【バンコク駅の手前で疑心暗鬼】初めての海外バンコク七日間紀行・その41
初めての海外旅行で、タイの首都バンコクを七日かけて歩いた時の記録です。
このページでは、バンコク駅(ファランポーン駅・クルンテープ駅)の手前で声をかけられた時のことについて書いています。
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七日目の朝
七日目の朝、今日はドンムアンに行き、ホステルを探して土産を購入する予定だ。
次の日の夜中には、飛行機に乗って日本へ帰国する。
バンコクに来て七日。
初めての海外で、色々と見て回り、学ぶことがたくさんあった。
名残惜しい気もするし、早く帰りたい気もしている。
まだバンコクで、食べておきたいものがいくつかあった。
カオマンガイやパッタイ、後は屋台で売っているココナッツのジュースも飲んでおきたい。
ドンムアンで達成できるだろうか。
さて、Loftel Station Hostelを出発しよう。
とても良いホステルだった。
名残惜しい。
ホステルを出るとき、ホステルの主人がタイ語で何事か挨拶をしてくれた。
タイ語はさっぱり分からないのだが、呪文を唱えているような、不思議な響きだった。
タイの男性が話すタイ語は、呪文のような響きがする。
タイの女性がタイ語を話すと、「~~~ナー」というふうに語尾が間延びしたようになり、子どもに言い聞かせているような感じになる。
沖縄の「ナンクルナイサー」と似たような感じだ。
「good hostel thank you」と言ってホステルを出た。
Loftel Station Hostelからバンコク駅へ
ホステルを出て、近くにある地下鉄の入口へ。
ここから電車に乗るのではなく、通りの反対側に行くため地下道を通る。
通りの反対側に見える、あの建物がバンコク駅らしい。
バンコク駅は、ファランポーン駅や、クルンテープ駅など、色々な呼び方をされている。
地下道を抜け、バンコク駅のそばに出た。
バンコク駅の手前で声をかけられる
駅の手前の横断歩道に来た。
バンコクでは、横断歩道などあってないものだという認識になっていたので、横断歩道から少し離れたところを渡ろうとする。
すると、通りの向かいにいた人が、ジェスチャーで横断歩道を渡るように促してくる。
誘導もしてくれ、車やバイクが来ないか見てくれた。
私が歩道を渡り終えると、誘導してくれた人が何事か話しかけてくる。
この時点で私の警戒心が最大になった。
駅の手前という、外国人の多い場所。
客引きには好立地だ。
これまでに、先生を名乗る客引きに捉まったり、観光地で「オハヨー」「ドコイクノ」だの、「ワットポーシマッテル」だのと声を掛けられていた。
おかげで、道で話しかけてくる人は、もれなく怪しい人だという認識が頭の中に固着してしまっていた。
特に優しくしてくれるような人は絶対に怪しい。
追いかけてくる声
話しかけてきた人を無視することにし、黙って速足で通り過ぎる。
バンコク駅の正面に向かって、右の道へ行った。
後ろから、「Hello!!」「Hello!!」と大声が聞こえる。
先ほどの人が呼んでいるのだ。
ますます怪しい。
だが、「Hello!!」という声が追い縋って来るのを聞きながら、さすがにおかしいと思い始めた。
客引きならばもっと早くあきらめそうだ。
駅の右隣の道を進んで行くも、一向に駅の入り口が見えない。
駅の入口は、駅の正面に向かって左側にあったのだろう。
たぶん、話かけてきてくれた人は、親切心から話しかけてきてくれたのだ。
申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
このまま右の道を行っても、入り口は見えそうになかった。
駅の正面に戻ろう。
バンコク駅の中へ
小さくなりながら駅の正面に戻ってきた。
先ほどの人はいなかった、と思う。
駅の正面でまた別の人が声をかけてきた。
首から、顔写真付きの証明書のようなものをかけている。
正直なところ、この時点では、まだこの人たちのことを疑っていた。
本で、どこかの国で顔写真付きの証明書をぶら下げている人に騙された、なんていう話を読んだことがあったからだ。
どこに行くかを聞かれ、ドンムアンに行きたいと答えると、駅の入口を教えてもらった。
駅の中に入ると、同じように証明書を首から下げた人たちが、外国人を案内していた。
バンコク駅は国営なので、この人たちは国の職員なのかもしれない。
最初に、駅の正面で声をかけてきた人も、国の職員だったのだろう。
無視して申し訳ないことをしてしまった。
この場で謝りたいと思う。
とにかく、バンコク駅の待合室に着いた。