培ったことなのですが、値段や時間など、会話の中に数字が出てくるときは、特に分かりやすく確認をした方が良いです。
数字は、往々にしてとても重要な情報になります。
海外で、伝達方法もままならない中でやり取りをするわけなので、後から「言った言わない」という状況になるのを避けるためにも、数字の伝達には気を遣いましょう。
特に高額な値段についてやり取りをするとき、相手から言われた数字を紙に書いたり、電卓で叩いて相手に見せ、確認しておくのが良いでしょう。
相手が日本語の分かる人でも、数字について日本語で確認した後、一応英語でも確認しておくとか、二重三重に確認しておけば、後々間違いがありません。
後は、値段の単位にも注意しましょう。
こちらはルピーのつもりで話していたのに、相手が後から「ドルのつもりで話していた」と言ってくる詐欺の手口があるようです。
とにかく愛想よくハキハキと
後は、やはり愛想の良さが、コミュニケーションを取るうえで一番のポイントだと思います。
言葉が分からなくても、こちらが笑っていれば、少なくとも敵意は無いことは分かってもらえます。
もちろん、シリアスな場面で笑っているのは良くないですが、基本的には笑顔で応対していれば間違いないと思います。
また、愛想の良さとは、笑顔で対応することだけを言うわけではありません。
アイコンタクト、声のトーンや大きさ、声のかけ方、言葉の使い方、表情の動かし方、ジェスチャー、、、
挙げてみればキリがありませんが、様々な要素から、相手に愛想の良さを感じさせることができます。
例えば、相手の話を聞くにしても、正面を向いたまましかめっ面で黙って聞くよりも、相手の方を向き、うなずいたり表情を動かしたりしつつ、相槌を打ちながら聞く方が、良い印象を与えることができます。
一般に、単語だけで会話するのは失礼だと言われます。
ただ、失礼かどうかは、相手が失礼だと思うかどうかということなので、これも愛想のよさでカバーできるわけです。
英会話ができなくて単語で会話するにしても、例えば相手から「昨日はどこにいたか」と聞かれたときに、無表情でぶっきらぼうに「パトナ」と言うと、本当に不愛想な人なのだと思われます。
相手はこちらと会話したくなくなるでしょう。
それを、表情を動かしながら、にこやかに「パトナ」とハキハキと言えば、相手からは親しみやすい人だと思ってもらえますし、単語でしゃべってるからこの人は英語が苦手なのかもしれないと思われ、助けてもらえるかもしれません。
日本語ができる人を味方に付ける
ブッダガヤでパトナ行きの鉄道チケットを取るとき、日本語ができるガイドに助けてもらいました。
単語だけで旅ができるとはいえ、やはり日本語が話せる人がいると、色々と聞けたり、細かなニュアンスの伝達ができて助かります。
日本語ができる人は、有名観光地によくいるようです。
昔はインドもネパールも日本人がよく訪れていたので、日本人に向けてガイドをするために、日本語を勉強する人がいたようです。
そういう人たちに会ったら、聞きたいことを聞いておきましょう。
ただ、その人が信用できる人なのかは、よく気を付けなければいけないと思います。
信用できると思っても、二人っきりにならないようにするとか、飲食物をもらっても口に入れないようにした方が良いです。
年齢ごとの傾向
あくまで傾向としてですが、年配の人の方がコミュニケーションを取りやすく、若者の方がコミュニケーションを取りにくかったです。
世代が違うから若者とは話が合わないということではなく、年配の人の方が、経験を通して気の遣い方をよく分かっている場合が多いということです。
これは日本人と話をするときでも同じかもしれません。
年配の人は、こちらが聞き取りやすいように話をしてくれることが多いです。
ゆっくり大きな声で話してくれたり、単語一言で伝えてくれたりするので、とても分かりやすいのです。
対して若者は、長文のきれいな英語を流暢に操って話しかけてくることが多く、何を言っているかさっぱり分かりませんでした。
私が分からないという様子を見せても手を緩めてくれません。
上に述べた、世代ごとのコミュニケーションのしやすさについては、私も経験があるのでよく分かります。
私も仕事を始めたころは、色々な人と話をする中で失敗を重ねてきました。
説明しても、相手に大事なことが伝わっておらず、後から問題が起きるなんてことを何度も経験しました。
そんな失敗を繰り返していると、次第に、どう伝えれば大事なことが十分に伝わるか、後からミスが起きなくなるかが分かってきます。
年配の人ほどそういう経験が多くなり、コミュニケーションのコツがよく分かるのでしょう。
なので私は、できるだけ年配の人を選んでコミュニケーションを取るようにしていました。