笹川流れ沖でキジハタ釣り・2020/5/30
笹川流れの間島周辺へ
暑い日が続いている。
5月下旬だというのに日中の気温が25度を越した。
つい最近までまだ寒いなあと思っていたのに・・・毎年春から夏の気候変化は急激だ。
今日は風も波もなく晴れの予報だ。
ここ数日間天気の良い日が続いているので、水は澄んでいるだろう。
前日の夕方も非常に穏やかで、夕日が綺麗だった。
カヤックを漕いで周遊するなら最高のコンディションなのだが、釣りをするには少し厳しい状況だ。
晴れの日は暑さで体力を使うし、目も眩む。
それに潮が澄んでいると魚は釣りにくい。
ただ、波が低いのは非常にありがたい。
カヤックを積んで笹川流れの間島周辺へ向かう。
場所は初めてカヤックフィッシングをした所だ。
あのころは右も左も分からず、陸から大して遠くない所で右往左往していた。
道具も余計なものをたくさん積んでかさ張っていたのを思い出す。
あれから十回にも満たない釣行回数だが、以前よりカヤックの漕ぎ方もカヤックフィッシングの仕方も、比べ物にならないほど上達したと思う。
最初に訪れた場所で上達の程を比較したい。
準備と出航
今回は今までのように2本の竿を用意したが、落とし込み用とキャスティング用として明確に役割を分けた。
落とし込み用の竿には前回マゴチを釣ったジギングラップの26g・ゼブラブルピンカラーをセット。
竿をしゃくると不規則にダートし、魚を誘う。
海水にさらすと金属部分が非常に錆びやすいので、釣りの後はすぐに真水にひたさないといけない。
また、大物相手には針の強度が心もとないかもしれない。
今までショアジギング用の30g前後のルアーしか備えていなかったが、カヤックフィッシングには少し軽すぎるように感じていた。
なので、今回は重めのルアーもいくつか用意してみた。
ジギングラップで釣れないようならそちらに切り替えよう。
また、キャスティング用の竿にはポップクイーンの28g・血ミドロイワシカラーをセット。名前がおどろおどろしい。
カヤックフィッシングは探れる場所が広すぎて、どこで釣りをしたらいいのか分かりにくい。
ならば、アピール力の強いポッパーで魚を呼び出そうという作戦だ。
この2つで深場と浅場の両方を攻める。
荷物をカヤックに積み込んで出航する。
海は非常に透明度が高い。
漕ぎ出して少し進んでみたが、海中の様子が手に取るように分かる。
何度か魚が泳いでいるのも見えた。
メジナかスズメダイのようだ。
魚探を見ながら漕いでいたが、10mぐらいの水深になっても底まで見えるほど透明度が高かった。
魚がヒット・・・?
しばらく漕いで沖に出た。
今日は波も風もなく、非常に漕ぎやすい。
最初のカヤックフィッシングのときより3~4倍ぐらいの距離沖に漕ぎ出したと思う。
水深は20mぐらい。
風がほとんどないので、シーアンカーを使わなくてもそれほど流されない。
潮の境目でカヤックを停め、釣りを始める。
ジギングラップを底まで沈め、何度かしゃくって少し巻き、またしゃくるのを繰り返す。
何度か繰り返していると、突然何かに引っかかったように動かなくなる。
魚か!?
中々巻き上げることができない。
引きも感じない。
これは根掛かりのようだ。
カヤックに乗っていると、糸を巻くときにカヤックも引っ張られるので、ルアーが引っかかっていても糸を巻けてしまう。
ドラグによってリールから糸が出ていくこともあり、無限に糸を巻けてしまう。
根掛かりかどうかが非常に分かりにくい。
どうやっても外れそうにないので、泣く泣く糸を切ることに。
思わぬ来客
糸をPEラインから切ってしまったので、先端のショックリーダーは全てなくなってしまった。
こんな時のためにと用意しておいた予備のリールに取り換える。
サハラの3000番・ダブルハンドルだ。
手を出しやすい価格帯だが性能は問題なく、色々なラインナップがあるのも特徴だ。
リールを変えている時、ふと海中を見てみると、何と大きな魚影が。
パッと見サメのように見えた。
これからジョーズのような展開が始まるのだろうか・・・
いや、サメではなくイナダだった。
結構大きい!!
逃げられる前に何としても釣りたいと思い、とにかく何かを投げようと、準備中だったサハラを放っぽり出してポップクイーンを投げる。
少し遠目に投げて飛沫を立てながら巻いてくる。
ダメだ・・・反応しない。
その後、メタルジグに変えたりして誘いをかけるも反応がなく、何を投入しても喰ってきそうにない。
そうこうしていると、カヤック内部の空洞に響くような、ドーン・ドーンという音がし始めた。
何だろうと思っていると、驚くことに、さっきのイナダがカヤックに体当たりをしているようだ!?
カヤックの下に潜っては、一定の間隔で体当たりをしている。
予想外の出来事に呆然としつつも、ルアーを沈めて誘いをかける。
だが、何をやっても乗ってこない。
今は餌を追う気分ではないのだろう。
結局、このイナダには陸に上がるまで付きまとわれることになる。
いったい何故カヤックにぶつかって来たのかは、結局分からないままだった。
魚探の超音波に反応しているのかと思ったが、魚探を止めてもぶつかり続けてきていた。
何をしても逃げないので、写真や動画をたくさん撮影した。
それはまた別のページに載せようと思う。
また、イナダが舟の下にいる時の魚探反応もたくさん写真に納めたので、それも別のページに載せようと思う。
キジハタをゲット
突然のイナダの来訪に驚き、何とか釣ろうとして四苦八苦していたが、何をしても釣れないので飽きてきた。
絶え間なく流れてくる、イナダがカヤックに体当たりするドーンという音をBGMにしつつ、他の魚を狙うことに。
リールを取り換えた落とし込み用の竿に、タイラバのタイガーバクバク60g・グリーンゴールドをセットする。
結構大きいので魚が掛かるのか不安だ。
グリーンゴールドカラーにしたのは、この時期のマダイに良いと聞いたためだ。
イナダと一緒に移動しつつ、良さそうな魚探反応を探す。
すると、下の画像のような反応が見えた。
海底付近に小さい点がたくさん見える。
以前、このような反応の場所でマゴチを釣ったことがあった。
ちなみに、水深10m付近の反応はタイラバの反応だ。
期待しつつタイラバを落とす。
アクションは付けず、底を取ってすぐにただ巻きをする。
開始一投目、すぐに何かがヒットした!!
アワセを入れて巻き上げる。
結構引きは強いが、散発的なので青物ではなさそうだ。
またマゴチだろうか。
あともう少しというところまで巻いてきた。
と、そこで手ごたえがなくなる・・・
バラシてしまった・・・
気を取り直してタイラバを再投入。
すると、数回目でまたアタリが!!
先ほどよりもしっかりアワセを入れ、海面まで巻き上げる。
姿を見せたのは・・・
何と高級魚のキジハタだ!!
笹川流れでも釣れるのか。
フィッシュピックで締めようとしたが、頭蓋骨が硬く、中々刺さらない。
カヤック上でナイフは使いにくいので、用意していたハサミでエラを切る。
このハサミは切れ味が良く頑丈で、魚を締めたりトゲを切ったりもできる。
締めたキジハタをネットに入れておく。
今の時期は気温が高いものの、水温はまだ低い。
海水に浸しておけば悪くならないだろう。
再度のアタリ
キジハタを釣り上げ、意気揚々と釣りを続ける。
良さそうな魚探反応を探す。
ふと気付くとイナダがいなくなっている。
カヤックに体当たりをしていた時はうっとおしかったが、いなくなるとちょっと寂しい。
魚探を見ながらしばらく漕いでいると、色々な反応が見えた。
底生魚の反応だ。タイではなかろうか。
タイラバを投入してみたが、タイラバにつられて浮き上がって来たような反応が見えた。
だが食いつかない。
先ほどキジハタを釣った時と同じような魚探反応を見つけた。
すかさずタイラバを投入する。
すると、すぐに何かがヒット!!
先ほどと同じような感触。
釣り上げてみると、またキジハタだった。
非常にうれしい。
模様が鮮やかでオレンジ色の斑点が美しい。
口元を見ると、フックは完全に刺さっておらず、引っかかっているだけだった。
硬い口元を針が貫通するよう、もっとアワセを強く入れなければならないようだ。
陸地へ帰還
キジハタを釣っている時、気が付くとイナダが戻ってきていた。
また舟艇からドーンという音が響く。
このときカメラを水中に入れて写真を撮った。
他の水中写真も別のページに載せることにする。
キジハタを2匹釣って満足したので、イナダと一緒に陸を目指す。
イナダがどこまで着いてくるのかを知りたかったので、イナダが着いてきているかを確認しながらカヤックを漕ぐ。
水深10m地点までは着いてきている。
7mぐらいのところでどこかへ行ってしまったようだ。
何だかんだ、あのイナダとは長く一緒にいたので、すっかり愛着が沸いてしまった。
誰かに釣られたりしないで寿命を全うすることを祈る。
海はとてもきれいで、海底が良く見える。
陸に上がって片付けをする。
結構な時間海上にいたため、かなりの体力を使っていた。
ヘトヘトになりながらカヤックを運んだ。
それにしても、イナダと戯れる日が来ようとは思いもしなかった。
不思議なこともあるものだ。
釣れたキジハタはどちらも30cmに満たないぐらいの大きさだった。
刺身にしたが、身に弾力があり、高級魚とされているのが頷ける美味しさだった。