ガイドに連れられパシュパティナートを見物・バグマティ川の火葬場やサドゥーたち

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タメル十日目の朝

早いもので、タメルに来て10日目になった。

 

帰国便に乗るのは明後日だ。

明日はタメルの中をブラブラするつもりだったので、観光地巡りは今日が最後となる。

 

今日はこれから、パシュパティナートという場所に遠出するつもりだった。

 

地球の歩き方に詳しく書いてあるが、一部抜粋すると、パシュパティナートは、

ネパール最大のヒンドゥー教寺院

らしい。

 

寺院近くのバグマティ川沿いには、火葬場のガートもあるそうだ。

どんなところか興味があった。

 

パシュパティナートは、トリブバン国際空港の近くにある。

 

タメルからだと少し距離があるが、歩けない距離ではなさそうだ。

せっかくなので歩いて行ってみよう。

 

道の途中、見ておきたいものもあった。

 



パシュパティナートに出発

 

朝食にフジベーカリーで買ったパンを食べる。

リンゴデニッシュだ。

フジベーカーリーで買ったパンはどれも美味かった。

 

ホテルの部屋前の廊下と階段。

 

ここに滞在するのは後2日。

名残惜しい。

 

もうすっかり見慣れた、ホテルのある中華街。

 

タクシーがよく待機している場所。

 

ここはこの辺りだ。

ここに来ればタクシーやリキシャが拾える。

 

まあ、タクシーはタメルのあちこちで待機しているので、拾うのに困ることはない(と思う)。

 

タクシーは黄色いルーフが目印だ。

たまにルーフが黄色でないタクシーもある。

あと、車種はスズキであることが多い。

 

ラニポカリから東へ

タメルを抜け、大通りに出て、少し南へ。

 

寺院のある池ラニポカリだ。

前にこの池の周りを回ったことがあった。

 

ここからひたすら東へ。

 

ナラヤンヒティ宮殿前の大通りを通り抜け、ひたすら進む。

 

 

 

 

 

 

Dhobi Khola Riverを渡る

 

川にかかる橋に出た。

 

この小さい川は、Google mapで調べると、Dhobi Khola Riverというらしい。

 

 

私の知識では、確か「Dhobi Khola River」のKhoka(コーラ)というのは、ネパール語で小川のことを指すはずだ。

 

なので細かいことだが、Dhobi Kholaが正しい名前(現地で呼ばれている名前)なのではないか。

 

Google mapでは、外国人が川の名前だと分かりやすいよう、Riverを付けているのかもしれない。

 

「荒川」が、英語表記でArakawa Riverになっているのと似ている。

 

「荒川」が「Ara River」という表記にならないのは、語感が良くないからだと聞いたことがある。

それに、Ara Riverだと日本人に分かりにくくなる。

 

 

ドゥワリカスホテルを外から見物

Dhobi Kholaを渡り、さらに先へ。

 

高台がある。

公園か何かだろうか。

帰りに寄ってみよう。

 

道路標識を発見。

交差点があり、正面の道がトリブバン国際空港、左に行くとパシュパティナートがあるらしい。

 

目的地は左のパシュパティナートだが、寄り道して見たいものがあったので、ここで一旦に曲がる。

 

正面に見えるのが、見たかったドゥワリカスホテルだ。

 

 

ドゥワリカスは、カトマンズの高級ホテルである。

地球の歩き方にも書いてある。

 

 

ネットで調べてみると、今は一泊5万円ぐらいするようだ。

タメルには、一泊1000円ぐらいのホテルが並んでいることを考えると、超高級である。

 

 

私は、ホテルは(最低限清潔であれば)できるだけ安い所に泊まりたい派である。

たった一泊するための場所に、大金を使う意味がないと思っている。

 

だが、ドゥワリカスぐらいの価格帯になると、逆にどんな場所なのか興味が湧いてくる。

いつか泊まってみたいものだ。

 

 

Pashpati Roadを通ってパシュパティナートへ

ドゥワリカスの前を往復し、パシュパティナートへ向かう。

 

先程の標識があった交差点に戻り、交差点を渡る。

 

ここから北東に向かうと、パシュパティナートがあると思うのだが、、、

 

交差点を渡ってすぐの所に、オレンジの門があった。

welcome to the holy pashpati area」と書いてある。

どうやらここから入れば良いようだ。

 

地元の人が、門の左の扉を通って行くので、私もそれに倣って行く。

 

ここは地元の人の散策路になっているようだった。

 

正面に寺院らしき建物が見えてくる。

あの独特な形の木は何だろう。

 

スカイウォークタワーからも、同じような形の木を見たことがあった。

 

 

段々と人が多くなる。

 

観光地っぽい雰囲気だ。

 

チケットを買ってパシュパティナートに入場

真っすぐ歩き続けていると十字路に出た。

 

左や前方には、土産物屋などが並んでいる。

 

右に寺院らしき建物が多いので、右に行ってみよう。

 

大きな寺院の前に、受付のような所があったりする。

どこに入れば良いかよく分からない。

 

どれがパシュパティナートだろう。

 

そのまま道なりに進んでいくと、「tourist office」や「tourist polis」と書かれた建物があった。

道の先には川と橋が見える。

 

橋の方に行こうとすると、警備員のような人に制止された。

この先にガートなどがあり、外国人が入るにはチケットを購入しないといけないようだ。

 

どこかに入るときに入場料がかかるのは知っていたのだが、今回はちょっとケチって入場料のかからないエリアだけ見て回ろうと思っていた。

それが、よく分からずに、入場料のかかるエリアまで来てしまったようだ。

 

このまま引き返すこともできたが、せっかくなのでこの先を見て行くことにした。

 

橋に向かって右側の建物にチケットカウンターがあり、そこでチケットを購入。

今までの観光地と同じく、チケットを買う時に国籍を聞かれた。

 

下の画像の、下の紙がチケットである。

大判だし厚い。

 

ともかく、これでパシュパティナートに入場できる。

 

チケットカウンターを出ると、見知らぬ人に声をかけられた。

 

ガイドとの交渉

もう今までに、何度もこういうことがあった。

 

こういう場所、こういうタイミングで声をかけてくる人の目的は、分かり切っている。

ガイドだ。

 

やはりその男は、頼んでもいないのに、日本語で辺りの説明をし始めた。

 

正直なところ、この状況は私にとって渡りに船だった。

 

パシュパティナート周辺を歩いてみて、この辺りはどこに何があるか分かりにくいため、誰かに案内してもらった方が良いかと思っていたのだ。

 

 

ここから先は火葬場であり、どこまで立ち入って良いのか分かりにくそうだ。

写真を撮って良いのかどうかも分からない。

 

ガイドと一緒だと、そこら辺を心配しなくて済む。

 

建物などの説明をしてもらえるし、見どころも教えてもらえる。

 

 

ガイドが周辺の説明を終え、次に行こうとしたところで、事前に料金の交渉をしておくことにした。

 

スワヤンブナートのページに書いたが、このタイミングを逃してしまうと、料金の交渉がしにくくなる。

 

男に「あなたはガイドか」と聞くと、そうだと言う。

男は中々、値段について切り出さないので、こちらから「ハウマッチ」と聞くことにした。

 

男が言った値段は、これまでに会ってきたガイドより良心的だったが、もっと安くしてもらうことにした。

ショートタイムでいいから安くしてくれ、というのも織り交ぜ、だいぶ安くしてもらった。

 

ところで、以前にも書いたことがあったが、ガイドから説明してもらったことはここに書かないつもりである。

 

彼らの飯の種を奪うことになるからだ。

 

ガートの周辺を見学

さて、ガイド料の交渉がまとまった。

 

ガイドとともに、バグマティ川にかかる橋を渡る。

右に見えるのが、遺体を燃やす火葬場だ。

 

インドのヴァラナシでは、火葬場が使われているときは写真撮影が厳禁だと聞いたことがある。

私の感覚でもそれが普通のような気がするが、ここパシュパティナートの火葬場では、遺体を燃やしている最中でも撮影して良いらしい。

 

まあさすがに、遺体が燃やされているところを撮る気はなかったが、火葬が行われているのが遠くだったため、遠慮せず撮ることにした。

 

バグマティ川の対岸では、様々な儀式が行われているようである。

 

ガイドから説明してもらいながら、彫刻を見て歩く。

 

 

やっぱりネパールの彫刻はすごい。

 

 

日本では街中を歩いていても、これほどたくさん彫刻を見かけない。

 

 

ネパールでは至る所の建物に、精巧な彫刻の飾り窓が使われていたりする。

 

こちらはバグマティ川の上流側である。

 

対岸にいくつも同じ建物が見えている。

 

 

バグマティ川の対岸へ

橋を渡り切った。

 

画像の正面に見えている入り口が、パシュパティナートテンプルの入口だ。

パシュパティナートテンプルは、ヒンドゥー教徒以外立ち入り禁止である。

 

画像右下に、赤くなっている細長い石の棺のようなものがある。

あの上に、火葬前の遺体を寝かせ、ミルクで体を清める。

 

 

パシュパティナートテンプルの向かいは、このように石段になっている。

一段一段が高く、けっこう怖い。

 

渡って来た橋の方を眺める。

 

 

 

上流側に行くと、岩壁に建物が設えられている。

 

 

合わせ鏡のようなエッカイダス・ルドラ

 

左側に、白い屋根の小さい建物が、11個並んでいる。

 

ここはシヴァ神を祀る祠で、Akadash Rudra(エッカイダス・ルドラ)という。

 

一つ一つの祠には、シヴァリンガがある。

 

 

このエッカイダス・ルドラの特徴は、各祠の入口が、ピッタリ方角を合わせて作られていることである。

 

そのため、合わせ鏡のような景色を見ることができる。

 

 

修行者サドゥーたちを見る

橋の辺りに戻り、橋から続く石段を登っていく。

 

この辺りには、修行者のサドゥーを何人か見かけた。

 

彼らは旅行者を招き寄せ、「写真を撮れ」と言ってくる。

そこで写真を撮ってしまうと、料金を請求されるという寸法だ。

 

ガイドと一緒に石段を上がっていると、何人かのサドゥーの簡易住居的な場所があった。

ガイド曰く、ここは写真を撮っても良いらしい。

 

というわけで何枚か撮らせてもらった。

 

 

 

 

石段の上から橋の方を見る。

 

火葬場もよく見える。

 

 

 

 

この辺りの見どころはほとんど回ったようだ。

 

橋を渡って引き返すことに。

 

ネパールの経済事情

 

橋を渡ってチケットカウンターの方に戻る。

 

どこがどういう建物なのかさっぱり分からないが、とりあえずガイドに付き従って歩いていく。

 

歩いている途中、ガイドの知り合いの警察官に会った。

この人は少し日本語ができるようで、日本語でちょっと会話した。

 

ガイドによれば、ネパールの警察官でも、日本語を勉強して日本に移住しようとしている人が、そこそこいるらしい。

 

公務員であっても待遇が悪かったり、給料が少ないのかもしれない。

 

 

ガイドは政府に対する愚痴も言っていた。

 

愚痴については、日本でも、おそらくどこの国であっても、政府に対する愚痴が聞こえない国なんてないだろう。

 

政府に限らず、会社などの組織でも、そこに属している人から愚痴が出るというのは、当たり前のことだ。

むしろ、愚痴がある方が健全だと思う。

 

ただ、そうは言っても、愚痴にも程度がある。

 

 

ダルバール広場のページに書いたことがあったが、ネパール国の経済状況は良くない。

 

観光地のガイドたちからもそう聞いたし、私自身も色々な物を見てそう思った。

 

主要な道が舗装されていなかったり、10年前の地震で崩れた寺院が、まだ再建されていなかったりする。

 

現在のような経済事情を抱える理由はいくつかあると思うが、大きな理由は、政治的な変革だろう。

 

専制君主制のような政治形態をとっていたネパールでは、政治の腐敗や人民の弾圧など、様々な問題があった。

 

1980年代後半から始まった民主化運動により、民主化が促され、その後様々な経緯があって、君主制から共和制へと移行した。

(君主制や共和制については、ナラヤンヒティ宮殿のページで少しだけ書いていた。)

 

君主制から共和制へと正式に移行したのが、2008年の5月。

今が2025年だから、まだ20年も経っていないのだ。

 

 

20年といえば長い年月のように感じるが、政治経済のことについては、必ずしも長い期間とは言えないと思う。

 

制度が変わったからといって、それが実務ベースで、目に見えて変化が出てくるのは、数十年単位の時間を要する。

ネパールはようやく民主化への移行を始めたばかりという感じだ。

 

政治的変革に加え、ネパールは陸の孤島であることが、経済発展を遅らせる原因になっていると思う。

(ネパールは本当に、陸の孤島という表現がふさわしく感じる。)

 

ネパールは、南北を大国に挟まれて海がない。

国土も山が多いため、産業に活用しづらいし、交通も不便である。

 

国を発展させようにも、それに大きく関わる輸送網が発達していない、というより、山ばかりなので発達させるのが難しい。

 

飲料水や大気汚染など、生活に直結する問題の改善も、まだまだ時間がかかりそうである。

 

 

このように難しい課題をたくさん抱えているので、政治のかじ取りも大変だろうと思う。

 

韓国の歴史物ドラマで、政治というものは資金の分配だというセリフがあり、言い得て妙だと思ったことがある。

税金としてお金を集め、どこにどう投資していくかを決めるのが、政治の要点だということだろう。

 

大阪万博で、ネパールからの支払いが滞り、パビリオンの建設が進んでいないという話がある。

 

ネパール国内でどのような状況になっているか分からないが、例えば、万博に出資してパビリオンを出すぐらいなら、国内の主要な問題に資金を回せという意見があってもおかしくない。

それで出資が滞っているのではないかと推測しているのだが、実際の所は分からない。

 

長くなってしまったが、フラッと数日訪れた私から見ても、ネパールは難しい事情を抱えた国だと思う。

日本への移住を希望する人がいても、おかしくないと思える。

 

まあ、日本に来たからといって、上手く行くとも限らない。

日本は物価が高いし、インドやネパールの人たちのような人情も(一見すると)ない。

 

日本に来て上手くいくかどうかは、その人次第だ。

 

パシュパティナートテンプルの入口へ

 

そんなことを考えながら歩いていると、何やら大きな建物が見えてきた。

 

どうやらここが、パシュパティナートテンプルの正門らしい。

 

前に、バグマティ川を渡ったところから見たのが、パシュパティナートテンプルの裏門のようだ。

 

ここパシュパティナートテンプルは、ヒンドゥー教徒でないと入ることができない。

 

門の奥に、牡牛像の尻が見えている。

門の前に警察官がおり、外国人はそこで制止されるようである。

 

儀式の様子を撮る

 

パシュパティナートテンプルを離れ、残りの見どころに連れて行ってもらう。

 

何かの儀式の最中。

本来ならこういう所では写真を撮らないのだが、ガイドが「ここは撮ってもOK」と言うので、撮ることにした。

 

ここもOKと言われた。

本当に撮っても良いのかい。

 

普段、できるだけ写真に人が写らないようにしているので、こういう所の写真を撮るのは抵抗がある。

撮られる方も嬉しくはないだろう。

 

ちなみにこの団体は、はるばるインドから来て儀式を受けているらしい。

 

ここもOKだとのこと。

 

高台から見たパシュパティナート周辺

 

パシュパティナートテンプルの境内が見える。

 

牡牛像。

先程は、あの像の尻尾側を見たのだ。

 

高台から、パシュパティナート周辺を見渡せる。

 

 

 

ガートと火葬場の方だ。

 

 

それからまた、見晴らしの良い場所に連れて行ってもらった。

 

条件が良いと、ここからヒマラヤが見えるらしいのだが、今日は見えなかった。

 

 

 

パシュパティナート周辺は、カトマンズの、というよりネパールの宗教の中心地という感じがする。

 

古くも立派な寺院建築が多いし、平日なのに熱心なヒンドゥー教徒が多く訪れている。

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