ブッダガヤの北へ
日本寺の古い図書館を見た後、大通りを歩いてマハーボディ寺院の方へ向かった。
大通りの両脇には、土産物の屋台が軒を連ねており、賑やかで楽しい。
歩いていると、先ほど鉄道のチケットオフィスで助けてもらった、ガイドのAさんにまた出会った。
ブッダガヤは狭い。
その時の礼を言いつつ、先へ進む。
マハーボディ寺院の前を通り過ぎ、前に寄ったビーハッピーカフェの辺りを目指して進む。
この辺りは人が多く、毎日が祭りのようだ。
ビーハッピーカフェの前を通ると、旅行代理店や土産物屋が多いところに出る。
そこも通り過ぎて、さらに北へ。
歩いていると、カラフルな建物と狭い路地が、とても絵になる場所に出た。
地元の人が階段に腰掛けて会話していた。
狭い路地の間を、バイクが何台も通り抜けいていく。
客引きもいないし、のどかで良い場所だ。
歩いていて楽しい。
ブッダガヤの北で寄付を求められる
そうして歩いていると、ブッダガヤの外周を回る大通りに出た。
今度はマハーボディ寺院の方に向かって歩く。
ふいに、後ろから来たバイクの男に呼び止められる。
私より若そうな彼は、少しだけ日本語ができるらしい。
またガイドだろうかと思っていると、ドネーション(寄付)の話だ。
スマホで、スジャータ村でボランティアを行った時の写真や、チベット僧に施しをしている写真を見せてくる。
残念ながら、私は心が薄汚れてしまっているので、そういうものを見せられても素直に寄付をしますという気にはならない。
寄付をすること自体はやぶさかではないのだが、こういう話には詐欺が絡むことも多いと聞く。
どうせ寄付をするのなら、確実に、何らかの支援に使われるところにしておきたい。
話が唐突であるし、今はとにかく歩きたい気分だった。
面倒なので、「アイ ワントゥー ウォーク」と言って向こうに行こうとする。
すると彼は、バイクで私をゲストハウスまで送っていくと言い出した。
私が、それは結構と断ると、「お金が欲しいわけじゃない」とか言ってくる。
彼は本当に好意で「送っていく」と言っているのかもしれないが、こちらとしては歩くのが楽しく、本当にただ歩きたいだけなのだ。
それに、知らない人にバイクで連れて行ってもらうのも、危ないので避けたい。
私が歩き出すと、彼は「お金じゃないよ!!!」と感情的な声で言ってくる。
さらに「ハロー!!」とも呼びかけてきた。
本当に面倒くさい男だ。
彼の面倒くさい所は、向こうからこちらを呼び止めたくせに、挙句の果てに勝手に逆切れしているところだ。
彼としては、善意の行動を誤解されたのが嫌だったのかもしれない。
だが、いくら崇高な目的があったとしても、道端で人を呼び止めるのだから、無視されたり誤解されたりする覚悟ぐらいはしておくべきだと思う。
道端に干される牛の糞。
冬場の燃料になるらしい。
大きな道とゲート(と牛の糞)。
ロータスレストランでチキンターリーを食べる
ブッダガヤを歩いた後、いつものロータスレストランへ。
また、ベジスープとチキンモモのベストコンビにしようかと思ったのだが、何だか久しぶりにカレーに挑戦したくなった。
インドのカレーはしょっぱくて辛い。
日本食と比べて甘みと旨味がなく、中々食べ慣れなかった。
ブッダガヤに来てから、ずっと日本食に近い味のチベット料理に逃げていたのだ。
やっぱり久しぶりにカレーを食べよう。
チキンターリーとラッシーを注文した。
ターリーは定食のことだ。
かなり量が多い。
ライスだけでなく、ロティ(薄いパン)も付いてきた。
カレーはやはり、しょっぱくて辛かった。
おかげでご飯が進む。
付け合わせも、日本の煮物のようで美味い。
美味いのだが、ご飯の量が多い。
食べきれるだろうか。
とにかく残すまいと思って食べた。
カレーの辛さに汗をかきながら、必死にカレーとライスを口に運ぶ。
食べても食べてもライスが減らない。
ライスをモサモサと口に詰め込んでいく。
ようやくライスを食べきるが、この時点で腹が限界だった。
限界を超えつつ、ロティをちぎって口に運ぶ。
限界は、超えようと思わなければ超えられないのだ。
けどもう無理。
ロティを一枚だけ残して店を出ることに。
無理して食べることは無かったのだと思うけれど、残すのは自分に負けた気分になる。
食べ過ぎで腹を壊す
大通りをゲストハウスに向かって歩く。
昼下がりの午後、気温が上がって歩きづらくなってくる。
そういえば、この暑さでも道行く人たちは厚着をしている。
今日出会ったガイドたちも、みんなダウンを羽織っていた。
今の私は、半袖+薄い長袖の上着という構成だ。
この恰好でも暑いぐらいだった。
今は20℃ぐらい。
やっぱり普段生活している環境によって、寒いとか暑いの閾値が変わってくるのだろう。
ゲストハウスに着き、コーラとブドウで人心地つく。
ターリーで腹いっぱいになっていたが、甘いものは別腹だ。
そうこうしていると、腹の調子がおかしい。
しばらくトイレに籠ることになった。
前に、旅を通しての体調についてのページに、腹の調子について書いたことがあった。

インドとネパールの旅で腹の調子が悪くなったのは、今回の食べすぎと、これからネパールで食べることになる、ブドウの皮が消化しきれなかったときだけだった。
衛生面で腹を壊したことは、特になかった。
涼しい時期に旅行したのが良かったのかもしれない。
今後のことについて
すっきりしたところで、今後のことを考える。
明後日の早朝にブッダガヤを出て、ガヤ駅から電車に乗ってパトナに向かうことにしていた。
パトナからは、ネパールとの国境の街ラクソウルに行き、国境を越えるつもりだったのだ。
パトナへの鉄道のチケットを手に入れた今、次の問題は、パトナからラクソウルに向かうバスをどう捕まえれば良いのかということだ。
バススタンドの場所も、捕まえ方もよく分からない。
地球の歩き方に、パトナからラクソウルまでのバスがあると書いてあるが、パトナに行ってみれば簡単にバスが捕まるものだろうか。
パトナのバススタンドの位置も、新しいバススタンドができたという情報があったりして、いまいちどこでバスに乗れば良いのか分からない。
それに、よく調べるてみると、ラクソウルまでのバスは早朝や夜に出るようだった。
私がパトナに着くのは、朝の9:00ごろの予定だ。
そうなると、早朝のバスには乗れないので、夜に出発することになるのか。
夜までどうやって過ごそうか。
パトナの街中でホテルの部屋を借りるか。
ネットで調べても、あまり詳しい情報が出てこない。
この旅で初めて、手段が確定しないまま次の場所に飛びこむことになる。
不安なことばかりだが、まあ何とかなるだろうか。
ここに来るまで色々な人に助けられてきた。
インドを信頼して飛び込んでみるしかない。
ブッダガヤ六日目の終わり
明日がブッダガヤでの最後の日になる。
明日は長距離の移動に備え、水を確保しておこう。
ゲストハウスのマネージャーに、次の日の早朝に出発することも伝えておかなければ。
日本寺のBさんに、明後日に出発することを伝えていたのだが、明日も日本寺に顔を出すと言ってあった。
日本寺にも寄って行こう。
後はやっぱりマハーボディ寺院だ。
マハーボディ寺院には、ブッダガヤでの二日目に見に行ったのだが、ガイドなしでもう一度行っておきたかった。
ブッダガヤは中々来られるところではない。
悔いの無いようにしておこう。