仏崎から北へ
仏崎展望台から北を目指す。
本当に大変なのはこれからだ。
自然の造形は面白い。
自然でも人工物でも、規則的なパターンを見つけるのは面白い。
内浦まであと6.5km。
ここは八ッ鉢の展望台だ。
遥か遠くに立島が見える。
先の道は平坦になっているようだ。
バイオのトイレがある。
特に催していなかったので、入らなかった。
島の北側へ
ここから先は、島の南側と比べ、海が見えにくくなる。
両側が緑に囲まれた舗装路がひたすら続く。
ここは大浦という所のようだ。
木々のトンネル。
船隠に到着。
この辺りの入り江が、陸の方から見えにくいことから付いた地名だろう。
15kgのザックが肩に食い込み、足も痛い。
大峰山を登った時のマメがまだ治っておらず、ビリビリと痛む。
足の痛みをキャラメルの甘さでごまかし、ひたすら歩く。
複雑な潮目が見える。
カヤックに乗って釣りをしたい。
伊の浦まできた。あともう少し、、、
次は展望台のある鳥崎だ。
鳥崎はどこだ
あれは、、、
本土だ!
島の東側まできたのだ。
そういえば、いつまで経っても伊の浦の次の鳥崎に着かない。
距離的に、もうとっくに着いてもおかしくないころだ。
嫌な予感がする。。。
道はどんどん下り坂になる。
タケノコが成長するとこんな風になるのか。
あれは4年前に訪れたことのある、籏崎ではないだろうか、、、
やはりそうだ、鳥崎を気付かずに通り過ぎてしまっていたのだ、、、
展望台があるらしく、楽しみにしていたのに、、、
坂道を登りなおす気力はない。
仕方がない。今度粟島に来たとき、鳥崎を訪れることにしようではないか。
次回の楽しみができたということで、今回はあきらめることにする。
本土の山々は、まだ多く冠雪している。
のどかな海岸沿いを歩く。
籏崎に到着
疲れているが、まだ体力は十分。
ゴールが見え、さらに気力が回復する。
籏崎に到着。
岩場に腰を下ろし、内浦の方を眺める。
ここでしばし休憩しよう。
この時点で12:00。
釜谷を出発したのが8:30ぐらいなので、3時間半かかったことになる。
ここまでにペットボトルのお茶を一本消費した。
おと姫の湯が開くまで、まだ1時間ある。
フェリーが内浦の港に入っていく。
今日乗るフェリーだろう。
内浦へ帰りつく
休んでいるのも退屈なので、観光案内所の方に向かってみる。
観光案内所では、何か抽選会のようなイベントをやっているようだった。
5/2から島開きだからか、5/1に到着したときよりもかなり観光客が多い。
人里に降りてきた原始人のような気分で、観光案内所を眺める。
腹が減った、、、
おと姫の湯に入ってから、どこかで昼食を取る予定だったのだが、空腹で我慢できない。
確かどこかで、わっぱ煮の提供があるはずだ。
案内所近くに会場を見つけ、中に入る。
わっぱ煮とごはんを購入し、指定された席で食べる。
わっぱ煮というのは、魚を入れたみそ汁の中に熱した石が入っているものだ。
熱した石のおかげで、熱々の状態の汁を食べることができる。
私のわっぱ煮には、ウマヅラハギと大きめのソイが入っていた。
わっぱ煮とご飯を無我夢中でかっこむ。
美味い!!
味噌の香りがよく効いている。
ここ数日、アルファ米と中華スープばかり食べてきた。
今日は釜谷で、朝飯にパンとカロリーメイトを食べただけだった。
味の濃い物がとても美味く感じる。
わっぱ煮を食べ終わり、その足でおと姫の湯に向かう。
身体をよく洗ってから湯に浸かり、三日分の疲れを落とす。
いつまでも入っていられそうだ。極楽極楽。
次は直売所のばっけ屋へ。
島の子どもたちが作ったという乾燥わかめを購入。
これで、粟島でやろうと思っていたことはほとんど終わった。
案内所に行き、フェリーの切符を購入する。
切符を購入できるのは、フェリーが出る1時間前ぐらいかららしい。
フェリーに乗って本土へ
帰りのフェリーは、来るときとは大違いに人が多かった。
乗客がたくさん並んでいる。
やっと乗れたが、外の席しか空いていなかった。
ウインドブレーカーを持ってくるのだった。
フェリーから内浦を見渡す。
ここがわっぱ煮を食べた会場。
何と地元の中学生たちが、旗を振りながら、走ってフェリーを見送りに来てくれている。
道中の大変さも相まってジーンと来るものがある。
何というか、純粋さを感じる。
内浦のキャンプ場方面。
島の南側、周遊ルートのスタート地点。
粟島に来た時と違い、波はほとんどない。
揺れがなく、快適な船旅だ。
本を読んだり文章を書いたりしながら、のんびりと時間を過ごす。
本土に帰れば、また時間に追われる日々が始まる。
帰るのが何とも名残惜しい。
本土に近づいてきた。
山々が見える。
実はこの次の日、朳差岳に登ろうと思っていたのだが、悩んだ末、止めることにした。
足と肩が痛く、一旦家に帰り、疲れを癒したくなった。
帰ってきた。。。
本土に戻り、預けたザックを受け取り、車に戻る。
全行程が無事に終わり、ホッと一安心した気分だ。
まとめ
15kgの荷物を背負い、キャンプをしながら粟島を一周するという大変そうな企画も、終わってみればあっけないものだった気がする。
重い荷物を背負っていなければ、なお楽に、半日ぐらいで一周できるだろう。
レンタサイクルやバスなら、もっと楽に一周できるはずであるが、今回の目的は、キャンプと徒歩により、粟島でゆっくりとした時間を過ごすことにあった。
内浦キャンプ場で朝の訪れを喜んだり、釜谷のキャンプ場で夕日が沈むのをじっと眺めたり。
展望台から立島の威容を眺め、
海鳥たちを観察し、
島を一周し、疲れ果てた後でわっぱ煮を食べ、ゆっくり湯に浸かる。
最高のゴールデンウィークとなった。