青物について
青物という言葉は、一般にサバ・イワシ・サンマといった、背の青い魚を指す呼称です。
ただ、当サイトは、陸からメタルジグで青物を狙う方法について書いていくサイトです。
当サイトで青物という言葉を使う場合、背が青くルアーをよく追うような、魚食性の青物を指すこととします。
私が住む地域では、40cmから50cmぐらいのイナダやサゴシが陸からよく釣れます。
そのため当サイトでは、この二種の青物を、主なターゲットとして釣り方を書いていきます。
イナダやサゴシの釣り方の基礎が分かれば、同様の釣り方で他の青物を狙うこともできます。
イナダ・ワラサについて
イナダは、青物釣りのメジャーなターゲットです。
イナダはブリの若魚のことで、ブリは体長が大きくなるごとに呼び名が変わる、いわゆる出世魚です。
ブリは、40cmより小さいものをワカシやシオノコ、40cm~60cmのものをイナダ、60cm~80cmのものをワラサ、80cm以上の個体をブリと呼びます。
地域によって色々な呼び名がある魚です。
陸から釣れるのは、40cmから50cmぐらいのイナダサイズが多く、たまにワラサや、ごくたまにブリサイズも陸から釣れます。
私はワラササイズまで釣ったことがありますが、かなり引きが強く、取り込むのが大変でした。
40cmぐらいの個体でも、六月・七月や秋の中盤ぐらいに釣れる個体は引きが強く、釣っていて楽しいです。
イナダを釣る時は、ナブラが出ていなければ、中層から底層を狙うのが良いです。
カヤックフィッシングで魚探を見ていると、大体イナダは深い層にいます。
陸から釣るときでも、カヤックフィッシングでも、イナダが掛かる確率が高いのは、ルアーを海底まで落として巻き上げた瞬間です。
メタルジグの操作についてのページに、ルアーを海底まで落とす釣り方について書きました。
イナダは群れで回遊していることが多いです。
掛かったイナダを寄せてくると、何匹かのイナダが一緒にルアーを追ってきていることがあります。
仲間意識というよりは、小魚を取られまいとして追ってきているのだと思います。
カヤックフィッシングで魚探を見ていると、イナダが釣れた時は、同じ様な影がたくさん画面上に出現しています。
青物のナブラについてのページに書きましたが、イナダのナブラでは、イナダがまとまって小魚を追います。
イナダ・ワラサはどことなくユーモラスな魚です。
ナブラの様子は、コイが餌を求めて口をパクパクさせているようです。
顔つきもどことなくコイに似ています。
イナダの口は歯がザラザラしており、獲物を吸い込むように食べます。
背は青く、体の横に黄色い線があるのが特徴です。
私が以前カヤックフィッシングをしていたとき、一匹のイナダがずっとカヤックにつきまとってきました。
途中でもう一匹のイナダもカヤックに近づいてきたのですが、こちらはすぐに離れていきました。
このイナダが、どういう目的でカヤックに近づいてきたのかは分かりません。
例えば頭に寄生虫が付いていて、それを落とす目的でカヤックに頭をぶつけていたのかもしれません。
イナダと長い時間一緒にいたことで、何となくイナダという魚に愛着が沸いてしまいました。
サゴシ・サワラについて
釣りをしない人にとっては、サワラの名の方がメジャーだと思います。
サゴシはサワラの若魚であり、60cm未満のものをサゴシと言います。
陸から良く釣れるのは、40cm~50cmのサゴシサイズです。
前項のイナダは、海のコイとでも呼びたくなるのですが、サゴシは海のギャングという名がふさわしいと思います。
サゴシの歯は鋭く、簡単に糸を切られてしまいます。
サゴシを釣るときは、何といっても歯で糸を切られないようにしなければいけません。
そのためには、できるだけルアーを早く巻くのが良いです。
早く巻いて追い食いさせれば、歯が糸に当たる可能性が低くなります。
魚を掛けた後も、できるだけ糸を緩めずに巻きましょう。
サゴシを追い食いさせると、何故か口の下側に針掛かりすることが多いです。
これは、サゴシが小魚に飛び掛かる時、身体を反転させて飛び掛かるからではないかと思うのですが、真偽のほどは分かりません。
ルアーに付いた歯型を見ると、大体ルアーの真ん中に付いていることが多いです。
サゴシは、小魚が口の半分に入ったあたりで噛みつくのかもしれません。
青物のナブラについてのページに書きましたが、サゴシのナブラは非常に派手です。
サゴシが小魚を追って跳ねまわり、1mぐらいまでの高さにジャンプすることもあります。
あっちでジャンプしたと思ったら、今度は反対側でジャンプしたりと、広い一帯を泳ぎ回りながら小魚を追います。
シーズン中にカヤックで沖に出ると、カヤックの周り一面でナブラが起きます。
サゴシも群れでいることが多いのですが、イナダより群れの規模は大きく、密集度は低く感じます。
大きな群れで回遊して小魚がいる場所を探し、小魚の群れを見つけたら、後は個人プレーで小魚を追い回すような感じです。
サゴシのいるタナですが、普段は中層から底層で釣れることが多いです。
イナダよりも浅いタナにいるイメージです。
近くでナブラが起きている時は、もちろん表層を狙います。
六月中旬ぐらいのシーズンになると、地域や時間帯によりますが、沖では頻繁にサゴシが跳ねています。
沖でサゴシが跳ねているのを見かけたら、陸から釣る場合でも表層を狙いましょう。
青物釣りの時期
私が住む地域では、例年、五月中旬ごろから青物が釣れ始めます。
温排水口があるような場所では、三月にはもう青物が釣れ始めます。
シーズン最初の頃の青物は、水温が冷たいからか、あまり小魚を食べていないからか、まだパワーがありません。
寄せるときはほとんど抵抗しません。
青物は、それから七月中旬ぐらいまで釣れ続けます。
六月・七月ぐらいの青物は小魚をたくさん食べたためか、かなりパワーがあります。
年間を通してこの時期が一番、青物釣りの楽しい時期です。
この時期にカヤックで沖に出ると、カヤックのすぐ近く、辺り一面がナブラだらけになります。
私はこの時期の青物に、ショアジギングロッドをへし折られたことがあります。
カヤックフィッシング中にサゴシを寄せた時でした。
何度もカヤックの下に突っ込まれ、何とかいなそうとしたのですが、竿が耐えきれずに折れてしまいました。
夏真っ盛りの八月になると、青物釣りはいったん中止です。
八月でも釣れるのかもしれませんが、暑いので釣りになりません。
九月後半から青物釣りが再開します。
このころ釣れるイナダは小さく、30cmに満たないワカシサイズのものが多いです。
小さいイナダは群れで動いているため、群れが来れば数釣りできます。
シーズン後半の十一月になると、また釣れる青物が大きくなってきます。
その年に生まれたものではないと思うのですが、50cmぐらいのイナダが釣れるようになります。
小魚もよく動き、ナブラが多く起きるようになります。
十二月になるとシーズンも終盤になります。
十二月中旬ぐらいまで青物は釣れ、それ以降は姿を見なくなります。
メタルジグで釣れる外道について
狙っている魚以外の魚が釣れた場合、その魚を外道と言います。
例えば、青物を狙っていてヒラメが釣れたら、そのヒラメは外道ということになります。
メタルジグでは、イナダやサゴシの他に様々な魚が釣れます。
イナダとサゴシ以外で、私がメタルジグで釣ったことのある魚を挙げてみましょう。
陸から釣った魚だけでなく、カヤックフィッシングのジギングで釣れた魚も紹介します。
カヤックフィッシングで釣れるということは、陸から釣れる可能性もあるためです。
イナダ・サゴシを狙っていてサバがかかったら、一応外道だということになります。
上の画像はカヤックフィッシングでの画像でしたが、サバは陸からもよく釣れます。
ただ、大きめのルアーにはヒットしにくいため、サバを専門に狙うなら、10g台かそれ以下の小さいメタルジグを使うのが良いです。
活性の高い時は40gのジグにも掛かってきます。
サバの引きはそこそこ強く、青物らしい引きを見せます。
大きくても40cmぐらいまでの物しか釣れないため、堤防などであれば、そのまま抜き上げても大丈夫です。
新鮮な物をすぐに締めてクーラーに入れて持ち替えれば、刺身で食べることもできます。
サバの刺身を食べられるのは、釣り人の特権です。
ホウボウやカサゴ、ホッケなどの根魚も、外道としてよく掛かります。
ルアーを底まで沈め、巻き上げるときに掛かることが多いです。
岩場でなくても、海底が砂地でも釣れることがあります。
ホッケは、私の住んでいる地域で一時期、大量に接岸してきたことがありました。
表層付近でルアーをただ巻きしていた時に掛かりました。
どれも白身魚で、食べて美味しい魚たちです。
どんな食べ方でも美味しいですが、アヒージョや清蒸などが特にお勧めです。
ヒラメやマゴチなどのフラットフィッシュも外道として釣れます。
根魚と同じく、ルアーを底まで沈め、巻き上げた時に掛かることが多いです。
どちらも美味しい魚ですが、特に刺身がお勧めです。
ヒラメの刺身は磯の香りがし、一口食べれば高級魚だというのが分かります。
マゴチの身は弾力があり、ブリブリとした食感です。
下の画像は、粟島の釜谷キャンプ場で釣ったヒラメです。
このときはメタルジグではなくワームで釣りました。
陸からでも、結構大きいサイズのフラットフィッシュが釣れることがあります。
カヤックフィッシングですが、このようなカツオも釣れたりします。
最初は何か分からず、マグロだと思っていました。
こんな魚も釣れるのかとビックリしました。
長い堤防の先端など、沖に張り出した場所で釣れる可能性があります。
エソです。
陸から青物を狙っていると釣れることが多く、カヤックフィッシングでも良く掛かります。
歯がザラザラしているため、釣った後はラインの確認が必要です。
小骨が多いため食べにくく、嫌われやすい魚です。
底にいることが多いので、エソばっかり掛かるようであれば、表層を狙うのが良いでしょう。
大物になると結構引きが強く、何が掛かったかとワクワクするのですが、上げてみてがっかりします。
釣れると嬉しいマダイです。
食べるときは、刺身や清蒸などがお勧めです。
カヤックフィッシングでは、場所と時期を選べばメタルジグでよく釣れます。
陸からも釣れるようですが、私はまだ陸からメタルジグでマダイを釣ったことがありません。
針掛かりすると強烈に引きます。
そこで針が抜けることもあるので、初動が肝心の魚です。
ダツです。
これも青物釣りをしていると、たまに掛かってきます。
蛇のような魚で、カヤックフィッシングをしているときに、身体をくねらせながら泳いでいるのを見たことがあります。
骨が青く不気味ですが、問題なく食べることができます。
ダツは光に向かってくる習性があります。
夜に釣りやスキューバダイビングをしているとき、ダツが人間の身に着けている明りに向かって突進し、人間が大けがをしてしまうことがあります。
早朝の暗い時間帯、ルアーを沈めていた時にフッとルアーが止まり、巻いてみたらタチウオが掛かっていました。
引きは全くありませんでした。
タチウオと言えば夜釣りがメインです。
時間と場所を選べば専門に狙うことができるのかもしれません。