ビルガンジの中心部へ向かう
さて、インドから国境を越えてネパールに入ったが、これからどうしたものか。
とりあえずの目標は、
・ネパールのSIMカードを手に入れる
・ネパールルピーを手に入れる
・首都のカトマンズに行く
の3つだ。
SIMカードについては、イミグレを通り過ぎて歩いていると、SIMの表示を出している店がいくつもあった。
ここで手に入れておくべきか、それともカトマンズに行ってからにするか、悩む。
ネパールルピーを手に入れるのも、ここら辺にはエクスチェンジの看板が見当たらない。
ビルガンジでインドルピーが使えると何かで見たことがあるので、まだ手に入れなくて大丈夫だろうか。
分からないことばかりだ。
それに、ビルガンジでの一番の目標は、ネパールの首都カトマンズへの足を確保することだった。
ネパールの首都カトマンズとタメル地区
ネパールといえばカトマンズ。
私はカトマンズに行くのをとても楽しみにしていた。
カトマンズにあるタメル地区は、バックパッカーに人気のエリアであり、バックパッカー関係の本を読んでいると、よくタメルのことが出てくる。
タメルには安宿や、安くて美味い飯屋が多いらしい。
タメル周辺は、ガイドブックやgoogle mapで見ても、街の中に古き良き建築物が残されているような感じで、景観が良さそうなので、街中を歩いてみるのが楽しみだった。
ある本には、ネパールは「インドでの滞在の疲れを癒すところだ」などと書いてあった。
私はそれほどインドに疲れていたわけではないが、とにかく日本食が恋しかった。
タメルには日本食の店がいくつもあり、それもカトマンズに早く行きたい理由だった。
インドにいた時から、何度もタメルの日本食料理店について調べており、タメルに着いたらあれを食べようこれを食べようとずっと考えていた、、、
カトマンズまであと少しだ。
ここに来るまで、ブッダガヤから列車とバスを乗り継いでの移動だったので、けっこう大変だった。
タメルに着いたら腹いっぱい日本食を食おう。
そしてひたすら街の中を歩き回ろう。
ビルガンジでリキシャを捕まえる
とりあえずビルガンジからカトマンズまでの足を探すことにしよう。
ビルガンジからカトマンズまで行く手段は、バスとジープがあると何かで見たことがあった。
ジープだと近道ができるらしいので、多少高くてもジープに乗りたい。
だが、ビルガンジのバスターミナルの場所などは、全く分からなかった。
ジープに乗れる場所などなおさら分からない。
こういうときの交通手段の探し方は、パトナでラクソウル行きのバスを捕まえた時に学んでいた。
まずはリキシャを捕まえるのだ。
ただ、しばらくビルガンジの中心部に向かって歩いてきたが、走っているリキシャが少ない。
ネパールのイミグレの辺りに、リキシャが何台か停まっていたので、そこで捕まえておくべきだったか。
イミグレ近くにジープもおり、もしかすると、それがカトマンズ行きのジープだったのかもしれないとも思っていた。
とりあえずビルガンジの街中まで歩いてみたかったので、その場は通り過ぎたのだが、イミグレの辺りで乗り物を捕まえておけば良かったかもしれない。
まあ、ビルガンジの中心部まではすぐのはずなので、もう少し歩いてみよう。
そのまま歩いていると、たまに後ろからリキシャが通り過ぎていく。
もしこれがインドなら、ほぼ間違いなくリキシャが私の近くに停まり、乗って行くかと声をかけてくる。
ところが、ビルガンジでは全くそういうことがない。
リキシャが通り過ぎる時、チラッと私の方を一瞥するのだが、そのまま通り過ぎて行ってしまう。
ところ変わればというやつだ。
後ろをチラチラと見ながら歩いていると、一台のリキシャがやってきたので、手を上げて停めた。
「アイ ワントゥー ゴー カトマンズ」「ジープ オア バス」と伝える。
「インディアルピー」とも言っておく。
コミュニケーションを取るとき、行先や物の名前など、伝えたい部分を強調して話せば、こちらの意図を伝えやすいということが分かってきた。
相手が英語を知らなくても、単語だけで伝えたいことを伝えられる。
運転手はちょっと考え込み、30インドルピーで連れて行くと言ってきた。
リキシャに乗り込む。
カトマンズ行きのジープを捕まえる
リキシャにしばらく乗っていると、リキシャが停まった。
ここがバススタンドかと思って降りかけると、運転手はそのまま乗っていろとジェスチャーをしている。
待っていると、一人のおばあちゃんが乗り込んできた。
リキシャは再度出発したが、少し行ったところでおばあちゃんが降り、今度は男の人が乗り込んできた。
また別の所で男の人が降りて行く。
ここでは相乗りが当たり前なのかもしれない。
さて、街の中心部に行き、道路が混雑してきた。
リキシャが道端で停まり、運転手が、近くにいた人と話を始めた。
どうやらここでカトマンズ行きの乗り物に乗れるらしい。
運転手にお金を渡してお礼を言う。
それにしても、この距離で30インドルピーということは、ラクソウルでホテルを探すときに、リキシャに払った100インドルピーという金額は、破格の値段だったようだ。
まあ、あの時は、こちらから100ルピーと持ち掛けたので、ぼったくられたわけではないし、後悔しているわけでもない。
運転手と話をしていた人に付いて行くと、チケットカウンターがあった。
チケットに必要事項を記入しつつ、「ジープ?」と聞くと、ジープだと言われた。
有難い。
チケットを記入して料金を確認すると、ネパールルピーの値段を言われた。
インドルピーしか持っていないので、「インディアルピー」と言ってみると、530ルピーだそうだ。
インドルピーが使えて良かった。
さっそく料金を払う。
それにしても、簡単にジープが捕まったのでホッとした。
この旅の中で、交通手段が不明確だったのが、パトナからラクソウルまでの区間と、ここビルガンジからカトマンズまでの区間だった。
そのどちらも無事にクリアした今、後は難しい所はないはず。
ジープのチケット。
ジープのルーフにザックを載せ、ジープに乗り込み出発を待つ。
けっこう寒いので、一度ルーフの上に載せたザックから、上着を取り出しておくことに。
腹が減った。
そういえば昨日から何も食べていなかった。
ジープの窓から見るビルガンジは、日本の地方商店街のような雰囲気だった。
パスポートの判子について
出発を待っている間暇だったので、パスポートをチェック。
パスポートに3つも判子が増えた。
私は収集癖があるので、パスポートに判子が捺されると、スタンプラリーみたいで嬉しい。
ところで、どうでも良いことなのだが、インドのイミグレで判子を捺された場所が気になっていた。
上にあるシールと青い判子は、ネパールのイミグレでもらったビザのシールと入国の判子だ。
一番下の赤い判子が、インドのイミグレで押された出国の判子だった。
つまり順番的には、赤い判子⇒ビザのシール+青い判子、という順番で捺されたことになる。
何故かインドのイミグレで、ページの上の方が空いているのに、一番下の所に赤い判子を捺されたのだ。
その後、ネパールのイミグレで、上の空いていたスペースに、ビザのシールと青い判子をもらった。
そういう取り決めになっているのか?
インドのイミグレの人の気まぐれなのか?
理由はさっぱり分からない。
判子の順番が、ネパールに入国⇒インドを出国という順番になっているので、後で問題にならなければ良いがと心配になる。
※この後、特に何事もなく、心配は杞憂だったようだ。