【ハウラー駅のウェイティングホールで17時間の電車待ち】インドに呼ばれ国境を越えてネパールへ

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センターポイントゲストハウスをチェックアウト

サダルストリート九日目の朝。

 

昨日の夜にストレッチをしたからか、すこぶる体調が良い。

寒気もなく、手足の末端が冷えることもなかった。

 

おかげでよく眠れたようだ。

 

今日はいよいよゲストハウスをチェックアウトし、ハウラー駅まで行く日だ。

そしてハウラー駅で一夜を明かし、翌朝のガヤ行きの列車に乗る。

 

私は超心配性なので、列車が発車する一日前に駅まで行こうとしていた。

駅までの道中に何があるか分からないし、列車に乗る前に、駅の構造を把握しておきたかった。

 

それに、暗い時間帯の移動は避けたかった。

 

駅の中ならば、夜でも安全に過ごせるだろうし、リタイアリングルームという、列車を待つ人が泊まれる施設もあるらしい。

リタイアリングルームについてはあまり情報がなく、実際に泊まれるかどうか分からないのだが、ダメもとで行ってみることにしていた。

 

10:30ごろ、八日間滞在したセンターポイントゲストハウスを出る。

 

入口の受付に行くと、オーナーらしき人がコーランを読んでいた。

ゲストハウスをチェックアウトしたいとオーナーに伝える。

 

すると、次の目的地を聞かれたので、「ガヤ」「ブッダガヤ」と伝えた。

インドやネパールのゲストハウスは、客がどこからきてどこへ行くのかを把握しておかなければいけないようだった。

 

ちょうど、顔見知りになった従業員も居合わせたので、お別れの挨拶をして礼を言い、ゲストハウスを出た。

 



地下鉄に乗ってハウラー駅を目指す

これからハウラー駅に行くのだが、その前に、サダルストリートに寄ってサトシさんに挨拶をしておきたかった。

 

色々と情報を教えてもらい、世話になったので、もし会えたらサトシさんの店でお土産でも買っていこうかと思っていたのだ。

 

ところが、サダルに行ってみてもサトシさんはいなかった。

今後またコルカタに来ることがあれば、そのとき恩返しをすることにしよう。

 

ではハウラー駅へ。

 

まずは歩いてエスプラネードに行き、そこから地下鉄のグリーンラインに乗ってハウラー駅を目指すつもりだ。

 

コルカタの街並みを見るのも、今日で最後になる。

 

エスプラネードの地下鉄駅に着き、窓口で「ハウラーステーション」と告げる。

10ルピーを払ってチケットを受け取る。

 

グリーンラインのプラットフォームへ。

 

間違えてハウラーマイダンへ

ここでちょっとしたアクシデントが。

 

前にエスプラネードから地下鉄に乗った時、「マハカラン」という駅で降りたことがあった。

 

「マハカラン」の次の停車駅が、私の目的地の「ハウラーステーション」である。

 

ところが、何故か私は、「マハカラン」と「ハウラーステーション」の間に、もう2つほど駅があると勘違いしていたのだ。

 

Googleマップで見た時に、ハウラー橋の近くにあったバス亭か何かの記号を、地下鉄の駅と見間違えていたのかもしれない。

 

地下鉄に乗り、「マハカラン」の次の駅(そこが「ハウラーステーション」だった)をやり過ごす。

 

そして、さらに次の駅に着いてみると、そこがもう終点で、乗客が全員降りて行くではないか。

 

現在地をよく分からずに、とりあえず電車を降りてみると、ここは「ハウラーマイダン」という場所のようだった。

 

ハウラーステーションとハウラーマイダンは料金が同じだったようで、改札は問題なく通ることができた。

地下鉄の駅から地上に出てみる。

 

交通量の多い広い道と雑踏。

たくさんの屋台。

 

遠くにバスステーションがあり、多くのバスが停まっている。

 

スマホで現在地を確認すると、ハウラー駅の真後ろだった。

ハウラー駅まで少し距離がある。

 

まあ仕方ない。駅まで歩いて行くことにしよう。

 

幸い、時間はいくらでもある。

 

備考:読書について・コーランとヨブ記講演

センターポイントゲストハウスをチェックアウトする際、入口の受付に行くと、オーナーらしき人がコーランを読んでいたと書いていた。

 

コーランは分厚く大きい、豪華な装丁のものだった。

 

オーナーがコーランを読む姿がとても格好良く、目に焼き付いて忘れられなかったので、私も帰国後に、岩波文庫のコーランを買って読み始めた。

 

コーランはイスラム教の聖典である。

 

私はこれまで、仏教関係の本を結構読んできたのだが、仏教・イスラム教とくれば、やはりキリスト教も欠かせまい。

 

ということで、コーランと一緒に聖書も読み始めることにした。

 

ただ、聖書は量が多く、何から読めばよいのかよく分からない。

やっぱりまずは古い方から、旧約聖書から読むのが良いのだろうか?

 

そんなことを思いつつ、本屋で岩波文庫の背表紙を眺めていると、内村鑑三さんのヨブ記講演を見つけた。

まずはこれから読み始めてみよう。

 

私は内村鑑三さんの著書をいくつか読んだことがあるのだが、何といっても、人物に対する深い洞察が魅力的である。

ヨブ記講演も、登場人物であるヨブの心情を推し量りながら、丁寧に、ヨブという人物やその周りの出来事について掘り下げていってくれる。

 

ヨブ記講演は、ヨブ記が分からなくても読み進められるように配慮されているのだが、読んでいると、やはり本文も読みたくなってきた。

そこでヨブ記も買って、併せて読み始めた。

 

思えば、これまでの私の読書は、ずっとこんな調子だった。

 

人や本に影響を受けて、何かの本に手を出してみる。

その本が気に入れば、その著者の本をまとめ買いして読みふけったり、その著者が紹介している他の本を手に取ってみる。

そうして自分の中の本の世界を広げていった。

 

私が読書をするのは、何か実利を求めているわけではなく、教養を付けたいと思っているわけでもない。

本を読むのは当たり前のこと、もはやこれは私の習性になってしまっている。

 

将来は、日がな一日、内村鑑三全集や日本思想体系でも読みながら暮らしたいものだと思っている。

こうやって溜め込むのは九種の癖だ。

 

九種については、旅行記の最初のぺージを参照のこと。

 

ハウラーマイダンから高架の道を行く

 

しばらく高架の上を歩く。

 

バスがよく通る道だ。

 

インドのアパート(たぶん)。

部屋の中がどういう作りになっているか、見てみたいものだ。

 

ハウラー駅から伸びる線路。

線路があるから、ここの道路は高架になっていたのか。

この右手の方にハウラー駅があるはずだ。

 

どこかで下りなければいけないと思うのだが、もう少し高架の先に行ってみるか。

 

コルカタではこういう建物をたくさん見た。

雰囲気があって非常に良いのだが、地震が来たらマズイ気がする。

 

このあたりは、滅多に地震なんて起きないのだろうけれど。

 

※そんなことを書いていたら、2025年の3月下旬に、ミャンマーで大地震が発生した。

コルカタもミャンマーからそこそこ近いので、被害を受けていないと良いのだが。

 

インドのカラス

 

高架が下がり始めた。

このまま行くとどこに出るのやら。

 

インドのカラス。

インドのカラス

インドのカラスを拡大

インドではこういうカラスばかり見かけたが、日本のものと比べて、首が細くて灰色になっているのが特徴だ。

 

ちなみに日本のカラスはこんな感じ。

日本のカラス

 

私はカラスが好きなのだが、世間一般ではカラスは嫌われやすいようだ。

真っ黒だからだろうか。それとも残飯あさりをしているイメージがあるからだろうか。

 

混雑を抜けてハウラー駅前に到着

 

高架の下はすごいことになっていた。

コルカタの大渋滞

たぶん、この道を行けばハウラー駅に行くはずだ。

 

ここで下りてみるか。

 

ここの階段を下りると、魚市場になっていた。

薄暗い中で魚を捌いている人たちがいたりして、中々雰囲気がある。

 

駅に向かい、先ほどの画像の、車がギチギチに詰まった道路を歩いて行く。

 

道のはじを歩いて行くが、ときおり、道の向こうから人やバイクが来るため、少ないスペースを譲りながらすれ違うことになる。

結構大変だ。

 

何とかハウラー駅前に出ると、今度はものすごい数の人。

屋台もたくさん出ており、何だかんだと声をかけられる。

 

人ごみをやり過ごしながら、駅の中へ。

 

ハウラー駅に入ってリタイアリングルームを探す

さて、今は昼の12時ごろ。

 

これから翌朝の6時まで、駅で時間を潰さねば。

そのためにもリタイアリングルームを探そう。

 

ハウラー駅の内部は、非常に広々としている。

 

正面から入ると、手前の方に、人々が座ったりしている広い簡易待合スペースがある。

その奥には、いくつもの大きなプラットフォームが、さらに奥に向かって伸びている。

 

入口から見て右手には、鉄道のチケット売り場やトイレもある。

チケット売り場の辺りには、床に敷物をして、座ったり横になっている人たちがいた。

 

壁沿いには、いくつもの施設や飲食店が並んでおり、ウェイティングホールと書かれている二基のエレベーターもあった。

ATMや本屋などもある。

 

さて、どうしよう。

 

とりあえず、構内をウロウロして総合案内所(エンクワイアリー)を探してみるが、見つからない。

 

このままリタイアリングルームを探してみるか、それとも他に腰を落ち着けられる場所を探してみるか。

 

インドの人たちと同じように、チケット売り場前で時間を潰せないかと思い、地べたに座ってみる。

ここはトイレも近いので、時間を潰すのに良さそうだ。

 

ちなみにトイレは、料金が書かれているところもあるのだが、そこはおそらく大をする場所で、無料の小用のトイレもある。

インドのトイレについては、色々な媒体で色々な紹介文を見てきたので、かなり覚悟していた。

が、実際に入ってみると、思っていたよりきれいだった。

 

さて、地面に腰を下ろしてみると、床が冷たい。

一応、敷くものは持って来ているのだが、薄いのであまり効果はないだろう。

 

一時間ほど座っていたが、ここで18時間を過ごすのは無理。

尻が痛いし冷たい。

 

もっと良い場所を探すことにしよう。

 

ハウラー駅のウェイティングホールへ

気になっていたのは、ウェイティングホールと書かれた二基のエレベーターだ。

 

もうリタイアリングルームでなくても、椅子があればどこでも良かった。

 

エレベーターの片方には、「2nd class」、もう片方は「upper class」と書かれている。

私の場合はどちらだろう。

 

とりあえず、「2nd class」の方に行ってみよう。

 

エレベーターで上階まで上がり、ウェイティングホールに入ってみると、受付があり、奥にはたくさんの金属製の椅子が並んでいた。

受付の方を向くと、何かを言われたので、鉄道のチケットを見せてみた。

 

すると、受付の人は少し思案した後、「カム、カム」と言いながら、私をどこかに連れて行こうとする。

 

そのまま付いて行き、エレベーターに乗って下の階へ。

今度はupper classのエレベーターに乗り、再度上に向かう。

 

私を誘導してくれた人は、upper classの受付の人と何かを話し始める。

私にも何かを言ってくるのだが、英語が流暢なのでよく分からない。

 

「202」と言われたが、これは料金だろう。

「トゥモロー」と言われたので、料金は後払いということだろうか。

 

二人の顔色を窺いながら中へ入る。

すると、受付の人が追いかけてきた。

やっぱり先払いだよね。

 

「トゥモロー」というのは、202ルピーで明日までここに居られるという意味なのだろう。

 

まあとにかく、明日まで時間を潰せる場所が見つかって良かった。

ここで17時間ほどを過ごそう。

 

ウェイティングホールの様子

ハウラー駅のウェイティングホールは、過ごしやすい場所だった。

 

まず、部屋は一般用と女性用に分かれている。

一般用を使っている女性もけっこういた。

 

部屋に入ると、黒いソファがたくさん並んでおり、インド人だけでなく他の国籍の人もそこそこ座っている。

空いている所を探して適当に座る形だ。

 

ソファは座り心地が良い。

インドとネパールの旅を通して、一番座り心地の良い椅子だったかもしれない。

 

ソファと、前に座っている人の頭。

写真の奥には、軽食やジュースを売っているスタンドなどがある。

 

スタンドは、ほぼ24時間営業だ。

ほぼというのは、たまに店員がいなくなるときがあるため。

 

椅子の近くの柱には、充電のできるコンセントがある。

部屋の後ろにはトイレやシャワールームまであり、潰そうと思えば、ここでいくらでも時間を潰せそうだ。

 

片言のインド人に絡まれる

ウェイティングホールのソファに座り、一息ついた。

 

チケット売り場の地べたとは、大違いに快適だ。

あそこで17時間を過ごすのは無理だった。

 

今回は、計画ミスといえば計画ミス。

これなら明日の早朝に宿を出て、タクシーでも拾った方が良かったか。

 

まあ結果論だ。

朝まで時間を潰せる場所が見つかったので、良しとしよう。

 

椅子に落ち着いて日記を書いていると、左の方にいたインド人から声をかけられた。

ところが、相手の英語がものすごく片言なので、何を言っているか分からない。

 

ウェイティングホールの受付の人の英語は流暢で分からなかったし、今度は片言なのでさっぱり分からない。

私と同じレベルの人はいないものか。

 

何とか聞き取ったところによると、どうやら、何故ノートを書いているのかと聞きたいらしい。

こちらも片言の英語で、単語を並べながら、「あったことを記録し、家族に見せるためだ」というようなことを伝えるが、中々分かってもらえない。

 

彼は、私がノートに書いていたことを写真に撮り始め、今度はビザを見せろと言ってくる。

 

何故ビザを見せなければいけないのか。

 

彼は政府の人間で、私がスパイ活動をしているとでも勘違いしたのか。

 

何にしても、面倒くさくなったので、「ビザはカバンの奥にしまってあり、取り出すことができない」と伝える。

それでも彼は粘っていたが、こちらが相手にしなくなると、ウェイティングホールを出てどこかに行ってしまった。

 

何だったのだろう。

面倒くさい男だ。

 

勘違いから警察を呼ばれたりしないと良いのだが。

 

売店でチャイを買ったりする

それからまた、ひたすら座って時間を潰した。

 

前の方を見ると、初老の欧米人が、スケッチブックと色鉛筆で売店をスケッチしていた。

こういう時間の潰し方もあるのか。

今後の参考にさせてもらおう。

 

しばらくウトウトしたり、ボーッとしたり、売店で買ったチャイを飲んだりして過ごす。

売店では、メニューにチャイがあるかどうか分からなかったのだが、どこの店も大体チャイがあるだろうと思っていたので、「チャイプリーズ」と言ってみると、紙コップにチャイを入れてくれた。

 

このチャイは、インドとネパールで飲んだ中で一番システマティックなチャイだった。

というのも、機械で淹れているインスタントのチャイなので、何度飲んでも同じ味になる。

日本で飲む、スティックのミルクティーと同じ味だ。

 

スナックも買ったが、これは、日本で食べるベビースターを辛くしょっぱくしたような、インド風の味だった。

 

駅の構内で腕をつかまれる

それから、隣に大人数の家族連れが来た。

 

大人数で家族構成が分からず、いくつかの家族が合同で来ていたのかもしれない。

子どもたちがわちゃわちゃしている。

 

しばらくすると、その家族連れから席を移動するように頼まれた。

 

大人数が固まって座れるような場所が、私の周りしかなかったので、これは仕方ない。

喜んで席を譲る。

 

私も歩きたい気分になっていたので、これを機にウェイティングルームを出て、駅の一階に行ってみることにした。

何か食べ物でも食べてこよう。

 

薄暗い、一階の大広間に降りる。

売店に行ってみると、何人かのインド人が店の前で注文していた。

 

後ろで並んで待っていると、私と前のインド人たちとの間に、他のインド人が入って来る。

日本人的な列の並び方は、インドの人からしたら、列に並んでいないとみなされてしまうわけだ。

 

ここで食べ物を買うのはあきらめた。

小心者の私には無理だ。

 

他に飲食店はいくつもあるが、何だか面倒くさくなってしまった。

後で、ウェイティングルームの売店でパンを買うことにしよう。

 

ウェイティングルームに戻る前、チケット売り場近くのトイレに行っておくことに。

 

歩いていると、黒いスーツの、首から何かの証明書を下げた男たちがいた。

 

その前を通りがかった時、男たちから呼び止められる。

また客引きかと思ったが、様子が違うような気もする。

 

とりあえず無視して通り過ぎると、今度は腕をつかまれた。

これは無視してはダメなやつだ。

 

チケットがどうのこうの言われたので、小さいバッグに入れていたチケットを見せ、解放された。

たぶん、私が飲食店を探してあっちこっちをウロウロしていたので、不審に思っていたのだろう。

鉄道警察か何かだったに違いない。

 

さらに時間を潰す

ウェイティングルームに戻った。

 

売店でチャイとパン、クッキーを買う。

 

パンはチキンが入っており、美味い。

購入するとレンジで温めてくれた。

 

パンとチャイを食べ終え、売店前のゴミ箱にゴミを捨てに行く。

売店の近くには扉があり、その先に何があるか気になっていた。

ゴミを捨てるついでに、扉の先を見に行こう。

 

ちなみに、ウェイティングルームの正面の壁には、荷物の管理は自己責任でと書いてある。

私は席を立つとき、荷物を自転車のチェーンで椅子につなぎ、ファスナーにワイヤーロックをかけていた。

海外旅行用ワイヤーロック

周りには、そこまでしている人はいなかったのだが、まあ用心するに越したことはないだろう。

 

売店近くの扉を出ると、そこはバルコニーになっていた。

眼下には、駅の正面の通りを見渡すことができ、眺めが良い。

 

席に戻ると、電車の発車時刻まであと7時間ぐらいだ。

何だかんだ時が経つのは早い。

 

23:00ごろ、座席を動かしながら清掃が始まった。

座席が動かされてみると、下にあったペットボトルや菓子の袋が出るわ出るわ。

 

23:30、前の方でインド人の集団が騒いでいる。

久々の再開なのか、肩を叩いたり抱き合ったりしていた。

 

このぐらいの時間だと、さすがに客は少ないのだが、騒々しさは変わらない。

 

天井のファンからの風が寒い。

これさえ無ければ快適なのだが。

 

隣のおばあちゃんとおじいちゃんに寝るのを妨げられる

00:00を過ぎ、眠くなってきた。

 

今寝ると、6:45の電車を寝過ごしてしまいそうで、寝るのがためらわれる。

こんなに待ったのに、もし列車を乗り過ごしてしまったら、きっと心が折れてしまうだろう。

その時はガヤに行くのをあきらめ、コルカタから帰国便に乗って日本に帰ろう。

 

やっぱり眠い。

寝てしまおうか。

 

私は左端に座っているのだが、右の席が空いており、それを使えば横になって眠れる。

 

そんなことを考えていると、2つ右の席に来たおばあちゃんが、私の右の席に荷物を置いてきた。

図にすると下のようになる。

 

左端〔私〕〔おばあちゃんの荷物〕〔おばあちゃん〕〔おばあちゃんの連れ〕

 

私は、自分の席と右の席を使って横になろうと思っていたのだが、右の席をおばあちゃんの荷物にふさがれてしまったわけだ。

右の席の足元に荷物を置いていたので、右の席はふさがれないだろうと油断していた。

 

他の席もまばらに空いているのだが、ざっと見た感じでは、2つ連続で空いている所が見当たらない。

 

仕方ない。

席に座ったまま少し眠ろう。

 

寝たり起きたりを繰り返しながらウトウトしていると、おばあちゃんと連れがどこかに行ってしまった。

 

これでようやく、ゆっくり眠れる。

 

そこにすかさず別のおじいちゃんがやってきて、私の右の席も含め、3つか4つぐらいの席を使って寝始めた。

 

もう横になって寝るのはあきらめよう。

お年寄りは大切に、だ。

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