タメルからダルバール広場までブラブラする・ガイドたちとの再会

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タメル五日目の朝

タメルの滞在も五日目になった。

 

何だか時が経つのが早い気がする。

 

明日にマウンテンフライトを控えているため、今日はあまり遠出しないつもりだった。

とりあえずダルバール広場をブラブラしに行ってみるか。

 

ダルバール広場は三日前に一度訪れていたのだった。

そのときは広場をブラブラし、ガイドに博物館を案内してもらったりした。

 



ザクロの食べ方

広場に向かう前、朝食のフルーツを食べることに。

 

昨日買った緑のブドウと、ザクロを一つ食べておく。

 

ザクロは日本では中々食べられないので、この旅でたくさん食べておこうと思っていた。

 

ザクロを食べるときは、まず皮に両手で爪を立て、半分に割る。

上や下の部分からは割りにくいので、側面から割るのがポイントだ。

 

この赤い外皮には毒があるらしいので、口に入れないように注意。

 

ちなみに、割ると汁が出てくることがあるので、食べるときは洗面台の上などで食べた方が良い。

 

半分に割った状態。

 

これをさらに半分に割る。

 

 

食べるのは赤い粒の部分。

白い薄皮ごと、赤い粒をかじって食べる。

 

赤い粒の中には小さい種が入っているが、それも一緒に食べられる。

 

このザクロはまだ熟しきっていなかったが、熟したザクロは本当に美味い。

 

旅の中で一度だけ熟したザクロを食べたのだが、それまでに食べた物とは甘さが段違いだし、滋味があった。

 

熟したザクロは、皮が赤黒く柔らかいのが特徴だ

また、中の赤い粒も黒っぽくなっている。

 

ザクロを買う時は、できるだけ熟したものを求めたい。

 

朝のタメルをダルバール広場に向かって歩く

さて、ダルバール広場に向かって歩いて行こう。

 

今は9:00ごろだが、タメルの店はほとんどシャッターが下りている。

 

 

ずっと天気の良い日が続いている。

 

インドからここまで、たしか一度も雨に降られていなかったはずだ。

 

 

 

ダルメシアン(カラーの犬)を発見。

 

さっきのストゥーパしかり、カトマンズでは近代的なビルを背景にして、こういうものがドンと置いてあるのが面白い。

 

詳しいことは分からないが、ヒンドゥーの神様が安置してある場所だろう。

 

 

 

タメルに来て5日目になるが、何もかもが目新しく感じ、ものすごく楽しい。

 

 

シャッターの閉まった店の中で、ミキサーが回っているような音が聞こえる。

濃いクミンの香りが通りに充満している。

 

クミンはカレーに欠かせないスパイスであり、インドやネパールのカレーはもちろん、日本のカレールーにも使われている。

クミンの匂いをかぐと、カレーの匂いだ、と思うはずである。

 

下の画像の左上にある、小さい種のようなものがクミン。

 

日本のスーパーでも、上の画像のようなホール(そのまま)の物と、挽いてにした物のどちらもよく見かける。

 

先ほどの店の中では、ホールのクミンを挽いてパウダー状にしている最中だったのだろう。

 

ダルバール広場の近くまで来た。

 

奥に環状交差点が見える。

 

ビジターパスでダルバール広場に入場

 

ダルバール広場の入口にある、旧王宮の博物館。

 

 

窓も柱も、おそらく全て手彫り。

何度見ても素晴らしい建物だ。

 

 

奥に見える小さいカウンターが、入場者をチェックするカウンターだ。

 

地元の人は素通りだが、外国人はカウンターに立ち寄って入場料を払う必要がある。

 

私は以前作ってもらったビジターパスを持っていたので、無料で入ることができる。

チケットカウンターでビジターパスを見せ、ダルバール広場に入場。

 

チケットカウンターのある広場。

ここには土産物の露店が並んでいる。

 

以前にも書いたことがあったが、「ダルバール広場」はこの広場だけを指すのではなく、奥の寺院などがある場所もひっくるめて、ダルバール広場と呼ばれている。

 

ガイドたちとの再会

さて、ダルバール広場の奥に行こうとすると、顔見知りの人に声をかけられた。

 

初めてダルバール広場に来たときに会ったガイドの男だ。

 

有名観光地に行くと、必ずと言ってよいほどガイドが声をかけてくる。

大抵の場合、彼らは勝手にガイドをはじめ、そのまま付いて行ってしまうと後でガイド料を請求されてしまう。

 

政府公認のライセンスを持っているガイドでも、説明を受けると必ず料金を請求されるので、注意が必要である。

 

スワヤンブナートのときにも書いたが、彼らから観光地の説明を受けること自体は悪いことだと思わない。

 

彼らは色々なことを知っているし、しゃべり慣れていて話が面白い。

耳寄りな情報を聞くこともできるかもしれない。

 

ただ、もしガイドを受けるなら、事前に料金の交渉は必要だし、安全には十分に気を付ける必要がある。

 

さて、このガイドの男は私のことを覚えており、私が別のガイドをから説明を受けたことも知っていた。

どうやらガイド間で情報を共有しているようだ。

 

私はこの人のガイドを断った後、別のガイドから説明を受けていたのだ。

ちょっと気まずかったのだが、この人はそのことを根に持っているわけではなさそうだ。

 

私が説明を受けたガイドについて、「あのガイドは日本語が上手い優秀なガイドだ」と言っている。

 

そんなことを言いつつ、自分の着ている日本語Tシャツを見せてくる。

Tシャツには、某人気マンガに出てくるキャラクターの名前が書かれていた。

マンガもキャラクターも有名ではあるが、非常に微妙なところをついてくる。

 

最初にこの人に会ったときは、料金を言わずにガイドを受けさせようとするので、あまり良い印象を持たなかった。

だが、こうして話すうちに、彼への印象が改まってきた。

 

こちらは一度、別の人からガイドを受けた身であり、彼は私と話していても商売にならないはずである。

それでもこうして気さくに話をしてくれているのは、彼の人柄だろうか。

 

ガイドと別れ、広場の奥へ。

 

ここで、前にダルバール広場の説明をしてくれたガイドとも遭遇した。

 

「ブラブラか?」と聞かれ、「ブラブラだ」と答える。

 

さて、ダルバール広場をブラブラしよう。

 

ダルバール広場の構造をおさらい

ダルバール広場は前にも歩き回ったことがあった。

 

今回はいくつかの建物に注目しながら、もう少し詳しく見て行こう。

 

まずはダルバール広場の構造をおさらいしておく。

 

ダルバール広場を見て回ると、ちょうどカタカナの「ム」の形になる。

 

ダルバール広場の見どころは、大きく分けて4か所である。

「ム」の右下真中左下上側だ。

 

「ム」の右下には、ダルバール広場の入口土産物屋の広場博物館の入口などがある。

※なお、ダルバール広場の入口と書いたが、ダルバール広場自体は色々な場所から入れる。

この右下の場所が、一番玄関口っぽいのだ。

 

「ム」の右下エリアから博物館の中に入ると、「ム」の真中を見て回れるようになっている。

 

「ム」の真中は、前回ダルバール広場に来たときに入ったが、旧王宮殿の建物が博物館になっており、見どころが多い。

 

「ム」の右下から左下へ移動する途中、左手にクマリの館の入口がある。

 

「ム」の左下、折れ曲がっている部分には、大きなシヴァ寺院を中心として、いくつかの寺院が建っている。

 

「ム」の上側も寺院が密集している。

 

カール・ヴァイラブ像があるのもこの辺りだ。

 

シヴァ寺院近くのカスタマンダップ

さて、まずは「ム」の左下を見て回ろう。

 

先ほど書いたように、この辺りはシヴァ寺院を中心として、いくつかの寺院が点在している。

 

なお、これから書く情報は、広場のパンフレットを元にしている。

 

これはKasthmandap(カスタマンダップ)という寺院。

 

シヴァ寺院の奥にある、大きく目を引く建物だ。

 

グランドフロアー(一階)はオープンになっている。

 

この建物は寺院だが、昔は公共の施設としての役割もあったらしい。

 

中には入れないようになっている。

 

このカスタマンダップは、2015年の地震で一度バラバラになっている。

バラバラになったために発掘調査が進み、7世紀のリッチャビ朝時代に建てられたことが明らかになったという。

 

 

現在の建物は復興後の姿である。

 

 

この建物は、一本の木から造られたという伝説があり、それが本当かどうか現在調査中のようだ。

 

 

このカスタマンダップの周りには狭い通りがあり、土産物屋などが密集している。

 

 

 

 

 

カスタマンダップの裏には交通量の多い道路がある。

段差の奥に見える小さい建物はチケットカウンターだ。

 

このまま真っすぐ行くとダルバール広場を出てしまうので、寺院の裏を回ってシヴァ寺院の方に引き返す。

 

 

地震の爪痕

 

所々に地震の爪痕が残されている。

 

地震があったのは2015年。

 

復興が住んでいる場所もあるが、まだ再建が終わっていない寺院も所々に見られる。

 

 

この文章は帰国後に書いているが、ちょうど、大阪万博でネパールパビリオンの工事が遅延しているというニュースが流れていた。

 

ネパールからの工事費用の支払いが遅れており、工事がストップしているらしい。

 

実際にネパールに行ってから、こういったニュースを見ると、ネパールの経済事情を考えてしまう。

 

忌憚なく書くが、ネパールは日本に比べて貧しい国だと思う。

 

観光地のガイドたちと話をする中で、そういう話を何度も聞いたし、インフラなどを見てもそう思う。

 

公務員をしている人でさえ、ネパール国内の状況を鑑みて、海外(日本とか)に移住を希望する人もいるようである。

 

ただ、国民の不満ももっともだが、政治に携わる人たちも、限られた資金をどう分配して使っていくかというのは、常に頭を悩ましている問題だろう。

 

地震からの復興も完全に終わっておらず、国内の課題も多く残されている中で、パビリオン建設費用も捻出するというのは、資金のやりくりがかなり大変だと思う。

 

経済については、一朝一夕に改善される方法などはなく、地道に活動を続けながら少しずつ良くしていくしかない。

 

シヴァ寺院から北へ

 

これはシヴァの寺院。

ダルバール広場の中でも一番目立つ寺院だ。

 

ちなみに、地球の歩き方ネパール2025~26年版の表紙は、このシヴァ寺院がモデルになっているようだ。

 

前回来たときは、ここで何かのイベントをやっていた。

 

シヴァ寺院の周辺では、寺院の段差に腰掛けてくつろいでいる人が多い。

 

シヴァ寺院から「ム」の上側へ。

右側に見える一番大きい寺院は、JagannathTemple(ジャガンナートテンプル)というようだ。

 

ダルバール広場の中でも、最も古い寺院だそう。

 

見切れているが、右側にカール・ヴァイラブ像がある。

カール・ヴァイラブ像については以前のページに載せていた。

 

ダルバール広場の北端まで来た。

 

見えているのは、Mahendreshwor Temple(マヘンドルシュワーテンプル)という寺院だそうだ。

 

シヴァ神が祀られており、カトマンズ渓谷の中でも最も有名な寺院の一つだそう。

 

クマリの館の写真

 

ダルバール広場の北から、シヴァの寺院がある広場まで戻ってきた。

画像の左奥に見えているのが、クマリの館だ。

 

前も訪れたが、また行ってみよう。

 

 

入口を通って館内へ。

 

クマリの館で観光客が立ち入れるのは、小さい中庭のような部分のみである。

 

館の中には立ち入ることができない。

 

 

小さな中庭から、きれいな彫刻や飾り窓のある建物を見渡すことができるようになっている。

 

 

 

クマリ様については、前のページで書いたことがあったので、ここでは詳しく書かない。

 

クマリ様は、毎日決められた時間に、上部の窓から顔を出すことになっている。

 

 

 

 

 

前回はクマリ様に会えなかったので、今日は会えるかと期待して来てみたのだが、今日も会えなかった。

 

 

 

 

今度ガイドの人に会ったら、クマリ様に会える時刻を聞いておこう。

 

※クマリ様にはまた後日会うことになる。

 

 

クマリの館を出た。

 

 

 

備考:カトマンズ渓谷の三つのダルバール広場

ところで、カトマンズ渓谷の中で「ダルバール広場」といわれている場所は、実は、全部で三つある。

 

一つ目は、カトマンズ市街地の中心部に位置している、私が今いるダルバール広場だ。

ここが一番有名なダルバール広場であり、ダルバール広場といえばここを指すことが多い。

 

二つ目は、カトマンズ渓谷の古都パタンにあるダルバール広場。

パタンの広場は、しばらく後に行くことになる。

 

三つ目は、カトマンズ市街から離れたところにある、古都バクダプルのダルバール広場。

バクタプルは今回の旅では行かなかった。

 

今私がいるダルバール広場は、Hanuman-Dhoka Durbar Square(ハヌマン・ドカのダルバール広場)と呼ばれているそうだ。

「ハヌマーン」はインド神話に出てくる神の猿のことで、「ドカ」は門や扉を表す。

 

「ハヌマン・ドカのダルバール広場」という名前は、1672年に王宮入口に建てられた、ハヌマン像に由来しているそうだ。

 

ちなみに、カトマンズ渓谷の中には、ダルバール広場をはじめとした様々な歴史的建造物・建造物群が点在しており、カトマンズの渓谷自体が世界遺産として登録されている。

 

中でも主要な遺跡は、カトマンズ、パタン、バクタプルの3広場と、スワヤンブナート、ボウダナート、パシュパティナート、チャング・ナラヤンの7つである。

 

この旅では、そのうちの5つの場所、カトマンズとパタンの広場、スワヤンブナート、ボウダナート、パシュパティナートに訪れることになる。

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