【火山科学館と旧桜ヶ丘団地遺構を見学・遺構で感じたそこはかとない空虚さ】車で北海道一周の旅:その91

2024年10月28日*車で北海道一周の旅:2024年6月,国内の旅,5苫小牧~室蘭~本州,全ページ

車で北海道をほぼ一周したときの記録です。

 

このページでは洞爺湖近くの、洞爺湖ビジターセンター・火山科学館と、旧桜ヶ丘団地遺構を訪れた時のことについて書いています。

 

昭和新山から火山科学館へ

 

昭和新山熊牧場でヒグマたちを見てきた。

 

牧場の近くから、有珠山へのロープウェイに乗れる。

乗るかどうか迷ったのだが、結局、乗らずに次へ行くことにした。

 

ロープウェイに乗るとけっこう時間がかかりそうだ。

今日は函館まで行こうと思っており、時間が微妙だった。

 

高い所から有珠山を見てみたかったが仕方ない。

 

バスで来た小学生たちが、続々とロープウェイに乗って行った。

 

次は、洞爺湖の近くにある火山科学館へ向かう。

 







小学生たちとシアター見学

 

洞爺湖ビジターセンター・火山科学館に着いた。

 

ガイドブックで見たときから、ここに来てみたいと思っていた。

火山科学館というのはあまり見かけないからだ。

 

私が車から降りると、ちょうど小学生の団体もバスで到着した。

 

昨日今日と、小学生の社会科見学に何度も鉢合わせた。

これからの未来を担う子どもたちに、よく勉強していってもらいたいものだ。

 

館内に入るとシアターが始まる時間だったらしく、受付を済ませた後で、映画館のような部屋に通してもらった。

そこに先ほどの小学生の団体もやってきた。

邪魔にならないよう、端っこに小さくなって座る。

 

シアターでは有珠山噴火の映像が上映される。

噴火の様子を記録した映像は、貴重で興味深かった。

 

映像も面白かったが、それを見ている小学生の反応にも興味があった。

ここにいる小学生たちは、どんなことを考えながらこの映像を見ているだろう。

 

私が彼らぐらいの年齢の時は、社会科見学で映像を見るときなど、大人しくしながらも、心は別の場所に飛んでいたと思う。

 

そんな私も、今ぐらいの歳になってようやく色々なものを楽しめるようになってきた。

社会経験のおかげで、文脈を読めるようになったというか、文章や展示に出ていない部分を想像力で補完することができるようになってきたのだ。

おかげで、どんなものも興味深く見て回ることができるようになった。

 




科学館とビジターセンター内を見学

 

シアターを出て科学館内を見回った。

 

 

被災したトラックが展示されていた。

 

 

 

火山噴火の影響で曲がったレール。

 

ビジターセンターには、洞爺湖と有珠山の地形や、付近に生息する動植物についての展示があった。

 

 




やすらぎの家と流された橋

 

火山科学館の裏へ行くと、噴火で被災した建物の遺構を見ることができる。

 

 

奥に見えるのが団地跡などの廃墟だ。

高台の上から、おそらく北海道大学の大学生たちが、何かの計測作業を行っていた。

 

 

 

ここは、やすらぎの家という施設の遺構だ。

温泉浴場だったそう。

 

泥流により、半分近くが埋もれてしまっている。

 

こちらは、泥流で元の場所から150mも流されてしまった木の実橋の遺構。

 

 




旧桜ヶ丘団地の遺構

 

団地が見えてきた。

 

遠くから一見すれば普通の団地だが、近づいていくと、異様さが目立ってくる。

 

 

 

このアパートも熱泥流でやられたらしい。

 

 

 

 

住民たちは避難していたので、幸いにも死傷者はいなかったようだ。

 

 

虚無感が辺りを包んでいる。

 

 




ゆかりの碑へ

 

 

団地の奥は登山道になっているらしい。

火口めぐりができるようだ。

 

これから函館に向かうつもりで時間がなかったのと、暑いので歩く気にならなかったため、ここで引き返すことにした。

 

先ほど通ったやすらぎの家。

 

 

 

 

 

 

 

道の先にゆかりの碑があった。

 

結核患者の療養施設がこの周辺にあったのだが、有珠山噴火により、施設が利用できなくなってしまった。

 

説明書きによれば、

この地で死と再生の明暗を越えた多くの人たちの思いを刻むため

碑が建立されたそうだ。

 

 

空虚だ。

団地の辺りからずっと、言い知れない空虚さを感じていた。

 

 




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