レスティニーホステルをチェックアウト
バンコクに来てから三日目の朝。
昨日の頭痛は嘘のように消え、気分が良い。
今日は長い距離を歩くことになる。
外に干していた洗濯物などを取り込み、準備を整える。
洗濯物からバンコクの臭いがする気がする。
準備を終え、ホステルを出る。
昨日、受付の人に、翌朝早く出るかもしれないと伝えてあった。
その時にデポジットを返してもらっていたので、ホステルを出るときは、鍵を受付の入れ物に戻すだけでOKだった。
カオサンに向けてホステルを出発した。
カオサンに向けて歩く
考えていたルートは以下のようなものだ。
ホステルから少し南の大通りに出て、後は道なりに西へと進む。
ホステルに別れを告げ、カオサンへと出発。
途中、路地に入って見物も欠かさない。
この辺りは昨日歩いたので土地勘がある。
やはり暑い。
もう汗だくだ。
昨日歩いた範囲を外れた。
ここから先がどうなっているかは分からない。
マハナーク市場を見物
さらに歩いて線路を横断。
飼われているっぽい猫。
大きな建物。
黄色と白の垂れ幕は様々なところで見かけた。
何か意味があるのだろうか。
ここの左の通りに、規模の大きい市場を見つけた。
活気の良さに誘い込まれて寄り道してみることに。
通りの左右に台が置かれ、色々な品物が並べられている。
今回、バンコクを見物した中で一番面白かったのが、ここの市場だった。
後で調べたところ、マハナーク市場という場所だったらしい。
通りは路地の奥まで続いている。
タイ語が飛び交い賑やかだ。
人が多かったので写真はほとんど撮っていない。
マハナーク市場の奥へ
テーブルの上には鶏肉がうずたかく積まれている。
別のテーブルでは、見たことのない大きな魚がうろこを剝がされている最中だった。
山と積まれた香草。
パクチーの匂いが充満している。
雑然と黒いごみ袋が散乱し、野良犬もうろついている。
ごみ収集車が狭い通りをゆっくりと進み、ごみ袋を回収していく。
暗い建物の奥には大量のごみが放り込まれていた。
収集車と人と、自転車の間をバイクが駆け抜けていく。
水浸しの通りに、熱気・乱雑さ・ムッと来る臭い。
何もかもが生々しい。
日本のちょっと大きい都市にでも住んでいると、肉や魚は、スーパーでパック詰めされているのを見るのが精々だ。
解体されているところを見る機会なんてあまりないだろう。
それが良いことなのか悪いことなのか分からない。
だが、パック詰めされた食材も元は生き物であり、人の手がかかってスーパーに並んでいる形になっているということは、知っておくべきことのような気がする。
知識としてではなく実感として。
特に現代の子どもたちは。
そういう勉強の場所として、市場は興味深かった。
バンコクでは他にもいくつか市場を見かけたが、どこも新鮮な光景が広がっていて面白かった。
日本では見られない景色を見ることが、海外旅行の面白さなのだと実感した。
大通りの果物
通りを往復し、大通りに戻ってきた。
大通りには果物屋が多い。
ランブータンやロンガンなど、食べたことも見たこともない果物が積まれていた。
いずれ食べてみたいものだ。
パイナップルが茎付きで売られている。
日本では見られないものが盛りだくさんだ。
楽しすぎる。
市場を出て橋の先へ
マハナーク市場の熱気にあてられ、フラフラしながら橋を渡る。
このままだと、かなり早い時間にカオサンへ着いてしまう。
ホステル探しをするには、正午を過ぎてからの方が良いだろう。
早くも疲れてきていたので、休憩したかった。
橋を渡ったところにある、cafe’ de larnluangというカフェに入った。
cafe’ de larnluangで一服
日本にいたときは、カフェに入ったことはほとんどなかった。
カフェは値段が高く、入りがたいイメージがあったのだ。
それなのに、今はカフェを見つけた途端、抵抗なくすんなり入ってしまった。
海外に来て大胆になっているのか、休憩したいという誘惑に駆られてなのか。
コーヒーを注文しようとしたが、店員の方は英語が分からなかった。
こちらはタイ語が全く分からない。
こういうときは、全人類共通のボディーランゲージが活躍する。
ホットコーヒーを指さして注文。
奥の席でホッと一息ついていると、無性に甘いものが欲しくなってきた。
そういえば、出口のそばのショーケースにブラウニーがあった。
それも指さしで注文。
美味い。とても。
奥のドアに、なぜか浅草土産の木札がかかっていた。
バンコクの交通事情
カフェを出て、さらに道を行く。
バンコクではいつまで経っても道路の横断に慣れなかった。
道路を横断するときは、横断歩道を渡っているときでさえ、毎回生きるか死ぬかの闘いという心地がしたものだった。
バンコクはとても交通量が多い。
それに加え、バイクや車は目の前の信号が赤だろうと、進めるならどんどん進もうとしてしまう。
運転手にとって信号は順守するべきものではなく、進めるかどうかの目安程度でしかない。
つまり歩行者は、青信号の横断歩道を渡っていても油断ができないということだ。
交通ルールを守っている人もいるし、道を譲ってくれるバイクや車もいる。
だが、進めるときに進むというのが、当たり前の文化のようになってしまっている。
道路を横断しなければいけないとき、歩道橋を見ると安心したものだった。
歩行者と車の関係性
バンコクでは歩行者優先という考え方が、日本に比べて薄い。
青信号の横断歩道を歩いていた時、右後ろから左折してきたトラックにクラクションを鳴らされたことがあった。
ゆっくり歩いていたわけでもないのに。
けれど、完全に乗り物優先の社会ではなさそうなのも面白い所だ。
進めるところを進むという文化だからこそ、乗り物に乗っている人は歩行者のことをよく見ている。
だからといって道を譲ってくれるわけではないし、歩行者に優しいわけでもないのだけれど。
旅の間はひたすら、現地の人の後ろについていき、現地の人がどういうタイミングで渡っているのかを観察し続けた。
おかげで車がどんどん通り抜けているような通りも、車の間を縫いながら渡れるようにはなった。
それでも危ないことには変わりがない。
タイと交通事故
タイの交通事故件数について調べてみると、様々なページで、WHO(世界保健機構)が2016年の交通事故について調べたデータについて言及されている。
例えば愛知県のページからデータを抜粋してみる。
2016年の、人口10万人あたりの交通死亡者数は、
・タイ:32.7人
・日本:4.1人
とある。
ソース元が英語でかなり長いので、調査の詳細はよく分からなかったが、この数字をそのまま捉えればタイの交通事情の悪さがよく分かる。
実際にバンコクの町中を歩いてみると、この数字もうなずける。
パヤタイ周辺で、警察が違反車両をスマホで撮影している場面を見た。
何とか交通事情を改善しようとしている最中なのだろう。
だが、信号無視などが当たり前の文化になってしまっているため、改善にはかなりの手間がかかりそうだ。