青物が回遊する場所
このページでは、前項釣りに行く前の場所探しの内容を踏まえ、実際に釣り場に行った際の、釣り座の決め方について書いていきます。
釣り場に行く前に、ある程度釣り座を絞り込んでおきましょう。
釣り座探しの大前提として、青物は潮通しの良い場所でよく釣れます。
堤防や磯では、できるだけ先端を目指すと良いでしょう。
また、釣り場は開けていた方が良いです。
これは経験則ですが、青物はスペースが広く、自由に動けるような場所を好むような気がします。
浅い砂浜でも、横に充分な広さがあれば青物は入ってきます。
他に、青物の餌となるような小魚がいるかどうかも重要です。
小魚が打ち上げられているような砂浜や、小魚がたくさん泳いでいるような堤防・磯の先端は有望なポイントです。
良さそうなポイントがあれば下見をしてみると良いでしょう。
青物が釣れるシーズンの休日に釣り場に出かけ、どこに釣り人が陣取っているかを見てみましょう。
青物を狙っている釣り人は頻繁にルアーを投げているので、餌釣りの人とはすぐに見分けがつきます。
もしその人が青物狙いでなかったとしても、ルアーで狙っているのはフィッシュイータのはずなので、その付近で青物が釣れる可能性があります。
良さそうなポイントがあれば記憶に留めておき、そこで釣りをしてみましょう。
釣り場に着いたら
実際に釣り場に行ったとき、まずは高所に立ってみましょう。
高い所から見渡せば色々な視覚情報が手に入ります。
海面から岩が飛び出ていたり、黒っぽくなっている場所には岩などの障害物(根)があります。
事前に根の場所を把握しておけば、根掛かりを回避することができます。
根周りは根掛かりのリスクがある一方、魚が付きやすかったり、魚の回遊ルートになっていることが多いです。
ポツンとあるような根の近くはルアーを通しておきたいポイントです。
高所から根の位置や形を見て、あらかじめどのコースでルアーを通すか考えておくと良いでしょう。
下の画像のような、入り組んだ場所は避けたほうが良いです。
このような場所では底までルアーを沈めると、ほぼ間違いなく根掛かりします。
海面を見渡した時に、色が薄くなっている帯のような部分(潮目)があれば、その付近を狙える位置を探しましょう。
潮目は潮と潮がぶつかってできる場所で、プランクトンやそれを追う小魚、さらにそれを追うフィッシュイーターが集まりやすい場所です。
カヤックフィッシングをしていて分かったことですが、沖に青物がいる場合、その付近では高い確率で陸からも青物が釣れます。
沖で漁船が操業していたり、釣り船が来ていたり、網が張られているような場所は狙い目です。
ナブラについて
もっと直接的に青物の痕跡を探すのであれば、沖の海面に目を凝らしてみましょう。
下の画像のようなナブラを発見できることがあります。
ナブラとは、フィッシュイーターが水面近くで小魚を追い、水面に水しぶきが立っている状態です。
手の届く範囲にナブラがあれば、その近くにルアーを通せば百発百中で魚がかかります。
ただ、サバのナブラや小魚を追っているナブラの場合、中々ヒットに持ち込めないこともあります。
これもカヤックフィッシングをしていて分かったことですが、陸から手の届く範囲に比べ、沖ではかなり頻繁にナブラが起きています。
時期と場所にもよりますが、カヤックの周囲一帯で、何時間もサゴシが跳ね回るような状況に何度も出くわしました。
イナダはあまり跳びませんが、サゴシは結構な高さまでジャンプします。
沖でのナブラの多さが分かってからというもの、沖でサゴシが跳ねていないか気を付けて見るようになりました。
陸から遠い沖に目を凝らすと、たまにサゴシのジャンプを見ることができます。
そのような場所では、陸から青物の釣果が望めます。
双眼鏡で沖のナブラを探してみても良いでしょう。
ケーススタディー
釣り場所を選ぶ際に大事なことは、青物が回ってくるかどうかということが第一ですが、釣りやすいかどうかも大事です。
せっかく青物が掛かったとしても、逃げられては元も子もありません。
釣りやすさとは即ち、青物とのやり取りと取り込みがしやすいかという点のことです。
例えば、下の画像のような場所で釣りをすることを考えてみましょう(分かりやすさのため、説明に使用している画像は別の日、別の時間のものを使ったりしています)。
場所は磯の先端です。。
沖に潮目があり、漁船も出ているので、釣れそうな雰囲気がプンプンしています。
手前に3つ足場があります。
誰も釣り人がいないので、場所は選び放題です。
さて、どこを釣り座にしたら良いでしょうか。
まず考えなければいけないのは、少し沖にある岩(下の画像の黄色丸)をどうかわすのかということです。
ルアーを投げるときも巻くときも、魚を掛けて寄せるときも、この岩がかなり邪魔になります。
魚が岩の裏に回り込んでしまったら、ほぼ間違いなく糸が切られてしまいます。
そう考えると、一番右の足場から釣るのは厳しそうです。
画像の右側の外、画像に写っていない部分にはさらに岩があり、右側にルアーを投げることもできません。
岩をかわすには、一番左の足場が釣座に良さそうです。
左の足場から、左に向かってルアーを投げれば、岩に干渉することがありません。
ところが、一番左の足場は、下の画像のようになっています。
かなり低い足場で、少しでも波があると波を被ってしまい、釣りをするのが厳しくなってしまいます。
この日もあいにく、左の足場は波を被っていました。
そのような経緯で、結局釣座は真中の、馬の背のような岩場に決まりました。
少し奥まった場所にある高い足場なので、多少波があっても濡れません。
この場所からは、下の画像のオレンジの道筋でルアーを巻き、また、魚も寄せることになります。
以上が、釣り座の決め方の一例です。
磯では特に、釣り場所を決めるのに気を使います。
堤防ならば比較的障害物も少ないので楽ですが、人が多いと取り込みに気を使います。
多少強引に魚を寄せないと、周りの人とラインが絡まってしまいます。
砂浜はほとんど障害物がなく、周りの人から離れた場所に釣り座を取りやすいです。
取り込みは打ち寄せる波に乗せて魚をズリ上げればよいだけなので、釣りやすさという点では一番です。