どうしても日本食が食べたい
午後の良い時間になった。
飯を食いに行こう。
昨日のページに書いた通り、私は日本食が恋しくてたまらなかった。
最後に日本食を食べたのは成田空港だった。
コルカタに来てからというもの、ことあるごとに日本食の味が思い出されていた。
ラーメン、揚げ出し豆腐、ごま和え。
美味しんぼのように、風邪をひいて弱っている私に、誰かが日本食を食べさせてくれないかと、そんな妄想をするようになっていた。
どうしても和食を食べたい。
だが、近くには日本料理の店がない。
そこで考えていたのだが、中華料理を食べに行くのはどうだろうか。
中華料理なら、味付けの方向性が日本食と似ている気がする。
ゲストハウスの近くには中華料理屋がいくつかあるので、そのうちの一つに向かってみることにした。
ホンコンチャイニーズレストランへ
ゲストハウスの南にある、Hong Kong Chinese Restaurant(ホンコンチャイニーズレストラン)へ向かう。
ゲストハウスのある、ミアッサ・ガリブ・ストリートという通り沿いに南へ行くだけなので、道が分かりやすい。
歩いていると、道の向こうから西洋美人が4人歩いてきた。
こういう人たちもコルカタに来ているのか。
中華料理屋を探して歩いていると、それらしき場所を発見。
入口にいた長身の人と目が合い、「コンニチハ」と言われる。
毎回不思議なのだが、何故私が日本人だとすぐに分かるのだろう。
バンコクにいた時は、首に手ぬぐいを巻いていたので、日本人だと分かりやすかっただろう。
インドでは、それらしい目印も付けていないはずなのに、分かる人にはすぐに分かるようなのだ。
ともかく中に案内され、席へ。
ホンコンスペシャルチョウミンを注文。
注文すると新聞を渡された。
料理ができるまで読んでくれということなのだろう。
こういう気づかいは本当にありがたい。
厨房からは、時折「ジャー」という中華料理らしい音が聞こえてくる。
これだよこれ。
まだ時間が早く、それほど腹は減っていないのだが、食欲をそそられる。
料理が来るのが待ち遠しい。
来た、チョウミン。
中華そばのあんかけ焼きそばの上に、カリカリの麺が乗り、具材もたっぷり。
味の方は、、、
やっぱり風邪のせいか、あまり味を感じない。
でも美味いぞ。
求めていた旨味がある。
よく噛んでいると、ちょっとずつ旨味を感じてきた。
もっと早くに気付くべきだった。
中華料理なら、日本食と同じような味付けだ。
日本食に近いものを食べたければ、中華料理屋に来ればよかったのだ。
それにしても、結構量が多い。
大の大人がようやく一人で食べきれるぐらいじゃないか。
取り分けるのが前提なのだろうか。
インドの料理屋はどこも量が多かった。
食べ終えて料金を払った。
ウェイターに挨拶すると、握手を求められ、「サヨナラ」と言われた。
サダル八日目の終わり
ゲストハウスに戻ってきた。
実はチョウミンを食べている間、寒気がしていた。
風邪を引いてからというもの、ことあるごとに寒気がする。
それに、体中の器官がてんでバラバラに動いているような、要するに自律神経の調節がうまくいっていないような感じだ。
一年間の不摂生が祟ったか、もっと体を動かさないといけないのかもしれない。
ネットで調べながら、付け焼刃でストレッチをしてみる。
ツボも押してみよう。
さて、明日の出発に向けて荷物の整理も始める。
一見無造作に散らばっていた荷物も、片づけ始めたらすぐにザックに収まった。
鉄道のチケットは、すぐに取り出せる場所に入れておくのが良いだろう。
肩掛けバッグの中に、ノートに挟んで入れておくことにする。
さあ、明日からインドに来て初めての遠出だ。
駅のリタイアリングルームは確保できるだろうか。
正直不安だらけだ。