【バンコクのトゥクトゥクについて】初めての海外バンコク七日間紀行・その34
初めての海外旅行で、タイの首都バンコクを七日かけて歩いた時の記録です。
このページでは、カオサン周辺のホステルからチャイナタウンに向かって歩く途中、トゥクトゥクについて考えたことについて書いています。
・文章を書いている現在、1バーツは約4.4円ですが、手数料なども考えて1バーツ5円として計算しています。
ホステルから南へ
五日目の朝、ホステルを出発した。
目指すはチャイナタウンだ。
まずは一直線に南へ向かう。
宿泊したホステルから、南に向かって延びる通りは、屋台やバザーが出ていて面白かった。
観光客向けではなく地元の人向けの売り物が多かったように思う。
観光地も面白いが、現地の人が生活している場所が一番面白い。
トゥクトゥクとは
しばらく歩いていると、観光客が、トゥクトゥクの運転手と値段交渉をしている場面に出くわした。
観光客は「ヒフティー(50)バーツ」と言い、運転手は「ワンハンドレッド(100)バーツ」と言っていた。
目的地がどこなのかは分からない。
トゥクトゥクというのは、近距離専門のタクシーのようなものだ。
事前に運転手に行先を告げ、料金を交渉してから乗る仕組みになっている。
料金は互いの言い値であり、運転手によって、目的地までの料金が変わったりする。
下の画像の右側にあるのが、トゥクトゥクだ。
これはパヤタイ駅周辺で撮った写真だ。
トゥクトゥクは、バイクの後ろに、人を載せるカゴが付いたような乗り物だ。
車高が低く、地面との距離が近い。
結構揺れるし、小回りが利くので車やバイクの間を縫って進むことができ、アトラクションのような感覚で乗ることができる。
そのような乗り心地のため、長距離を乗るのには向いていない。
重いものを持って近くに行くとき、足代わりに乗って行くような使い方が基本だと思う。
昨日訪れた王宮周辺には、客待ちのトゥクトゥクがたくさんいた。
やはり、観光地周辺は客も多く、その分稼げるのだろう。
駅や小さな観光地の周りでは、大体いつも数台が待機していた。
待機中の運転手は、こちらに声をかけてくる人もいるし、ずっと昼寝をしているような、やる気のなさそうな人もいる。
しつこく付きまとってくるような人はいなかった。
トゥクトゥクについて考える
バンコクに来て数日、トゥクトゥク(の運転手)についていろいろと考えるようになった。
色々と考えるきっかけになったのは、2日前に客引きに捉まった時だ。
先生を自称する人に捉まり、トゥクトゥクに乗せられ、スーツファクトリーに連れて行かれた。
連れていかれている最中は、とんでもない連中だと思いながら付いて行った。
だが、しばらく時間をおいて考えてみると、トゥクトゥクの運転手は、客引きのような副業をしなければ、生活していけないのではないかと思うようになった。
トゥクトゥク運転手の儲け
トゥクトゥクの運転手はどのくらいの利益になるのだろう。
以下は推測であり、実際の所がどうなのかは分からない。
まず、運転手はどこかの会社に雇われているのか、それとも自営業なのか。
分かりやすいよう、儲けがそのまま懐に入る自営業として考えてみよう。
先ほど、観光客と運転手が「50バーツ」「100バーツ」で交渉していた。
間を取って、一回の運賃の平均が「75バーツ」だとしてみよう。
トゥクトゥクの運転手は一日に何組の客を乗せるのだろうか。
私が様子を見た限りだが、一日10組も乗せられれば良い方だという感じがする。
例えば、5組の客を乗せれば、75バーツ×5組=375バーツの儲けになる。
10組なら、75バーツ×10組=750バーツが手に入る。
一日5組が平均だとすれば、一か月の儲けは、5組×30日=11250バーツ。
10組が平均なら、一か月の儲けは二倍の、22500バーツとなる。
1バーツを4.4円として考えると、日本円に直したときの一か月の儲け(手取り)は、
49500円~99000円となる。
仮定が多いので、この金額が実態に即しているかどうかは分からないが、とりあえず話を進めよう。
一か月の生活費
一方で、バンコクでの一か月の生活費はどのくらいなのだろうか。
私が実際に体験して分かっているのは、食費だけだ。
食費のほかに、家賃や水道光熱費などもかかるし、トゥクトゥクの運転にガソリン代もかかるだろう。
正直なところ、これらがどのくらいの金額になるのか、見当がつかない。
とりあえず食費だけで考えてみよう。
感覚としては、25バーツでパンが一個、またはフルーツが一袋。
50バーツで、屋台の軽食やコンビニ弁当が食べられる。
100バーツもあれば、成人でも十分な量が食べられるぐらいの金額だ。
高価なレストランなら一食200バーツ~300バーツぐらいする。
とりあえず、最低限、一日100バーツは食費として欲しいところだ。
一日150バーツあれば、そこそこの量を食べられる。
300バーツあれば、一日の食費としては十分だ。
一日5組乗せた場合、375バーツの儲けだった。
食費だけ考えれば、十分な金額になる。
配偶者がいれば、一日5組の客でギリギリ食費を賄える程度だ。
子どももいれば、一日5組では足りない。
これには食費以外を含めていないので、やっぱりトゥクトゥクの運転だけで生活していくのは厳しいように思う。
副業をしなければ厳しい、というより、副業はほぼ必須な気がする。
配偶者がいれば、配偶者にも働いてもらわなければいけない。
トゥクトゥクの運転と相性の良い副業といえば、やっぱり客引きだろう。
客を店舗に連れて行き、リベートをもらうようなものが、本業と親和性が高い。
トゥクトゥクの運転手という仕事
バンコクに来る前、海外旅行の本をたくさん読んできた。
大体どの本にも、トゥクトゥクやリキシャなどの乗り物に乗る際、運転手と料金交渉でもめたというエピソードが出てくる。
そんなものばかり読んできたので、海外の運転手はしたたかで、狡猾だというイメージを持っていた。
だが、バンコクで色々なものを見て考えた後では、運転手に対するイメージが変わってきた。
過度な肩入れは良くないのだけれども、仕事をしていた身としては、やっぱり色々と考えてしまうのだ。
運転手というのはとにかく大変な仕事だと思う。
乗客の命を預かりながら、交通量の多い中を走らなければならない。
昨今はどこも物価が上がっているため、今までのような料金体系ではさらに生活が難しくなる。
それなのに、観光客は高いと言って料金交渉をしてくる。
毎回客を乗せるたびに戦わなければいけない。
かなりストレスのかかる仕事だ。
それなのに、儲けも多いわけではないと思う。
私の計算が正しいかどうか分からないけれども。
そんなことを考えながら、チャイナタウンに向かって歩を進めた。