ブッダガヤを出発
夜中の2:30、ブッダガヤのタラゲストハウスにて目を覚ます。
3:00少し前に目覚ましをかけていたのだが、目覚ましが鳴る前に目が覚めた。
私はいつも目覚ましが無くても起きられるのだ。
今日はこれから、リキシャでガヤ駅に向かう予定だった。
本当は4:00にブッダガヤを出発しようと思っていたのだが、私のミスで、3:00ごろにリキシャが迎えに来ることになっていた。
前日に準備は終わらせていたので、すぐに支度を終えて外へ向かう。
ゲストハウスの外は真っ暗だった。
少し待っていると、やはりリキシャは早く来た。
心の中で、時間を間違えて伝えたことを謝りつつ、リキシャに乗り込む。
ゲストハウス前の通りは、やはりたくさんの野良犬がウロウロしたり、はしゃぎまわっていた。
リキシャを手配しておいて良かった。
前に書いたことがあるが、ブッダガヤ⇔ガヤ間は結構距離がある。
リキシャでも40分ぐらいかかる。
混んでいるときは1時間を見ておいた方が良さそうだ。
早朝なので結構寒い。
リキシャは扉や窓が無いので、風がどんどん吹き込んでくる。
私は薄いダウンベスト+ウインドブレーカー+手袋という出で立ちだったが、これでも少し寒いぐらいだ。
今乗っているリキシャの運転手も、ブッダガヤで外を歩いていた人たちも、厚めのダウンを着ていた。
日本の寒さに慣れていれば、インドの冬はそれほど寒くない(20℃ぐらい)が、ゲストハウスの中は結構寒かったし、朝や夜に移動する場合も防寒対策をしておいた方が良い。
ブッダガヤの屋台でダウンの上着を売っていたりしたので、現地で防寒着を手に入れることもできる。
真っ暗な道をリキシャが走っていく。
道の途中にはデコボコなところがあり、リキシャがガタンガタンと揺れる。
運転手が、何事か言いながら指をさしている。
運転手が指さす方向を見てみると、道路わきに日本の車メーカーの看板が出ていた。
このまま行くと、ガヤ駅に着くのは4:00前になるだろう。
運転手から、何時の電車に乗るのかと聞かれた。
正直に言うのが憚られたので、「5:00、いや、5:30」と答えた。
運転手は笑っている。
駅に向かうのが早すぎると思ったのだろうか。
本当は、電車が来るのは6:40なんだ。
こんな早朝に運転させてごめん。
ガヤ駅で運転手と別れる
リキシャは走り続け、街中に入った。
そのまましばらく行くと、明るく賑やかな場所が見えてきた。
ガヤ駅だ。
まだ4:00ぐらいだというのに、結構な数の人がいる。
リキシャのたまり場で、運転手がリキシャを停めた。
一緒にプラットフォームへ行く。
改札などはなく、外からそのままプラットフォームに入れるようになっている。
プラットフォームには運転手の知り合いが何人もおり、挨拶をしていた。
私も運転手に礼を言い、一緒に記念写真を撮った。
運転手たちから「どこのプラットフォームに行くのか」と聞かれ、6番だと答えると、道を教えてもらった。
重ね重ね礼を言いつつ、彼らと別れた。
駅の構内で話しかけられる
6番プラットフォームは一番奥にあった。
歩道橋に上がって奥に向かう。
構内には列車を待っている人が多く、歩道橋の階段や、プラットフォームに座っている人が多かった。
6番に着いたが、列車が来るまであと2時間以上ある。
暇だったので構内をブラブラ歩き回ることに。
先ほどとは反対側の歩道橋に上がって歩いていると、若い男が話しかけてきた。
面倒なことは御免だと思って無視するが、また話しかけてくる。
何となく、客引きなどではなさそうだと思った。
立ち止まると「どこに行く列車に乗るのだ」と聞かれたので、スマホで列車の情報を見せて「パトナ」と答える。
彼は、「それなら6番のプラットフォームだと思う」と答えて去っていった。
外国人がウロウロしているのを見て話しかけてくれたのだろう。
6番だというのはスマホで確認して知っていたが、彼の善意からの行いに感謝した。
こっちはブッダガヤで客引きに話しかけられまくったので、道端で話かけてくるのは漏れなく詐欺師だと思っていた。
たまにこういうことがあると嬉しい(が客引きかどうかの判断に困る)。
6番プラットフォームでひたすら待つ
さて、プラットフォームを一周したが、大して時間は潰せなかった。
6番のあたりで腰を落ち着け、列車を待つことにしよう。
人のいないところを見つけ、ザックと腰を床に下ろす。
目の前を、たくさんの人が行き来している。
こうしているのも暇だ。
暇だし寒い。
床が冷たい。
しばらくして、また立ち上がってフラフラと歩く。
すると、さっきは空いていなかった椅子が空いているのを見つけた。
ここに座って列車が来るのを待とう。
少年と果物売り
座ってボーっとしていると、目の前をチャイ売りが通り過ぎていく。
彼らは、「チャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイ」と「チャイ」を連呼しているし、手にポットを持っているので、すぐに分かる。
ふと疑問に思ったのだが、インドでこういう商売をするには許可がいるのだろうか。
日本で飲食物を販売する場合は、地域の保健所の許可がいるはずだが、インドはどうなのだろう。
コルカタでは路上の屋台をたくさん見てきたが、ああいうのは許可を得ないと出せないのだろうか。
気になって少し調べてみたが、よく分からなかった。
少年と果物売り。
果物売りの人に隠れて分かりにくいが、果物売りの人が、籐の台の上に切った果物を並べている。
商売人たちが、籐の台を持って歩いているのをよく見かけた。
籐の台は軽くて丈夫なので、持ち運ぶのに便利である。
このスタイルなら、空いている所を見つけてすぐに商売ができるだろう。
お盆にロウソクを持った人が近づいてきた。
お盆にお金が乗っているので、私も同じぐらいの額を載せると、オデコに指を当てておまじないのようなものをされた。
さらに待っていると、構内の掃除が始まった。
事前に本などで、インドは汚くて雑然としているというのを何度も読んでいた。
実際に来てみると、確かに、よく地面に物が投げ捨てられていたりする。
だが、駅でも街中でも定期的に掃除が行われているので、それほど汚いと感じることはなかった。
パトナ行きの列車に乗り込む
さあ、何だかんだ列車の到着時刻が近づいてきた。
スマホアプリで列車の位置を確認すると、列車は今、ガヤのひとつ手前の駅にいるようだ。
ちなみに、私が乗るのはPalamouExpress(パラムエクスプレス)という名前の列車である。
待っていると、出発時間より少し早めに、パラムエクスプレスが6番ホームにやってきた。
すぐに自分が乗るB1の車両を探す。
事前に車両編成を調べていたが、実際に列車が来てみると、どこにあるか分からない。
適当に見当をつけた方向を探していると、B1の車両を発見した。
中に入り、自分の番号の座席を見つけて荷物を置いた。
席は三段になっているのだが、私は一番上の席だった。
この車両の席は寝台になっている。
私が乗った席は、前に乗客がいたのだろう。
シーツがグシャグシャのままになっていた。
私はこういうのが気にならないので、寝っ転がって列車が出るのを待つ。
列車が発車してようやく一安心
ところで、席に着いてもまだ安心はできなかった。
コルカタのハウラー駅の時のように、乗る電車を間違えていたり、席を間違えている可能性もある。
私は自分自身を信用できなくなっていた。
しばらくしてから列車が発車した。
列車が発車するまでけっこう余裕があったので、落ち着いて席を探しても大丈夫そうだった。
もちろん、停車駅や列車の種類によって、停車時間は違うのだろうけれども。
列車が発車すると、すぐに眠くなってきた。
そのまま少し眠っていたらしい。
ふと気づくと、私の名前を呼ぶ声が聞こえる。
車掌が回ってきて、乗客が乗っているか確認しているのだ。
チケットを出す必要はなく、返事をするだけでOKだった。
名前を呼ばれたので、ここが私の席ということで間違いないだろう。
これでようやく、安心してパトナに向かえる。
寝よう。