阿寒のアイヌコタンへ
それからしばらく運転し、やっと阿寒湖のほとりに到着した。
阿寒湖周辺は温泉街になっている。
まずはインフォメーションセンターで地図をもらい、情報を仕入れる。
次は温泉街の端にある、アイヌコタンへ。
コタンとは集落や村のことだ。
建物の外観や雰囲気が素晴らしい。
坂道の両側に、土産物屋や飲食店が並ぶ。
道の真ん中が観光客用の駐車場になっている。
坂の上には展示館などもある。
木彫りに布製品、鹿角の加工品など、アイヌ関係の土産が所狭しと並んでいる。
ここアイヌコタンは、北海道一周の中でどうしても訪れたかった場所の一つだった。
アイヌ彫りのアクセサリーなどが欲しかったのだ。
土産物屋に入る前に、坂を上ってコタンの上まで行く。
アイヌのチセ
坂の上では、チセなどを見学できる。
チセとは家のことだ。
苫前町郷土資料館で見た解説文によれば、チセは一週間足らずで造ることができるらしい。
アイヌチセの藁ぶき屋根は、段々になっているのが特徴だ。
北海道の他の所で見たチセも、屋根は段になっていた。
雪下ろしのためではないかとか、藁が短い方が扱いやすいからではないかとか、理由はいくつか推測できる。
本州で見たことのある藁ぶき屋根は、どれも段のないストレートだったと思う。
上の画像は、新潟県村上市の若林家住宅だ。
白川郷の合掌造りなどを検索しても、やはり屋根はストレートだった。
チセの中へ。
こういう家に住むのが、ずっと私の夢だった。
いつか、こういう家を自分で建てて住んでみたいと思っている。
ホタテの灯り。
これはイナウといい、カムイに捧げるものだ。
上の丸木に刺さっているのもイナウだ。
将来は囲炉裏のあるチセを建て、イナウを削りながら暮らしたいものだ。
幸福の窓。
ここから見えたのは、、、
民芸喫茶ポロンノへ
一通り見終わり、坂を下る。
遠くに雄阿寒岳が見える。
土産物を見る前に、遅い昼食を取りたかった。
民芸喫茶ポロンノへ。
民芸喫茶ポロンノは、地球の歩き方 北海道に載っており、来たいと思っていた。
ここで食べたかったのがユクオハウセットだ。
「ユク」とはシカのことで、「オハウ」は汁のこと。
つまりシカの汁物だ。
椀の中には、ギョウジャニンニク・フキ・コゴミなどの山菜が入っている。
シカはどこだろうと思っていたら、椀の底にシカ肉がゴロゴロと入っていた。
シカの味については今後のページで書くが、美味かった。
ポッチェイモも注文。
これも地球の歩き方に載っていた。
曰く、
雪の下で眠っていたジャガイモを春に自然発酵させて作ったアイヌの知恵が詰まった料理
だそう。
本で見てから、食べてみたいと思っていた。
味はクセがなく、固めの餅みたいな食感。
かんでいると、少しずつイモの甘さが出てくる。
ポロンノを出て土産物屋を巡り、アイヌ彫りや手ぬぐい、ポストカードなどを購入。
土産物屋の一つで、店主の方から色々と話を聞くことができた。
ここから南に行ったところにある、道の駅 阿寒丹鳥の里に日帰り温泉があり、車中泊できる場所もあるらしい。
今日の最終目的地はそこになりそうだ。
コタンの外を歩いてみると、ここにもアイヌ関係の土産物屋が並んでいた。
一通り見て回り、車でアイヌコタンを出た。