憧れのカムイエクウチカウシ山を見る【白糠大漁まつり・ビーンズ邸と開拓記念館・一本山展望タワー】

旅の記録車で北海道一周全ページ


道の駅 しらぬか恋問へ

昨日は釧路に一泊した。

 

ゆっくりもう一泊したい気もするのだが、北海道一周も2/3が終わり、家に帰りたい気持ちも強くなってきた。

ここから先はどんどん進むことにしよう。

 

帯広に寄ることも考えていたのだが、とりあえず、襟裳の方向を目指すことにした。

釧路市街から海岸沿いに南西へ進むことに。

 

高架の道路に突き当り、道路は海沿いを進む。

海のにおいが車を満たしている。

 

しばらく行き、道の駅 しらぬか恋問に到着。

 

恋を問うとは、これまた含蓄のある地名だ。

もちろんアイヌ語に漢字をあてたのだろうけれど、この漢字をあてた人のセンスというか大胆さがすごい。

 

 

白糠町のページによれば、「コイ」は「波」のことで、「トイ(ドィエ)」の部分は、「崩れる」という意味だそう。

詳しくは白糠町のページで。

 

恋が崩れるとは、これまた言葉の組み合わせの妙である。

 

土産やポストカードを買い、展望台に登った。

 

 

 

この海の様子を見ていると、「波」が「崩す」という地名も得心が行く。

 

 

 

ところで、土産物屋でこんなものを買った。

北海道パワー・えぞ鹿の宝という名前の滋養強壮ドリンクだ。

味についてはいずれ、、、

 



白糠大漁まつりを見学

 

道の駅 しらぬか恋問を出て、さらに進む。

 

白糠町を通っているとき、人が多く賑わっている場所を見かけた。

祭りをやっているようだ。

 

人が多い場所は好きではなく、一度通り過ぎたのだが、気になったので引き返してきた。

ちょっと見て行こう。

 

消防署の放水体験をやっていた。

 

屋台がたくさん出ている。

ゆるキャラも。

 

吹奏楽団が演奏をしていた。

 

 

 

この祭りは白糠大漁まつりというそうだ。

 

白糠大漁まつりは、年に一度開催されている。

今年(2024年)の開催日が、ちょうど今日(6月23日)だったようだ。

 

祭りの日に白糠を通りかかるとは、運が良い。

 

たまには祭りもいいもんだと思いながら、会場をブラブラした。

 

えぞ鹿肉専門店 北のジビエ

屋台で軽食を買っていこうと思い、エゾシカの肉まんを購入。

 

エゾシカのソーセージも勧められたので、ではそちらもくださいと言って購入した。

 

宣伝も頼まれたので一筆書いておく。

 

このソーセージや肉まんは、北のジビエという、エゾシカ肉の加工・販売業社が販売していた。

本社は札幌だが、工場がここ白糠にあるようだ。

そのつながりで、白糠大漁まつりに屋台があったのかもしれない。

 

ホームページでオンライン販売もしており、鹿肉ソーセージやハンバーグ・餃子などの調理品や、ブロック肉なども扱っている。

 

先ほどのえぞ鹿の宝も、北のジビエの販売品だった。

 

さて、肝心の味だが、肉まんはシカ肉がぎっしり。

ソーセージは脂がのっており、どちらもジューシーで美味かった。

特に臭みもなく、エゾシカ肉の風味を楽しめる。

 

エゾシカの味について、以前のページにも書いたことがある。

 

これまでに、アイヌコタンでユクオハウを食べたり、道の駅で紅葉丼を食べていた。

 

エゾシカは、豚肉と牛肉に比べると、牛肉に近い味がする。

見た目も牛肉に近い。

 

シカ独特の風味があるのだが、特にクセはなく、豚肉や牛肉のように常食していくこともできそうだ。

手軽に食べられるジビエとして、一度試してみてはいかがだろうか。

 

昆布刈石展望台へ

白糠大漁まつりを後にし、先へ進む。

 

つぎの目的地は、昆布刈石展望台。

良い景色が見られるらしいのだが、、、

 

国道38号から、道道1038号へと入る。

しばらく行くと展望台を示す看板があり、そこから砂利道に入っていく。

 

砂利の斜路を道なりに進み、昆布刈石展望台に到着。

 

ここからの景色は、、、

 

やっぱり何も見えない、、、

 

知床周辺から、海岸沿いで何度も霧に巻かれた。

道東は霧が出やすいのかもしれない。

風景が見えないのは残念だが、風情があって良い。

 

 

 

 

 

付近を散策する。

 

かろうじて海が見えた。

 

 

 

 

道の駅 なかさつないへ

現在は11:45。

 

釧路を出たのが遅かったので、予定よりもだいぶ遅い。

計画では、昼に襟裳に着くはずだった。

 

昆布刈石展望台を出て、また南へ。

どうしても行ってみたいところがあったので、一旦海岸沿いから離れ、日高山脈の方に向かう。

 

海岸沿いの国道336号を行く。

途中で道を折れ、道道319号へ。

 

道の駅 なかさつないに到着。

国道336号は車通りが少なかったが、道の駅周辺は混んでいる。

 

 

館内で土産物を購入。

 

 

外にフードコーナーがある。

ここは帯広に近いため、豚丼などもあるようだ。

後で食べて行こう。

 

ビーンズ邸の散策

 

道の駅を歩いていると、ビーンズ邸を発見。

豆の資料館とは珍しい。

 

隣には開拓記念館というのもある。

ビーンズ邸の後に寄ってみよう。

 

ビーンズ邸は洋風建築、左右対称な建物だ。

西洋では左右対称な建物が多いため、対称性の美しさに魅せられるのか、理系に進む学生が日本より多いと何かで読んだことがある。

 

対称性は、理系の学問で重要な概念である。

 

唐突だが、ここでクイズを一つ。

鏡に向かって自分の姿を見たとき、自身の左右は反対に見えるけれども、上下が反対になっていないのは何故だろうか。

 

鏡写しにする変換は、物理学ではパリティ変換と呼ばれている。

 

2008年、3人の日本人物理学者がノーベル物理学賞を受賞した。

そのときに話題になったのが、「CP対称性の破れ」という用語だった。

 

CPのPは先ほどのパリティのことである(Cはchargeで+-の電荷のこと)。

電荷や鏡写しについて、対称性が成り立つと思っていたのが成り立たなかったことから、新しい理論が生まれたのだ。

 

さて、ビーンズ邸に入ろう。

 

この資料館は、豆畑拓男(Mr.ビーンズ)さんという人が作ったそうだ。

豆畑拓男さんは現在、新しい豆を求めて旅をしているらしい。

 

目的のある旅というのが羨ましい。

目的のない旅をしていると、そう思う。

 

 

青を基調とした素晴らしい内装。

 

 

 

 

 

こういう家に住んでみたいものだ。

 

 

 

豆の種類ごとの来歴や写真、豆料理のレシピなど、豆について様々な展示がされている。

 

 

ここは豆農作の展示だ。

 

 

 

 

 

 

 

このビーンズ邸はもともと、帯広に設置された農場の事務所だったらしい。

それが移築され、豆資料館となった。

 

 

 

 

とても雰囲気の良い邸宅。

再度になるが、こういう家に住んでみたいものだ。

 

 

 

 

豆の見本が並んでいる。

 

 

ビーンズ邸を見終わり、次は隣の開拓記念館へ。

 

 

道の駅 なかさつないの開拓記念館を訪問

 

開拓記念館の所に碑があり、吉田十四雄さんという人の、人間の土地という小説の一節が書かれていた。

自然の土地が、どのようにして人間の土地になっていくかが書かれている。

 

納得しつつ感動した。

いずれは土地を開墾し、農業をしながら暮らしたいものだ。

 

 

 

ここの記念館は、浜野宅という、富山から移住した旧農家の住宅だそうだ。

 

 

ワクノウチ造りという構法で造られたそう。

ワクノウチは富山の伝統構法なのだそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

当時使われていたものが並べられている。

 

 

 

 

 

 

各地の郷土資料館などでも見てきたが、やはり、古いものは良い。

 

 

 

 

 

 

館内を見終え、外に出た。

 

 

 

 

 

 

豚丼とソフトクリーム

 

腹が減っていたので、フードコートで豚丼を購入。

甘辛の味付けで美味い。

あっという間に完食。

 

十勝で豚丼を食べてみたかったのだが、結局十勝に寄らなかったので、ここで食べられて良かった。

本場である十勝の豚丼とは違うのかもしれないが、美味ければ何でも良いし、量もこのぐらいがちょうど良い。

 

デザートにソフトクリームも購入。

チーズ味。

粒のチーズが入っており、とても濃厚だ。

 

ソフトクリームの店を見つけたとき、近くにいた子供がソフトクリームを欲しそうにしていたのだが、親にダメだと言われていたようだった。

 

そんな様子を尻目に、ソフトクリームを購入。

よい歳をした大人(のおっさん)が、子どもを差し置いてソフトクリームを買って良かったのかと、しばらく自問自答した。

 

一本山展望タワーへ

道の駅 なかさつないを出て、一本山展望タワーというところへ向かう。

 

一本山展望タワーも、北海道で必ず訪れたかった場所だった。

 

途中までは真っすぐ道道を行き、細い砂利道に入る。

 

砂利道は、段々と山の中に分け入っていく。

他の車をまったく見かけず、人気を感じない。

 

砂利道は所々に待避所があり、何とかすれ違いはできるようになっている。

 

一台のトラックが対向で来たので、小さい路側帯に突っ込んでやり過ごす。

 

展望タワーの近くに着いた。

ここからは歩きだ。

クマ出没注意の看板が立っている。

 

一本山展望タワーに登る

 

タワーまでは、いくつか階段を上ることになる。

 

タワーまでそこそこ距離がある。

何だか疲れてきた。

あとちょっとだろうか。

 

タワーが見えてきた。

 

 

高い。

ここに来るまでにけっこう階段を上ってきた気がするが、また登りだ。

頑張ろう。

 

 

展望タワーの頂上に着いた。

 

タワーからの眺め

 

タワーからは、日高山脈の山々を遠望できる。

山脈の上部に霧がかかっていることもあり、いまいちどれがどの山かはっきりしない。

 

たぶんこの奥にある、上部がかすんでいる山が、カムイエクウチカウシ山だと思う。

 

このカムイエクウチカウシ山を見たいがために、一本山展望タワーへやってきたのだ。

 

日高山脈の北側。

 

日高山脈の反対側は、平野になっている。

 

帯広や中札内の方。

 

真ん中を札内川が流れ、その奥が中札内。おそらく。

 

 

こちらはタワーの東側。

 

手前にあるのが、タワーに来る前に通った上札内だと思われる。

 

奥にあるのが更別のはず。

 

 

さらにタワーを回り、南東側へ。

 

 

日高山脈の方まで一周してきた。

 

 

日高山脈の見た目

念願のカムエクや、日高山脈をこの目で見ることができた。

 

正直なところを書けば、日高山脈は、もっと屹立した鋭鋒がドンドンとそびえているような場所を想像していた。

 

展望タワーからは、小高い丘が連なっているだけに見えたのだ。

これなら一足で簡単に登れそうな気がする。

 

実際に登ってみれば、かなりキツイだろうし、一筋縄ではいかないのだろうけれど。

 

駐車場に戻る

 

一通り見終えた。

駐車場に戻ろう。

 

 

 

駐車場に戻った。

 

車のドアを開ける音が、森林にこだました。

 

カムイエクウチカウシ山

以降は余談だ。

 

一年前、北海道に来ようと思った時から、北海道でも山登りをしてみたいと思い、分県登山ガイドを買ってずっと眺めていた。

 

その中で見つけたのが、カムイエクウチカウシ山、通称カムエクだった。

 

カムイエクウチカウシ山が気になった理由は、ずばり、その名前が印象に残ったからに他ならない。

何となく名前が気になり、何度もページを見るうちに、どうしても登ってみたくなったのだ。

 

ちなみにカムイエクウチカウシとは、ヒグマも転げ落ちる山の意味。

非常に覚えにくい名前だが、何度も見ているうちに覚えてしまった。

 

カムエクを登るには、一般にテント泊で2~3日を要する。

札内ダム近くに車を停めて札内川をさかのぼり、途中、支流の八ノ沢に入って山頂を目指していく。

 

この山では過去に、ヒグマの関わる悲惨な事件があった。

 

詳細は、Wikipediaの福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件のページで。

山頂までに通過する八ノ沢カールには、事件の慰霊碑がある。

 

この山を登ってみたいと思っていたのだが、昨今はヒグマ関連のニュースが多くて怖い。

一本山展望タワーで山の姿を見て、満足することにした。

 

カムイエクウチカウシ山は、先ほども写真を出したが、この奥にある霧のかかった山だ。

 

山頂は霧に包まれて見えない。

タイトルとURLをコピーしました