パトナ駅に到着
ガヤ駅からパラムエクスプレスでパトナ駅に向かっていた。
寝台車はとても寝心地が良かった。
車掌が回って来た後、またすぐに眠りに落ちてしまった。
インドの列車は盗難が多いと聞くので、一応、ザックのファスナーはロックしてあった。
ザックは自体は枕替わりにして、肩ひもを腕にかけてあるので、取られそうになったらすぐに気づくはずだ。
盗難が多いといっても、私が乗っている3等以上のコンパートメントならば、客層も良いはずなので、そんなに気にすることも無いかもしれない。
でもまあ、用心しておくに越したことはない。
盗られてからでは遅いのだ。
しばらく寝ていたようだ。
目を覚まして、スマホのgoogle mapで現在地を確認すると、列車はパトナ駅の近くまで来ていた。
インドの列車は車内アナウンスがない。
途中駅で降りるには、自分で現在位置を把握しておかなければいけないのだが、パトナは終着駅なので、降り損ねる心配はなかった。
途中駅で降りる場合でも、現在地をgoogle mapでこまめに確認しておけば、折り損ねることはないだろう。
さて、列車がパトナの駅に着いた。
二時間ちょっとの乗車だったが、寝ていたのであっという間だった。
他の乗客たちと一緒に列車を下りる。
さて、問題はここからだ。
どうやってラクソウル行きのバスを探したものか。
パトナ駅でバススタンド行きのリキシャを捕まえる
私はここパトナで、国境の街ラクソウルまでのバスを捕まえようと思っていたのだ。
地球の歩き方に、パトナからラクソウルまでのバスが出ていると書いてあった。
ただ、ネットなどで調べても、どこでバスを捕まえれば良いのか、どう捕まえれば良いのかが分からない。
これまでの行程、コルカタ⇒ガヤ(ブッダガヤ)⇒パトナまでは、交通手段も分かりやすいし、調べれば詳しい情報がたくさん出てきた。
パトナからは、この旅で始めての分からないことの多い旅路になる。
さてどうしたものかと思い、とりあえず他の乗客たちに付いて駅を出ることにした。
プラットフォームから歩道橋に上がる。
すると知らないおっちゃんに声をかけられた。
また客引きか。
これまでもそうだったが、客引きは他のインド人には見向きもしないが、外国人の私には優先して寄って来るのだ。
寄って来たおっちゃんはリキシャの運転手だった。
そうだ、ラクソウルのバスが出るバススタンドについて、このおっちゃんに聞いてみるのはどうだろう。
「ラクソウル バススタンド」「ドゥー ユー ノウ ラクソウル」などと言ってみると、300ルピーだと言ってきた。
ラクソウル行きのバスのあるスタンドまで、300ルピーで連れて行ってくれるということだろうか。
300ルピーが妥当な値段なのか分からないが(たぶん外国人料金だろうけど)、おっちゃんの言い値で任せてみることにした。
私は異国の地に独りぼっちであり、英語もヒンドゥー語もよく分からないときている。
おっちゃんを頼って成り行きに任せるしかないのだ。
「OKプリーズ」と言っておっちゃんのリキシャに乗り込む。
リキシャに乗ってパトナのバススタンドへ
リキシャに乗ってパトナの駅を出る。
パトナは深夜特急にも少しだけ出てくるが、ビハール州の州都であり、大きな都市だというのは知っていた。
実際のところはどんな場所だろうと思っていたが、駅の周辺は道がガタガタだ。
リキシャが大きくバウンドしながら進んでいく。
ちょうど、今は街中に地下鉄を作っている最中のようだった。
新しくバススタンドができたという情報も見ていたので、今現在、都市が発展している最中なのだろう。
ちなみに、私が調べた新しいバススタンドというのはここ。
Bairiya Bus Stand 2(バイリヤ バス スタンド2)というところだ。
リキシャもそのバススタンドの方向に向かっているようだった。
駅から少し行くと、ちゃんと舗装された道に出た。
パトナは、ガヤやブッダガヤよりも都会だ。
そのまましばらくリキシャに乗っていると、急に、リキシャは何も無いような道路の途中で停まった。
おや...なぜこんなところで停まるのだろう...
バイリヤバススタンドでラクソウル行きのバスチケットを買う
見ていると、ひとりの男がリキシャに寄って来た。
そのまま運転手と男が話を始める。
運転手が私の方を向き、この男に付いて行けと身振りで示してくる。
どうやら話を付けてくれたらしい。
運転手のおっちゃんにお金を渡してお礼を言い、男に付いて行く。
男について道路を渡っていくと、バスのたまり場があった。
男は私に「ラクソウル?」と確認してくるので、「イエス ラクソウル」と答える。
そのまま一つのカウンターに連れて行かれた。
カウンターにはまた別の人がおり、男がその人と話を始める。
カウンターの人が私にチケットを渡してきた。
チケットには「500」と書いてあるので、500ルピーを払う。
これが高いのか安いのかは分からない。
私を案内してくれた男は、近くの椅子を指さして「シットダウン」と言ってくるので、そこに座らせてもらった。
とりあえずここで待っていれば、ラクソウル行きのバスに乗れるようだ。
パトナの駅からここまで、とんとん拍子で進んできたのでちょっと戸惑っている。
インドでは万事がこの調子だった。
どこかへ行きたいとか、何かをしたいと思っていると、ちょうど良くそれを助けてくれる人が登場する。
ちなみにここは、Bairiya Bus Stand(バイリヤ バス スタンド)というらしい。
先ほど載せた新しい方のバススタンド、バイリヤバススタンド2の少し北にある。
今後の予定
ブッダガヤにいたときに事前に調べていた感じでは、ラクソウル行きのバスは、早朝か夜に出発するものしかないようだった。
ここからラクソウルまで、バスで7時間ちょっとかかるようなので、
・早朝に出て昼過ぎに着く
・夜に出て早朝に着く
の2パターンしか無いのかと思い、早朝の便には乗れないから、夜までパトナ周辺で時間を潰すことになるだろうかと覚悟していたのだ。
だが、今ぐらいの時間(今は朝の9:30)に出る便もあるのだ。
今ここを出発すると、ラクソウルに着くのは18:00前になるだろう。
ラクソウルに着いたら宿をとって一泊することにしよう。
ラクソウルから国境を越えてネパールに入るつもりなのだが、時間的に、国境のイミグレーションは閉まっているかもしれないし、そもそも暗い時間帯に外を歩きたくなかった。
それに、元々ラクソウルでは一泊するつもりにしていた。
国境の街なんて中々行けるところではないので、すぐに通り過ぎるのはもったいない。
一泊して、翌朝にゆっくり国境を越えたかった。
バススタンドの押し売りたち
チケットカウンターのそばに座り、バスが来るのを待ち続けた。
スタンドの周辺は騒々しく、ひっきりなしにバスやリキシャが行き交っている。
ラクソウルまで長いので、トイレに行っておいた方が良いだろうか。
だが、辺りを見渡しても、トイレらしきものは見当たらない。
バラックのような建物がいくつかあり、その後ろとかで用を足せそうな気がするが、どんなものだろうか。
まあ、我慢できそうなのでこのまま待つとするか。
そうしてキョロキョロしていると、物売り、というより押し売りたちが度々やって来る。
電子機器をたくさん持った男が、私にモバイルバッテリーを買えと押し付けてきた。
そんな物はいらん。ザックの中に入っているし。
「NO」と言っても男は中々あきらめなかった。
そうこうしていると、次は飲み物を持った男が、私の目の前にドンとジュースのペットボトルを置いてくる。
これは正直欲しかった。
水は十分に持っているのだが、バスに乗っている時間が長いので、途中で甘いものが欲しくなりそうだ。
そうして買ったのが、先ほどチケットと一緒に写っていたジュースだった。
実は、このジュースは前にブッダガヤで飲んだことがあった。
かなり甘いマンゴーのジュースだが、美味しかったので、今回リピートすることにした。
ラクソウル行きのバスに乗る
押し売りたちと押し問答をしながら待っていると、チケットカウンターの人が、走っているバスを指さして「ラクソウル」と言う。
あれに乗れば良いのだな。
チケットカウンターの人に「センキュー」と言い、走っているバスに飛び乗った。
(その後、すぐにバスは停まったので、飛び乗る必要はなかった)
バスは二階建てになっており、一階は普通席、二階は寝台になっている。
私のチケットが普通席のものなのか、寝台なのかよく分からなかったが、たぶん普通席だろう。
指定席なのかどうかもよく分からないので、とりあえず真ん中あたりの席に適当に座った。
後から地元の人たちも乗ってきたが、やはりこのバスは指定席ではないようだ。
何にしても、バスが見つかって良かった。
このまま7時間ちょっと乗っていれば、ラクソウルに着くはずだ。