インド博物館に行くまでに出会った客引きたち
朝にニューマーケット周辺を歩き、ブルースカイカフェで朝食をとった。
これからインド博物館に向かう。
インド博物館は、ゲストハウスから見て、サダルストリートのちょうど反対側にある。
行くまでにサダルを通り抜けることになるので、またたくさんの客引きに声をかけられるだろう。
ワクワク。
さて、インド博物館に向かってサダルを歩き出す。
相変わらず野良犬が多い。
朝にニューマーケット周辺で見た野良犬たちはウロウロ歩き回っていたが、昼近くになり、今は皆寝転がっている。
歩いていると、これも相変わらず、タクシーやリキシャーの人に声をかけられる。
「ハロー」「ハワーユー」「ジャパン」「トウキョウ・オオサカ・ナゴヤ」
全て無視する。
インド博物館に近付くとこんなことも。
「ニホンジンデスカ?」
無視すると、「オレノコトワスレタノカヨ!」
ちょっと振り向きかけたが、無視。
なお、びっくりマーク付きで書いたが、怒鳴られたような感じではなく、ちょっとユーモアの混じったような口調の大声だった。
頭の中で、昨日のしつこい客引きから言われた、「警戒ばかりしていると、旅が楽しくなくなるよ」という言葉が思い出されてきた。
この言葉は、言っていた本人が客引きであるから、「お前が言うな」と言いたくなる。
とはいえ、この言葉がちょっとだけ心に引っかかるようになっていた。
ここまで路上で話かけてくる人は完全無視し、目が合わないよう、目を伏せながら黙々と歩いてきた。
おかげでトラブルには会っていない。
だが、こうやってすべてを無視して歩くことに、一抹の寂しさを感じてもいた。
間違いなく彼らは私の懐を狙っているし、反応すると付け込まれる可能性があるので、無視するのは正解のはずである。
それでも、実は彼らは気の良い人たちなのじゃないかと思い始めていたのだ。
そう感じるのは何となくなのだが、彼らが呼びかけてくる声の端々に、ユーモアや人の良さを感じることがあった。
あまり人と話していないから、こういう風に感じているだけなのかもしれない。
警戒感が薄れ始めているのかもしれないな。
なお、こういう似非日本語を話す人たちは、大体のところ、日本人の足を止めさせるための日本語しかしゃべれない。
こうやって日本人にささる?日本語を使って足を止めさせると、後は英語で話しかけてくる。
サトシさんのように日本語を(それも関西弁で)操れる人は稀なのだ。
インド博物館内で若者たちに声をかけられる
少し先の話になるが、インド博物館に入場し、絵を見ていたら、3人の若者から声をかけられた。
英語で「where are you from.」と聞かれ、「Japan.」と返す。
その後も何か聞かれたが、彼らに警戒心を持ったのと、絵に集中したかったので、「ソーリーソーリー」と言って絵に向き戻った。
彼らは特に何も言わず、つきまとってくることもなかった。
たぶん、普通の暇な若者たちだったのだろう。
道端で声をかけてきた人への対応の基準
こういう時が判断に困る。
入場料を払って入るような場所で、客引きがいることは少ないと思うのだが、客引きが話しかけてくる可能性も無いとは言い切れない。
かといって、好奇心で話しかけてきた若者を無視するのも、ちょっと気が引ける。
こういう時は、自分の中に軸(判断基準)を立てておくのが良いだろう。
まず私は、インドの人たちと仲良くなりに来たのではない。
インド(の表面に表れている物)を見に来ただけだ。
それゆえ、道端で声をかけてくる人は基本的に全無視。
彼らと親しくなってまで、彼らの生活を垣間見たいとは思わない。
そういうことをしようとしても、結局表層の所しか分からない。
インド博物館には展示物を見に来たわけで、彼らとの触れ合いは望んでいない。
特に今回は、近づいてきたのが3人の男だったので、かなり警戒した。
インド博物館内は警備の人がいるので、館内で何かをしてくることはないと思う。
だが、つきまとわれて一緒に外に出ることになり、もし彼らに囲まれでもしたら、太刀打ちできないだろう。
近づいてくるのが、力で負けないような女子供だったら、そして周囲の目もあるような開けた場所だったら、話に付き合っても良いかもしれない。
ただどんな場合でも、食べ物と飲み物を渡されたときは注意が必要だ。
そんな風にして、自分の中で、現地の人に対応するときのルールを再確認した。