【御神楽岳・室谷コース】登山記録②・2022/11/21

2023年2月4日mountains,nature,pictures,アウトドア,登山,道具

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3つ目の沢から尾根の三角点まで


 

3つ目の沢を渡ってすぐ、御神楽岳登山道・室谷コース唯一のロープが出てくる。

 

藪は濃くなるばかり。

かなり長い藪道が続く。

 

開けた場所に出た。

ここで休憩を入れようかと思ったが、まだ歩けそうだ。

そのまま先を進む。

 

道は悪くなる一方だ。

 

時折強い風の音が聞こえる。

昔の人はこれを御神楽に見立てたのだろうか、、、

風が吹くととても寒い。

 

段差が大きいのは堪える、、、

足が上がらなくなってきた。

 

気が付けば、辺りは背の低い灌木に囲まれている。

ここまでかなりの高さを登ってきたのだろう。

見晴らしが良くなってきている。

 

 

背の低い木々に囲まれながら、いくつか場違いな杉が生えていた。

 

下田・川内の山々が見渡せる高さまで登ってきた。

さび色の山々が美しい。

 

尾根に出てからも藪は続く。

道も相変わらずぬかるんでいる。

 

今は1000mを越えたあたりだと思うが、このぐらいの高度だと、もう雪が積もり始めているようだ。

 

一気に見晴らしがよくなる。

 

所々、道が崩れているような場所がある。

近づかなければ大丈夫だが、道幅が狭くなっている場所もあり、結構怖い。

 

山頂までもう少しだろうか、、、

足が限界に近い。

寒い。

腹も減ってきた。朝飯をちゃんと食べてくるんだった。

 

これは三角点だろうか。

 

三角点~御神楽岳山頂まで


 

視界は開けており、ここから下界を一望できる。

 

山々の連なりが目に飛び込んでくる。

 

寒いのでウインドブレーカーを羽織る。

風が遮られると、一気に寒さが和らぐ。

 

あれが雨乞峰だろうか。

まだあんなに距離がある。

足がだいぶきつい。

腿が上がらなくなってきた。

心が折れそうだ。

 

ここで11時半ぐらい。

御神楽岳山頂まで2:40という看板から考えると、12時ぐらいに山頂に着くはずだ。

 

もうちょっとで山頂だという気持ち一つで、無心に歩いていく。

 

足が痛く満身創痍。

そんな状況でこの道はきつい、、、

 

あともう少し、、、

 

視界が開けた、、、

 

これは、、、

あの奥のピークが御神楽岳山頂なのか、、、

まだあんなに遠い、、、

 

足が限界に近い。もっと休みを入れながら登ってくるのだった。

寒くて腹が減っていたこともあり、ここで心が折れかける。

が、山頂で美味い飯を食いたいという一心で、ひたすら足を動かす。

 

景色がすごく良い。山頂からの景色を見たい。

 

また藪。

 

まだ一つ目のピークは遠い。

 

 

この辺りが雨乞峰だろうか。

あのピークが湯沢の頭に違いない。

ここの岸壁が素晴らしく、いくら見ても見飽きない。

気付けばデジカメの中身は湯沢の頭の写真だらけになってしまっていた。

 

蝉ヶ平コースは、この尾根道を通って室谷コースと合流するようだ。

とてもチャレンジする気にはなれない。

怖すぎる。

 

 

積雪が多くなってきた。

下界にもそろそろ初雪が降るだろうか。

 

 

御神楽岳山頂が見えてきた。

 

ぬかるみと藪は最後まで続く。

 

山頂まであと少し。

 

足は限界がきている気がするのだが、山頂が手の届く範囲に来たからか、足の痛みが気にならなくなってきた。

登山でもなんでも、気力次第だという気がする。

 

左は切れ落ちた崖になっている。ふらついて落ちないようにしないといけない。

 

あと少し、、、

 

 

やっと山頂に着いた。

 

 

ここまで長かった。

足の筋肉痛がひどい。

 

頂上に着いたのは、ちょうど12時だった。

 

御神楽岳山頂と昼ご飯


 

御神楽岳の山頂はそこそこの広さ。

体感、風倉山の山頂よりは広く、焼峯山の山頂よりは狭いと思う。

 

山座同定盤がある。

 

南の男体山方面

 

 

西の矢筈岳方面

 

日本海や川内山塊はこちらの方角。

 

北の五頭山・飯豊方面

 

 

東の磐梯山・安達太良山方面

 

こちらは福島の方向だ。

 

周囲の景色を見るのもそこそこに、とりあえず昼飯にしよう。

温かい飯を食べたい一心で山頂まで登ってきた。

 

 

PRIMUSのフェムトストーブIP110ガス缶カートリッジホルダーの組み合わせで湯を沸かす。

 




 

この3つは軽くてとても小さい。

フェムトストーブは手のひらの半分ぐらいの大きさで、点火装置も付いている。

重さは100gもない。

 

今回使用した時は点火装置で点火できなかったので、持ってきていたライターで点火した。

フェムトストーブを使うときは、一応ライターなどを持ってきた方が良いようだ。

 

ガス缶にフェムトストーブを取り付け、ツマミを+側に回してガスを放出し、火を点けたライターを近づけて点火する。

ライターは一応2つ持ってきていた。

 

キャプテンスタッグのシェラカップ320mlに、沢で汲んだ水を入れて湯を沸かす。


 

尾西食品のきのこごはんを準備する。

腹が減った身にはパッケージが目に毒だ。


 

パッケージの中にスプーンと脱酸素剤が入っているので取り出す。

一度炊いた米を乾燥させているという説明通り、乾燥した飯が入っている。

お湯で戻すのだが、水で戻すこともできるようだ。

 

フェムトストーブは小さいが、火力は十分。

すぐにお湯が沸き始めた。

 

アルファ米のパッケージ裏面に書いてある注水線まで湯を注ぐ。

湯を注いだら、中身をかき混ぜてチャックを閉め、15分待つ。

のだが、腹が減りすぎて我慢できず、10分ぐらいで食べ始めた。

 

案の定米は完全に戻りきっておらず、固い部分が残ってはいたのだが、空腹だったので今まで食べた飯の中で1,2を争うほど美味いと感じた。

実際のところ味も良く、空腹でなくても美味しく食べられるだろう。

 

もう一度湯を沸かす。

 

お弁当の醤油入れの大きい版(タレビンというらしい)に、インスタントコーヒー・粉末ミルク・ザラメの砂糖を入れてきていた。

 

それぞれ適当にお湯に入れる。

カフェオレの出来上がり。

カロリーメイトと一緒にいただいた。疲れた体に甘さが染み渡る。

 

シェラカップの良いところは、軽量でかさばらないことだけではなく、特殊な構造により持ち手や呑み口が熱くならないことだ。

写真を見ると分かる通り、取手と本体が分離しており、熱が伝わりにくい構造になっている。

 

御神楽岳山頂からの眺め


 

 

飯豊の山々はすでに白くなっている。

 

平地の部分は県道227号が通っているところだろう。

 

県道227号の反対側は山深い。

 

遠くの高峰はどこも冠雪が始まっている。

 

 

 

湯沢の頭

蝉ヶ平コースはあんなところを通るのだ。

足がすくんで動けなくなりそう。

 

 

 

 

湯沢の頭をズーム

 

灰色になっている部分は、雪崩などで地肌が削れたのだろう。

 

 

 

 

景色を十分に楽しんだので、御神楽岳の頂上を後にする。

暗くなり始める前に駐車場に着きたい。

今の時刻は13時ちょうどだ。

 

御神楽岳から下山


 

登りのとき、長靴の中で足がずれるのが気になっていた。

登りならば足が長靴のかかと側にずれるので痛くはないが、下りではつま先側にずれるので、足のつま先が長靴のつま先に当たって痛くなる。

 

そこで、手ぬぐいを下の画像のように足に巻いてみた。

前方の玉にした部分が押さえとなり、足がずれるのを防いでくれるはずだ。

これはかなり効果があり、下山時につま先が痛くならなかった。

 

気がつけば長靴は泥だらけになっている。

下りでは泥道で滑ったりしたので、さらに泥まみれになった。

 

さあ帰ろう。

これからここを下っていく。帰りも道は長い。

 

不思議なことに、登りではあれだけ痛かった足が、下っているときには全く痛みを感じない。

足を少しでも上げると痛いので、登りと下りでは使っている筋肉が違うのだろう。

 

 

山々を見ながら歩を進める。

 

時折足元がふらつくので、落ちないように気をつけなければ。

 

 

 

 

下りではついついスピードを出してしまう。

荷物が重いので、坂道を勢いのままに走って下り降りてしまう。

これは良くないので、杖でブレーキをかけながら、ゆっくり降りていく。

 

下っている途中、木の幹に腰掛けて長く休みを取った。

落ち葉を何の気なしに見ていると、キノコが生えていた。

枯れ葉を分解するキノコなのだろう。

 

登りでは見つけなかったが、奇妙な植物も生えていた。

毒々しい色彩だ。

 

やっと最初の渡渉点まで戻ってきた。

駐車場までもうすぐだ。

 

今回の御神楽岳登山はかなりきつかった。

特に頂上付近が辛く、腹が減って筋肉痛で足を上げるのが辛い中で、稜線上は風が吹くととても寒く、ピークを越えたと思ったらまたピークが現れるという4重苦の登りだった。

空腹や筋肉痛に関しては、途中で立ち止まって休憩を入れれば良かっただけなのだが、山頂が近いからと我慢して歩いた。

その分、頂上で食べた飯とコーヒーの味は忘れられない。

 

後日、筋肉痛がずっと続いたが、体が強くなった証のような気がして嬉しくなってくる。

これまでの山行では、ザックを降ろして休みながら登っていたが、今回の御神楽岳ではほぼザックを下ろすことなしに登り切ることができた。

一つ山を登るごとに、体が山登りに順応していっている気がする。

 

山を登っているときは、辛さからもう登山はしたくないと思ったりするのだが、下山した頃には次はどこに登ろうかと思ってしまっている。

カヤックフィッシングと同じような感じだ。

 

山に登りたくなるのは、山頂から見る景色の素晴らしさと達成感を感じたいということもあるが、強くなった自分自身を次の山で試したくなってしまうというのが大きい。

少しずつ自分がレベルアップして、さらに難しいコースに挑戦できるようになるのが楽しくて仕方ないのだ。

 

御神楽岳下山後は阿賀野川SAの、喜多方らーめん会津屋でねぎ味噌ラーメンを食べた。

下山後のラーメンは本当に美味い。

 

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