ルアーロッドの表記のおさらい
ルアーロッドの表記について
前のページでは、ルアーロッドの表記の読み方について説明しました。 まず簡単に、表記の読み方についておさらいしておきましょう。
S1002MH
上のルアーロッドは「S1002MH」という表記になっています。 先頭の「S」はスピニングモデルであるということを表しており、スピニングリールを合わせて使います。 釣具屋で売られているルアーロッドはスピニングモデルであることが多く、「S」が明記されていないことも多いです。 表記のどこかに「C」とあったらベイトリールを合わせるベイトモデルなので、青物釣りで使うのはおすすめしません。
ルアーロッドの長さ
「S」の次の「1002」は、「100」と「2」に分かれており、それぞれ10.0ft(フィート)の長さであることと、2本継ぎであることを表しています。 ftの単位は、30をかけるとcmの長さに直せます。 この場合は「10.0 × 30 = 300cm」となるので、釣り竿が3mであることが分かります。 参考までに、ft単位をcmやm単位に換算するツールも作成しました。よろしければご覧ください。 ルアーロッドは2本継ぎのものが多いので、数字の最後は「2」になっていることが多いです。 数字が「962」のように3桁であれば、9.6ftで2本継ぎということになります。
釣り竿の硬さ
次の「MH」(ミディアムヘビー)は硬さを表します。 硬さについては柔らかい方から、「UL(ウルトラライト)」「L(ライト)」「ML(ミディアムライト)」「M(ミディアム)」「MH(ミディアムヘビー)」「H(ヘビー)」などがあります。
表記から読み取れない性能
ルアーの重さと糸の号数
ルアーロッドには、表記からは読み取れない性能もあります。 ・使用できるルアーの重さの範囲 ・使用できる糸の号数 などが該当しますが、これらもルアーロッドを選ぶ際に大切です。 基本的にルアーロッドが硬いほど、扱えるルアーは重くなり、糸の号数も大きくなります。 ルアーロッドの箱を見てみると、使用できるルアーの重さと糸の号数が書いてあります。 私が持っている竿について実際に見てみましょう。
シーバスロッドの性能
シーバス用のLAZYは、扱えるルアーの重さが7~40gです。 糸は8~16lbです。
振り出し式ルアーロッドの性能
振り出し式のCROSSBEATは、ルアーの重さが7~35gまで。 糸はナイロンで2~4号、PEで0.6~1.5号です。
トラウトロッドの性能
トラウトロッドのFREADはルアーの重さが1~7gまで。 糸は3~8lbとなっています。
糸の号数とlb(ポンド)数
糸については、号数で書かれている物とlb(ポンド)数で書かれている物があります。 lb数は、どのくらいまでの引きに耐えられるかという重さの単位であり、日本でよく使われている号数(糸の太さ)への変換は、ナイロンやPEラインなど糸の種類によって変わります。 同じ太さ・号数の糸でも、ナイロンとPEラインではPEの方がlb数が大きかったりします。 詳しくは、青物釣りの糸についてのページもご覧ください。 また、糸の号数とlb(ポンド)数を変換するツールもご覧ください。
青物釣りの竿に求められる性能
青物釣りのショアジギングロッド
青物釣りでは、ショアジギングロッドという竿が使われます。 「ショアジギング」の「ショア」というのは陸のことで、「ジギング」というのは、メタルジグを使った釣りのことを指します。 つまりショアジギングロッドとは、陸からメタルジグを投げて釣りをするための、専用の竿のことです。
ショアジギングロッドの特徴
ショアジギングロッドは、一般的なルアーロッドより頑丈な作りになっており、ガイドに糸が引っかからないよう糸よけが付いています。 陸から重いルアーを投げて釣るための専用の竿となっています。 青物釣りでは基本的に、ショアジギングロッドを選んでおけば良いでしょう。
青物を陸から狙う竿の性能
では具体的に、陸からメタルジグで青物を釣るには、どのような性能の竿が必要でしょうか。 釣りに行く前の場所探しや釣り座の決め方のページに書きましたが、青物は堤防や磯の先端、もしくは砂浜などの開けた場所で狙うのが普通です。
長さについて
ルアーロッドは長いほどルアーの飛距離が出せます。 青物釣りはできるだけルアーを遠くに飛ばせる方が良いので、障害物の無い場所で釣るならば、竿はできるだけ長い方が有利です。 一般的なショアジギングロッドは、長さは9ft~10ftぐらいです。 障害物の多い堤防などをメインの釣り場にするならば、短めの9.0ftぐらいの竿でも良いかと思いますが、基本は10ft(3m)の長さで良いと思います。
硬さについて
次に硬さですが、パワーのある青物を釣るには、それなりにパワーのある竿がほしいところです。 ショアジギングロッドでは、柔らかい物では「M」(ミディアム)から、「MH」(ミディアムヘビー)、一番硬い物で「H」(ヘビー)までの竿が使われることが多いです。 40cm~50cmぐらいの青物であれば「M」クラスでも充分ですが、不意に大物が掛かることもありますし、投げられるルアーの重さも考慮すると、「MH」を標準と考えるのが良いと思います。
大物狙いは硬い竿
周りに人が多い堤防などでは、青物を走らせると周りに迷惑がかかります。 また、障害物の多い磯でも、根に突っ込まれると糸が切れることがあります。 こういった場所ではできるだけ硬い竿で強引にやり取りする必要があるので、やはり「MH」が良いでしょう。
竿の硬さと投げられるルアー
ショアジギングロッドの「MH」クラスだと、投げられるルアーは大体40g前後だと思います。 私はメタルジグのムーチョルチアをよく使うのですが、重さのラインナップが25g,35g,45gとなっており(これ以外の重さもあります)、35gのものをよく使います。 たまに45gも使うので、ショアジギングロッドは45gまでのルアーが投げられるものを選んでいます。 私が持っている竿で一番硬い物は、「H」クラスで60gまでのルアーが投げられると書いてあるのですが、ここまでのものは必要ないと思います。
竿と糸の太さ
使用できる糸に関しては、0.8号~1.2号ぐらいのサイズのPEラインが使えれば大丈夫でしょう。 後は手持ちのリールや糸・ルアーとのバランスを考えつつ、実際に釣具屋に行ってみて条件に合うものを探します。 値段と相談し、候補がいくつかあるならば、最終的にはデザインやメーカー名で決めても良いでしょう。
どんな竿でも釣ることはできる
青物釣りではショアジギングロッドを使うのが一般的ですが、色々な釣り物に対応できるような、汎用ルアーロッドで青物が釣れないこともありません。 私はホームセンターに売っていた3000円ぐらいのルアーロッドで青物を釣っていたこともありますし、キス釣り用の投げ竿で青物を釣っている人を見たこともあります。 どんな釣り竿でも、釣ろうと思えば青物は釣れます。 最低限のスペックは考慮しつつ、気に入った竿で青物を狙うのも良いと思います。
おすすめの竿
陸から青物を釣るための竿
陸からメタルジグで、40cm~50cmぐらいの青物を狙う想定で竿を選びます。
ルアーや糸とのバランス
「1002MH」のような、長さは10ft(3m)ぐらいのできるだけ長い竿で、硬さはMHがちょうど良いでしょう。 長さは、竿がぶつかるような障害物の多い場所ならば、9ft前後でも良いです。 硬さに関しては、小さいサイズの青物が多いならば「M」クラスでも良いと思いますし、60cmを超すような魚がよく掛かる場所ならば、「H」クラスでも良いと思います。 ルアーの重さは45gぐらいまでの物が使えると良く、糸はPEラインで0.8号~1.2号が使える竿を探しましょう。
私が使っている竿
これらを踏まえ、私がよく使っている(使っていた)竿は、アルファタックルのクレイジーショアジグゲーム1002MH です。 上記の条件にピッタリなのと、何より価格が安いというのが気に入っています。 (使っていた)と書いたのは、カヤックフィッシングでサゴシに折られてしまったからです。 代わりに、同じ竿のHクラスの物を買ってみましたが、青物釣りにはMHクラスで十分でした。 竿と他のタックルとのバランスについては、タックルバランスのページや、タックルの組み合わせツールもご覧ください。