このページでは、釣りに使うストリンガーの役割とその使い方、ストリンガーの選び方などについて説明します。
別のページでは、ストリンガーとナイフを使った魚の締め方や、ストリンガーの自作についても解説しています。



よろしければそちらもご覧ください。
ストリンガーを使う理由
釣った魚の保管方法は、釣りに行く前に考えておかなければいけません。
他の釣り人を見ていると、クーラーボックスを釣り場まで持ち込んでいる方も多いようです。
ところが青物を狙うとなると、釣り場にクーラーを持ち込むのは大変です。
青物は堤防や磯などの先端近くで狙うことが多く、往々にして、駐車場から釣り場まで、結構な距離を歩くことになります。



大物が入るような大きさのクーラーを持って、長距離を歩くのはとても大変です。
クーラーを運ぶためのカートもありますが、磯などの起伏のある釣り場では、それも使えません。
さらに、魚が釣れた場合、帰り道のクーラーは、来た時よりも重くなっています。
釣りをしてヘトヘトになった体に鞭を打ち、重くかさばるクーラーを運ばなければいけないので、結構大変です。
そんな、魚の保管の問題を解決してくれるのが、ストリンガーです。
ストリンガーについては、青物釣りのタックルのページでも少し紹介しました。


ストリンガーは、ロープの先に大きいフックスナップが付いていて、そこに魚の口をひっかけて使います。
魚をフックに引っ掛け、そのまま海水に入れておくか、魚を締めてから海水に入れて保存しておきます。
下の画像の通り、ストリンガーは、ライフジャケットのカラビナにくっつけて持ち運ぶこともできます。


手が空いて移動が楽になります。
ストリンガーとクーラーボックスの一長一短
大体のストリンガーは、魚を引っ掛けるフックが大きいので、小物釣りには向いていません。
30cmぐらいまでの魚を釣るなら、小型のクーラーを持ち運ぶ方が良いと思います。
また、魚をできるだけ良い鮮度でキープしたい場合も、ストリンガーよりクーラーボックスの方が向いています。
ストリンガーを使う場合、涼しい時期であれば、2~3時間ぐらいなら、魚を海中に入れておいても大丈夫だと思います。
運搬性は、完全にストリンガーに分があります。
ストリンガーの使い方
ストリンガーの使い方について説明します。
まず、フックを開けて魚の口を通します。
サゴシやヒラメなど、歯が鋭い魚をつなぐ際には注意が必要です。
魚の口にフックを通したら、フックを閉じて完了です。
魚をつないで生かしておくならば、スナップはエラを通さないようにし、口の薄い膜のところを通すようにします。
魚の口にスナップを付けたら、魚を海中に落としておきましょう。
ストリンガーと魚の活け締め
鮮度のことを考えると、魚をストリンガーにつないで生かしておき、帰る時に締めて行くのが良いでしょう。
ただ、私はできるだけ魚を苦しませないようにしたいので、魚を釣ってストリンガーにつないだら、すぐにナイフで締めることにしています。
私が魚をキープするときの手順について、簡単に書いておきます。
締め方について詳しくは、下のページをご覧ください。


まずは、釣り上げた魚をストリンガーにつなぎ、脳締めします。
脳締めは、魚を暴れさせないために行いますが、飛ばしても大丈夫です。
ちなみに、最初に脳締めをしてからストリンガーにつなぐこともありますが、磯などの足場が狭い場所では、最初にストリンガーにつないでおいた方が、魚に逃げられる心配がありません。
足場が悪い場所では、タモで魚をすくってから、魚をタモに入れたままストリンガーにつなぎます。
そして、足場の広い場所に持って行ってから脳締めします。
脳締めの後、中骨のあたりにナイフを入れて神経を切断します。
同時に、エラにナイフを入れ、血が流れる状態にして、すぐに海水に落とします。
可能であれば、ナイフを入れるのは水中の方が良いです。
ナイフを入れてから海水に落とすのが遅れると、血が固まってしまい、血が抜けにくくなります。
ストリンガーを固定する
魚を締めて海中に落としたら、ストリンガーの糸巻きは、堤防にある突起などに固定しておきます。
堤防での場所取りは、何かしら、ストリンガーを固定できるものがある場所を選んでおくと良いでしょう。
堤防なら、大体どこかにロープを固定できるものがあるはずです。
もしかすると、ストリンガーを固定できるものがない場所で、釣りをすることもあるかもしれません。
その場合は、タックルボックスやクーラーボックス、竿ケースなど、持ってきている荷物にストリンガーを結びつけます。
できるだけ大きくて重い物にロープを結びましょう。
磯場での固定方法
悩むのは、磯場での固定方法です。
磯場では、岩にロープを巻いておきます。
ロープを少し巻いただけでは、ほどけてしまうこともあるので、グルグル巻きにしておきます。
岩の鋭い所にロープが当たる場合は、岩とロープの間に布を当てておきましょう。
磯場で、どうしてもロープを固定できる場所がない場合、堤防の場合と同じく、持ってきた荷物にロープを結びます。
荷物もない場合は、ストリンガーを使うのをあきらめるか、自分の着ているライフジャケットに結びつけるしかありません。
ただ、ライフジャケットに着ける場合、いざという時に体にロープが絡まってしまい、危険なのでお勧めしません。
釣りを終えたら、魚がつながったストリンガーを、そのまま手で持って車に戻ります。
そして、魚をストリンガーごと車中のクーラーに入れ、持って帰ります。
魚をクーラーに入れるときは、ビニール袋に入れておくと、クーラーや保冷剤が汚れません。
ストリンガーの選び方
ストリンガーを選ぶ際、考えなければいけないのは、フロートの有無・フックの大きさ・ロープの材質や長さなどです。
フロートがないと、使っているときに、ロープが水中の障害物に引っかかってしまうことがあります。


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特に、壁がイガイだらけの防波堤などでは注意が必要です。
ひっかかると、最悪そのまま取れなくなってしまうこともあるので、ストリンガーはフロート付きの物をお勧めします。
ストリンガーのフックの大きさは、40~50cmぐらいのイナダやサゴシを狙うのであれば、標準的なサイズで良いでしょう。
フックの数は5個もあれば充分です。
青物は大きいので、たくさん持って帰っても食べきれません。
後はロープについてですが、最低10mは欲しいところです。
20mもあれば、余程高い場所で釣りをするのでもなければ、大丈夫でしょう。
ロープの材質はいくつかありますが、大別すると、PPやPEなどのいわゆる普通のロープと、ワイヤーロープの2種類に分かれます。
私はPEロープで自作したストリンガーを使っています。
自作については、ストリンガーの自作についてのページをご覧ください。


以前はワイヤーロープの物を使っていたこともありました。
ワイヤーロープは頑丈なため、堤防の角や岩に擦れても、切れにくいのが一番のメリットです。
ロープが硬いため、さばきやすいのですが、魚をたくさんキープした時にワイヤーを持ち上げると、手が痛くなります。
また、金属なので錆びてしまうのもデメリットで、使った後は、よく真水に漬けておかなければいけません。
私はPロープが使いやすいと思うのですが、好みに合わせて選んでください。