エアポート・レール・リンクでバンコク市街へ
両替とSIMカードの設定を終え、次はバンコク市街地への移動だ。
事前に調べておいた「エアポート・レール・リンク(ARL)」という電車に乗り、終点のパヤタイ駅まで行くことにした。
今日の宿は、その周辺で探す予定だ。それ以降の予定は一切決めていない。
旅をしながら、自分のペースを探っていけば良い。
地下へ降りると乗り場があった。
券売機の英語表記から「Phaya Thai(パヤタイ)」を探し、ボタンを押してお金を入れる。運賃は45バーツ(約225円)だった。
出てきたチケットは紙ではなく、赤くて丸いプラスチックのコイン(トークン)だ。
改札を入る時は読み取り機にかざし、出る時は投入口に入れる仕組みらしい。ゴミが出なくて環境に良さそうだ。
車窓から見るバンコクのアンバランスな景色
電車は高架を走るため、車窓からバンコクの景色がよく見えた。


同じデザインの住宅がずらりと並んでいるエリアがある。

近代的な高層ビルのすぐ手前に、トタン屋根のバラック小屋があり、上半身裸で作業をしている人がいる。
このアンバランスさが、たまらなく良い。

途中の駅に停まるたび、ドアから熱帯特有のむっとした空気が流れ込んでくる。

席が空いても、外の景色を見たいがためにずっと窓際に立っていた。
カメラを構えていると、地元の学生から不思議そうな顔で見られた。彼らにとっては見慣れた日常の風景なのだろうけれど、私にとっては非日常なのだ。

終点のパヤタイ駅に到着し、改札を出る。

さて、喫緊の課題は今日の寝床を見つけることだ。
熱気あふれるパヤタイ駅周辺でホステル探し
とりあえず駅周辺を歩いてみる。

ネットの事前情報ではホステルがたくさんあるはずなのだが、実際に歩いてみると「Hostel」の看板がなかなか見つからない。

すれ違うのはタイ人や欧米人ばかり。
熱気にあてられ汗だくになりながら歩き回るうち、次第に焦りが出てきた。時刻はすでに18:00を回っている。

1軒目に見つけた場所は、1階がカフェでホステルが上階にある造りだったが、店員と上手く意思疎通ができず引き返してしまった。

2軒目のホステルでは、「ドミトリー(相部屋)」は満室で、値段の高いツインルームしかないと言われた。
バックパッカーたるものドミトリーに泊まるべきだという謎の先入観があり、別の場所を教えてもらって後にする。

教えてもらった3軒目も、やはりドミトリーは満室(Full)だった。

なんだかどっと疲れてしまった。
初日から無理をしてドミトリーにこだわる必要もないだろうと思い直し、ツインルームが空いていた2軒目のホステルへ戻ることにした。
ついにチェックイン!レスティニーホステル
戻ってきたのは「レスティニーホステル」だ。
受付で拙い英語を使い、今日はツインルーム、明日はドミトリーに移動してもう1泊したいと伝えた。
2泊分のお金を前払いし、パスポートのコピーを取られ、鍵を受け取る。
タイのホステルでは、部屋代とは別に「デポジット(預り金)」を払うシステムが多い。
チェックアウト時に鍵を返せば、このお金は戻ってくる。
案内された部屋に入り、ようやく人心地がついた。

部屋の壁に書かれていた言葉が、疲れ切った心に染み入るようだった。

バンコクのセブンイレブンで初買い物と物価事情
宿が決まると急に腹が減ってきた。
外を歩いていた時に見つけたセブンイレブンへ行ってみる。右も左も分からない異国で、見知った看板があるのは心強い。
海外での初買い物に緊張したが、商品をレジに出せば金額が表示されるのでそれを払うだけだ。
袋が必要そうな量なら店員がつけてくれるし、温めが必要な弁当は身振り手振りで確認してくれた。
些細な気遣いが本当にありがたい。
セブンイレブンの品揃えは日本と似ているが、ドライフルーツの種類が豊富で、ジュース類は甘いものが多い。
水道水が飲めないタイでは、ミネラルウォーターが棚の大部分を占めていた。
ホステルに戻って買ったものを広げる。


※後で知ったのだが、このホステルでは飲食は共用スペースで行うルールだったようだ。利用時はチェックイン時に確認した方が良い。
買ったものの値段をざっと挙げてみる。
* ガパオライス(辛め):45バーツ(約225円)
* 茶わん蒸しのようなもの:20バーツ(約100円)
* 大きい水:14バーツ(約70円)
* 甘いオレンジジュース:12バーツ(約60円)
* パン:26バーツ(約130円)
水やジュースは日本より安く、パンは同じくらい。
バンコクの物価は全体的に安めだが、モノによる感覚だ。屋台のフルーツなどは日本の半額以下で買える。
1食あたり50バーツ(約250円)もあれば軽食が食べられ、100バーツ(約500円)あれば大抵のものは買える印象だった。
タイバーツの種類と使い方
手持ちのバーツを並べてみた。

赤い紙幣が100バーツ、緑が20バーツ。この2つは日常的に一番よく使う。
100バーツ札が1枚あれば、屋台で十分な食事ができる。
最高額紙幣の1000バーツ(約5000円)は薄い茶色だ。
硬貨は1・5・10バーツの3種類。単体で使うより端数調整の役割が大きく、意識して使わないと財布にどんどん溜まってしまう。
バンコク一人旅、1日目を終えて
手洗いで洗濯を済ませ、シャワーを浴びた。
自分がバンコクにいるという実感がまだ湧かず、非日常的な感覚に包まれている。
街にあふれるタイ語、ムッとくる熱帯の匂い、高層ビルとバラック街のアンバランスさ。
車もバイクもクラクションを鳴らしながら猛スピードで駆け抜けていく。
「微笑みの国」というゆったりしたイメージを持っていたが、来てみると想像とは違う部分も多い。
それでも、親切な店員やホステルのスタッフに助けられた。
自分の中の「タイ」という国のイメージが、少しずつ再構築されていくのを感じながら、バンコクの夜は更けていった。