ブッダガヤ四日目の朝
ブッダガヤに来て四日目。
この時期のブッダガヤはちょうど良い気候だ。
涼しくて生活しやすいし、雨も降らない。
ゲストハウスの中は寒いくらいだが、外に出ると涼しい。
日中は日が差し、少し暑くなってくる。
蚊が多いのだけは勘弁だが、まあ仕方ない。
今日はゲストハウスから歩いて北の方まで行ってみよう。
玄関に出るとマネージャーがいたので、4泊分のお金を払った。
部屋が変更になると言われたので、すぐに荷物をまとめ、新しい部屋に通してもらった。
ブッダガヤの田舎道を歩く
ゲストハウスを出て、いつもの裏道を行く。
少し大きな通りに出て、いつもはここを南に行くのだが、今日は北に向かって歩く。
道は開けており、のどかだ。
車やバイクがひっきりなしに通っていく。
学生服を着た子どもたちを至る所で見かけた。
この辺りには、いくつか学校があるようだった。
午前中の幅広い時間帯に、制服姿を見かけたので、登下校時間はけっこうアバウトなのかもしれない。
水田。
育てているのはインド米だろうか。
しばらく歩き、スジャータ村の方へ行く分岐に出た。
川にかかる橋を渡ると、スジャータ村に出るはずだ。
ここはスジャータ村の方には行かず、マハーボディ寺院の北の辺りまで歩いてみようと思っている。
ブッダガヤに来てからというもの、客引きたちが私のそばを通りかかるたび、「スジャータ村や前正覚山には行ったか」と聞いてきた。
反抗心から、その二つの場所には行かないと決めていたのだ。
ちょっともったいないだろうか。
そのまま真っすぐ歩き続ける。
マハーボディ寺院の北の辺り
スジャータ村への橋の辺りは、交通量が多かった。
土産物屋だらけだった大通りとは違い、ここの通りには理髪店や雑貨屋があり、ブッダガヤ市民が普通に暮らしている場所という感じがする。
適当なところで右に曲がり、何となく歩いて行く。
狭い道を、バイクや車をかわしながら歩く。
大菩提寺の北は、高級そうなホテルや飲食店が多い。
一軒の旅行代理店へ
下の地図のBeHappyCafeの辺りは、特に飲食店や旅行代理店が集まっており、ブッダガヤでも賑やかな場所だ。
この辺りを通っている時、一軒の旅行代理店から「ハロー」と声をかけられた。
次の場所への足を探そうと思っていたので、これ幸いと話をしてみることに。
ブッダガヤの滞在は一週間を目安にしていたので、そろそろ次の場所への交通手段を確保しなければと、実はちょっとずつ焦ってきていたのだ。
私は次の目的地を、ヴァラナシに定めていた。
ヴァラナシはヒンドゥー教の聖地であり、インドに行くならヴァラナシに寄らないでどうする、と言われそうなぐらい有名な場所だ。
ヴァラナシはブッダガヤからも近い。
ブッダガヤ(ガヤ)からヴァラナシへは、電車やバスで行けるようだった。
ヴァラナシに電車で行くためには、一度ガヤ駅まで行かなければならない。
ちょっと面倒だったので、ブッダガヤでバスをつかまえてヴァラナシまで行こうと思っていた。
地球の歩き方を見ると、ブッダガヤからヴァラナシまで、直通のバスがあるような書き方がされていた。
さて、旅行代理店の親父に、ヴァラナシへのバスについて聞いてみる。
親父の英語は聞き取りづらく、ローカルバスや時間についてどうのこうのと言っているが、さっぱり分からない。
彼は、それはさておきと切り出し、ブッダガヤ近郊のガイドをしてやると、話を進め始めた。
前にマハーボディ寺院をガイドしてくれた男もそうなのだが、こちらの需要を無視して話を進めてくるため、てんで話にならない。
こちらの相談事に親身に乗ってくれれば、ではガイドも任せてみようかなという気持ちになるのに...
スジャータ村などの観光地はもう全て回ったと嘘をつき、旅行代理店を離れた。
店の親父の口ぶりからすると、ローカルバスは結構メジャーなバスで、旅行代理店に頼むようなバスではないのかもしれない。
四日後ぐらいにブッダガヤを出ようかと思っていたので、明日か明後日ぐらいには、交通手段のめどを付けておきたかった。
また日本寺へ
旅行代理店を出て近くをブラブラする。
この辺りには、旅行代理店の他に、飲食店や土産物の屋台がたくさん並んでいる。
数珠や仏像などの他、英語で書かれた本も売っていた。
土産を売っているのは、赤とオレンジの袈裟を着た僧侶たちだ。
赤とオレンジの袈裟を着ているのは、チベット僧かブータン僧のどちらからしい。
地元の人も分かっていないようだった。
今は巡礼シーズンだからなのか、ブッダガヤを歩いていると、袈裟を着た僧侶の集団とよくすれ違う。
中には子どもたちもいて、飲食店で駄弁っているのを何度か見た。
土産物屋をのぞいたりしながら、次はどこへ向かおうかと思案する。
とりあえず日本寺の方へ向かってみるか。
行く場所に困ったら日本寺に行こうと、何となく決めていた。
土産物の屋台が連なっている所から、マハーボディの辺りに向かって歩いていると、道がどんどん広くなってくる。
道の上にはカラフルな旗がかかり、お祭りのような雰囲気だ。
道の両脇にはまばらに屋台が並んでいる。
緑色の大きな果物が並んでいる屋台がいくつかあった。
これはアイスアップルというヤシの実の一種で、注文すると、店の人が実を刃物で削り、穴をあけてくれる。
穴から果汁を飲むという寸法だ。
歩き続け、ブッダガヤの大通りに出る。
マハーボディ寺院の近くでは、また土産物屋の屋台が立ち並ぶ。
歩いていると、子どもたちが追いかけてきた。
何てかわいい子どもたち、、、などと思ってはいけない。
彼らはブッダガヤの強かな子どもたちなのだ。
どうせお金をせびろうとしてくるに決まっている、、、
ほらやっぱり、手を出して「マネー」と言ってきた。
ジャパニーズはカモとしか思われていないのだ。
無視して歩き続ける。
ただ、彼らの行動があさましいとは思わない。
これが、ここでの彼らの処世術なのだろうから。
日本寺の門に着いた。