五日目の朝
五日目の早朝に目を覚ます。
昨日、雨が降っていたのだが、朝になっても地面が乾ききっていない。
今日は移動の日だ。
これからホステルを出て、チャイナタウンへ向かうつもりでいる。
チャイナタウン辺りでホステルを探し、そこで二泊。
一日使い、じっくりチャイナタウンを見て回ろうと思っている。
階下から音がする。
すでに従業員が準備をしているようだ。
私が滞在していた時、何時に行っても大体同じ従業員がいた。
経営の真似事をしていた身として、勤務形態がどうなっているのかとかが気になってしまう。
朝のタイティー
ホステルの朝食の時間だ。
いつものように、窓際の席に陣取る。
ここの朝食は飲み物と食べ物がセットになっている。
飲み物はタイティーを選択。
湯気の立つ、冷たいタイティーだ。
前日には、湯気の立つ熱いアメリカンコーヒーを飲んでいた。
今までコーヒーばかり飲んでいたので、たまには違ったものが飲みたかった。
タイティーは、ミルクと砂糖を入れ、甘くして飲むのが基本の飲み方のようだ。
色も味も紅茶のようだが、ジャスミンのような香りがついているのが特徴だ。
タイティーを土産に欲しかったので、後で探してみたのだが、セブンイレブンや空港など色々なところで売られていた。
茶葉だけの物や、砂糖やミルクが一緒に入っているパウダー状の、熱湯で溶かすものなど、色々な形で売られている。
外を見ながらの朝食
窓からは朝の商店街が見える。
食べ物が来るまで、窓の外を眺めながら待つ。
道を挟んだ反対側には、昨日の朝にもいた、屋台が出ていた。
仕事に行く人たちが食料を買っていく。
商店街のシャッターが開き始めた。
向かいの店は宝くじ屋だ。
台の上に、小さい紙きれのようなくじがたくさん並べられている。
食べ物が到着した。
前にメニューで見て食べたいと思っていた、豚の角煮を注文していた。
角煮の下にはタイライスが敷いてある。
味はもう見た目の通り。
とても美味かった。
朝から食べるには少々重かったが、すぐに食べ終えてしまった。
食べていると、柔らかくなっているホール(粒そのまま)の黒コショウが出てきた。
これほど軟らかくなるには、結構な時間煮込んだに違いない。
チンゲンサイも柔らかく煮込んであり、美味かった。
ホステルを出発
荷物をまとめてホステルを出発する。
入り口で店員に鍵を返し、デポジットを返してもらう。
もう顔なじみになった店員たちに、ここは良いホステルだと伝えた。
本当に良いところだった。
名残惜しいが、チャイナタウンに向かって歩き出す。
お寺のそばを通りがかると、朝の読経の声が聞こえていた。
ホステルから南へ
五日目の朝、ホステルを出発した。
目指すはチャイナタウンだ。
まずは一直線に南へ向かう。
宿泊したホステルから、南に向かって延びる通りは、屋台やバザーが出ていて面白かった。
観光客向けではなく地元の人向けの売り物が多かったように思う。
観光地も面白いが、現地の人が生活している場所が一番面白い。
トゥクトゥクについて
しばらく歩いていると、観光客が、トゥクトゥクの運転手と値段交渉をしている場面に出くわした。
観光客は「ヒフティー(50)バーツ」と言い、運転手は「ワンハンドレッド(100)バーツ」と言っていた。
目的地がどこなのかは分からない。
トゥクトゥクというのは、近距離専門のタクシーのようなものだ。
事前に運転手に行先を告げ、料金を交渉してから乗る仕組みになっている。
料金は互いの言い値であり、運転手によって、目的地までの料金が変わったりする。
下の画像の右側にあるのが、トゥクトゥクだ。
これはパヤタイ駅周辺で撮った写真だ。
トゥクトゥクは、バイクの後ろに、人を載せるカゴが付いたような乗り物だ。
車高が低く、地面との距離が近い。
結構揺れるし、小回りが利くので車やバイクの間を縫って進むことができ、アトラクションのような感覚で乗ることができる。
そのような乗り心地のため、長距離を乗るのには向いていない。
重いものを持って近くに行くとき、足代わりに乗って行くような使い方が基本だと思う。
昨日訪れた王宮周辺には、客待ちのトゥクトゥクがたくさんいた。
やはり、観光地周辺は客も多く、その分稼げるのだろう。
駅や小さな観光地の周りでは、大体いつも数台が待機していた。
待機中の運転手は、こちらに声をかけてくる人もいるし、ずっと昼寝をしているような、やる気のなさそうな人もいる。
昼寝をしている人は、夜を稼ぎ時としているのかもしれない。
しつこく付きまとってくるような人はいなかった。
オールドサイアムショッピングプラザ前
ホステルから南へ歩き、大きな建物に着いた。
オールドサイアムショッピングプラザというらしい。
ショッピングプラザ前の噴水。
ショッピングプラザの中には入らなかったが、スタバやケンタッキーが入っているようだ。
プラザ前を通り過ぎ、東へ向かうと歩道橋があった。
私は人がいるところであまり写真を撮らないようにしているのだが、歩道橋の上なら人との距離が遠く、気兼ねなく撮れる。
この辺りには屋台も人も密集している。
歩道橋の階段付近では、手足のない人が楽器を演奏したり、歌を歌ったりしていた。
目指すチャイナタウンは東の方にある。
東側はこっちだ。
道をトタン屋根が覆っているが、通れるのだろうか。
ここを突っ切ってみるか。
クローン オンアン ウォーキングストリート
トタン屋根の通りを抜けていく。
人も店も密集している。
ここには色々なものが売られていた。
日用雑貨や電気製品、金物や眼鏡など、ここに来れば生活に必要なものは何でも手に入りそうだった。
通りを抜けると細い運河に出た。
後で調べて知ったのだが、この運河沿いの通りは、クローン オンアン ウォーキングストリートという名らしい。
運河の左右には飲食店が密集している。
インドカレー屋の人が呼び込みをしていたが、暑いのでカレーの気分ではない。
運河には魚が群れており、店の人がパンくずをまいていた。
チャイナタウンの周辺へ
さらにチャイナタウンへ向けて歩く。
段々と風景が変わってきた。
チャイナタウンの周辺に来たようだ。
漢字の看板が多い。
チャイナタウン周辺には飲食店が多かった。
美味そうな匂いが漂っている。
そこかしこの店の看板には、カラメル色のタレのかかった料理の写真が出ている。
いかにも中華料理っぽく、とても食欲をそそられる。
焼き栗の屋台も所々にあった。
ゴールドの装飾品店も多い。
飲食店の客を見てみると、やはり中国人が多い。
欧米人も多かった。
スイカのシェイク
歩き疲れてきたので、少し休憩したかった。
適当に歩き回っていると、美味そうな飲み物の看板が出ている店を見つけた。
今の気分にばっちりだ。
店は奥に細長く、いくつか座れる席があった。
スイカにマンゴーなど、様々なシェイクの立て札が出ている。
食事も出しているようだった。
とにかく飲み物がほしかったので、スイカのシェイクを指さしてプリーズと言った。
値段は75バーツ(375円)。
カウンターの中の人が、シェイクを作り始めたのだが、その豪華さにびっくりした。
ミキサーに、カットしたスイカ・クリーム・シロップ・氷など様々なものを入れ、ガーッとかき混ぜる。
スマホ2台分ぐらいの高さのカップに注いで、出してくれた。
でかい。
これが375円なら、かなり安く感じる。
日本で飲んだら3倍ぐらいの値段になりそうだ。
店内で座って飲んだが、とても飲み切れない。
カップを持ったまま店を出て、また歩き始めることにした。
公文の看板を発見。
チャイナタウンでホステル探し、、、
問題はこれからだ。
チャイナタウン周辺でホステルを探さなければ。
ここはとにかく観光客が多い。
これだけの人がいると、空いているホステルなんて無いのじゃないかと思ってしまう。
道路は広く、横断するのも一苦労だ。
あちこち歩き回ってhostelの表示を探す。
ホステルに空きがあるかどうかの前に、ホステル自体が見つからなかった。
hostelやhotelの文字がどこにも見当たらない。
確か中国語では、「飯店」や「酒店」がホテルの意味だったはず。
それも踏まえて探したが、やっぱり見つからない。
チャイナタウン周辺を歩き回り、何度も同じ道を通った。
やっとホステルを見つけるも、、、
チャイナタウンでは、何故か靴屋をよく見かける。
スマホのマップを見ながらホステルを探し、ようやく一軒見つけた。
中に入って店員に話しかけてみると、英語が通じない。
ホテルという言葉は分かってもらえたようで、スマホで値段を見せてくれた。
、、、が、あまりにも高い!
2日分の生活費に相当する額だ。
日本人だからなのか、観光客が多いのでこれだけの値段でも取れると思ったのか、そもそもチャイナタウンはこのぐらいが相場なのか。
いずれにしても、この値段は無理だ。
店を出て次を探すことにした。
チャイナタウンから東へ
宿泊場所が決まらないと、どうも落ち着かない。
まだ正午を過ぎたくらいだ。
時間に余裕はある。
今日はチャイナタウンでホステルを決め、明日、一日かけてじっくりチャイナタウンを観光しようと思っていた。
だが、何となくチャイナタウンはしっくりこない。
人が多くて落ち着かなかった。
別の場所でホステルを探すことにしよう。
チャイナタウンの次はさらに東へ向かう予定だった。
このまましばらく東へ行ってみよう。
何のロボットだろう。
大きな交差点を通る。
途中、セブンを見つけたので水を購入しておく。
ホステル探しに難航
ホステルを探し、チャイナタウンを出て、東に進んでいたのだった。
しばらく進んで川に出た。
川を越えてさらに進む。
ここの大通りはラマ4世通りというそうだ。
この近くにはバンコク駅(ファランポーン駅)というタイ国営の駅がある。
それゆえか、いくつかホテルを発見した。
泊まれないかあたってみよう。
結論から言えば結果は散々だった。
フロントに尋ねるも、full(いっぱい)だと言われてしまう。
ロフテル ステーション ホステルにチェックイン
さあどうするか。
さらに東へしばらく行くと、タニヤ通りという、日本人向けの店が多い通りがあるはずだ。
そこまで行ってみようか。
大きな高架をくぐろうとしたのだが、高架の手前にホステルの文字を見つけた。
ロフテル ステーション ホステルというそうだ。
一も二もなく中に入ってみる。
入ってワンルームに泊まりたい旨を告げると、まずは部屋を確認してみてくださいと言われた。
その親切さに、部屋を見る前からここに泊まることを決めた。
フロントの人の英語もとても分かりやすい。
部屋を見せてもらい、全く問題なさそうなのでフロントに戻って手続きをする。
連泊すると割引になるらしい。
これまでと同じく二泊三日することにして、宿泊費とデポジットを支払った。
鍵を受け取って部屋に入る。
部屋は良い香りがする。
ウェルカムドリンクに水が置いてあった。
シャワーとトイレは部屋の外にあり、共同になっている。
シャワーを浴びて汚れと疲れを落とし、服も洗濯。
洗濯物は屋上に干すようだ。
しばしベッドに横になった。
前にも書いたことがあるが、泊まる場所が決まると、町に受け入れられた気分になる。
これまでに泊まったホステルも良かったが、ここもとても良いホステルだった。
フロントの人も素晴らしい。
諸葛亮曰く「人ある所に人なく、人なき所に人あり」だ。