ブッダガヤのシャンティ・インディア・スクールを見学

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ブッダガヤの良さ

 

ゲストハウスの玄関では、従業員が子どもを抱えていた。

 

 

「ナマステー」と挨拶し、子どもが「ソー キュート」だとも伝えた。

 

「ハウアーユー」と聞かれたので、「アイムファイン」と答えつつ、「ディスゲストハウスグッド」「ブッダガヤグッド」と伝えた。

 

 

これは私の嘘偽らざる意見だった。

 

 

ゲストハウスの人たちは気さくで優しいし、アットホームだ。

 

マネージャーはことあるごとに声をかけてくれる。

 

夜が静かなのもとても良かった。

 

 

ブッダガヤの街にしても、街に出て最初の時は、ガイドたちに絡まれて嫌な思いをしていた。

 

それが、彼らの考え方や付き合い方が分かってからは、関わるのが面白くなってきた。

 

彼らは気のいいおっちゃんたちだった(こちらの懐を狙ってはいるけれど)。

 

 

ブッダガヤを歩くのも楽しい。

 

のんびりした田舎道を歩くと心が洗われるようである。

 

 

街の中心部では、アジア各国から僧侶が集まり、毎日お祭りのような騒ぎになっている。

 

 

街中には各国のお寺が点在し、フラッと入って見て回ることもできる。

 

 

もちろんマハーボディ寺院も素晴らしかった。

 

 

 

私はこの七日間で、ブッダガヤをすっかり気に入っていた。

 

明日ここを離れたくなかった。

 

 

バックパッカーの本を読んでいると、沈没という言葉が出てくる。

 

一か所に長期滞在してしまうことを沈没というそうだが、そうなる気持ちも分からんでもない。

 

 

移動は億劫だ。

 

次の目的地、パトナ行きの電車に乗ることも不安だったし、パトナに行ってからも、国境までのバスを捕まえられるか分からない。

 

 

その後のことも不安だらけだった。

 



学校見学に誘われる

 

ゲストハウスの入口でマネージャーを見つけた。

 

彼に、明日の朝早く出発することを伝える。

 

 

リキシャはと聞かれたので、予約したと言ったのだが、値段を教えると、もっと安く手配できると言われた。

 

 

やっぱりそうなんだろう。

 

まあ予約してしまったので仕方ない。

 

 

そしてマネージャーから、学校を見学しないかと言われた。

 

ブッダガヤにある、寄付で成り立っている学校らしい。

 

 

実は、学校見学はこれまでにも何度か誘われていた。

 

ドネーション(寄付)で成り立っている学校だと聞いていたのだが、行けば感情移入してしまうのが分かっていたので、やんわりと断り続けていたのだ。

 

 

ただ、今日はブッダガヤ最後の日だ。

 

学校を見学するのは、ブッダガヤ観光の締めくくりにふさわしいような気がして、付いて行ってみることにした。

 

 

田舎道を彼のバイクで突っ切って学校へ。

 

シャンティ・インディア・スクールを見学

 

学校は、タラゲストハウスと同じく、青を基調とした外装だった。

 

 

 

生徒たちもたくさんいたが、彼らの写真は撮っていない。

 

 

生徒たちは、私を見ると「ナマステー」と挨拶してくれる。

 

こちらも挨拶を返しながら、中へ。

 

 

学校の中では、学校長らしき人が子どもたちとやり取りしている場面や、授業の様子、設備などを見せてもらった。

 

 

各階には浄水器があるし、生徒用のパソコンや電子黒板などもあった。

 

けっこう良い設備が整っている。

 

 

クラスルームと廊下。

 

 

 

 

あちこち見せてもらった後、学校のマネージャーから説明を受けた。

 

私は英語がさっぱりなのだが、スマホの翻訳を通してかなり詳しく説明してもらった。

 

 

その説明と、パンフレットなどで後から調べたことを合わせ、このSHANTI INDIA SCHOOL(シャンティ・インディア・スクール)という学校について少しだけ書いておく。

 

 

シャンティ・インディア・スクールについて

 

ここはドネーション(寄付)で成り立っている学校である。

 

 

私が泊まっているタラゲストハウスの収益も、学校の運営に使われているようである。

 

 

インドの農村部の子どもたちは、中々質の高い教育を受けることができない。

 

教育を受ける権利自体はあるが、設備や仕組みが追い付いていないのだろう。

 

 

教育格差は、生活の質の格差を生んでしまう。

 

より良い教育を提供し、格差を解消していくことが、学校設立の理由だそうだ。

 

 

ここでの教育は、インドのカリキュラムに沿ったものを提供することはもちろん、思いやりや倫理観を重視したものになっているのが特徴だ。

 

 

そういう背景があるからだろうか、この学校では、モンラム師というヨガの先生から認可を受けたヨガの授業を、学校の先生たちが受けていた。

 

実際に、先生方が授業を受けている場面を少し見せてもらった。

 

授業を受けた先生方が、それを生徒に落とし込んでいくのだろう。

 

 

通っている子どもたちの様子を見ると、年齢的には、日本でいう小学生から中学生ぐらいのような気がする。

 

授業の様子を見に来た私に、元気に挨拶してくれたし、出身地などを聞かれたのでそれに答えたりした。

 

 

シャンティ・インディア・スクールの公式サイトも存在しており、興味のある方はぜひそちらを見てみてほしい(サイトは英語だが、google翻訳で日本語にできる)。

 

屋上からの眺め

 

学校の屋上からブッダガヤを眺める。

 

 

 

どうも私はこういうものに弱い。

 

 

実際に、学校に通っている生徒たちの様子を見てしまうと、感情移入してしまい、何か手助けができないかと思ってしまう。

 

 

ここは仏教の始まりの地だ。

 

(仏教の始まりの地がどこかというのは、様々な意見があるだろうが、ひとまずそれは置いておく)

 

 

今までさんざんお世話になった仏教に対し、恩返しをするとしたら、例えばこういうところにお金を寄付するというのはどうだろうか。

 

 

今は無職なので無理だが、いずれ、もし万が一、私が将来金持ちになったとしたら、ドンと大金を寄付したいものだ。

 

 

 

 

この学校は、今では900人近い子どもたちの支援をしているそうだ。

 

 

人の持っている可能性やパワーというのはすごい。

 

 

公的機関ではなく個人が学校を立ち上げるというのは、どのくらい大変なことなのか想像もつかない。

 

寄付をしてもらうルートを作ることや、土地と建物と設備の手配、教師の確保、、、、、

 

経営が軌道に乗るまで(乗ってからも)大変な労力が必要だったはずだ。

 

ブッダガヤ最後の夜

 

学校の見学を終え、ゲストハウスのマネージャーから、ゲストハウスまで送ってもらった。

 

彼に世話になった礼を言い、明日パトナに向かうことや、ネパールとの国境を目指すことを話した。

 

 

部屋に戻って明日の出発の準備をする。

 

散らばっていた荷物も、片づけたらあっという間にザックに収まった。

 

 

前に買っていた大量のブドウも、ちょうど今日で食べ終わった。

 

種もなく皮ごと食べられるし、甘くて美味かった。

 

果物は間食に良い。

 

 

気付けば嗅覚も復活している。

 

コルカタで風邪を引いた後、全く匂いを感じなくなっていたのだ。

 

 

さて、明日は大移動だ。

 

ガヤからパトナに行き、パトナから国境のラクソウルを目指す。

 

 

 

パトナでラクソウル行きのバスを捕まえられるのか。

 

そもそも、ガヤからパトナ行きの列車にちゃんと乗れるのかなど、不安だらけだ。

 

 

まあ何とかなるだろう。

 

明後日の内に、ネパールの首都カトマンズにたどり着けると良いのだけれど。

 

 

もうこれでインドともお別れだ。

 

インドには二週間滞在したが、何だかあっという間だった。

 

 

事前に本で読んだりして、インドは混沌として危険な国だというイメージがあったのだけれど、全くそんなことはなかった。

 

 

基本的に人は優しいし、色々な場面で気にかけてもらった。

 

面倒な客引きは多かったが、何だかんだ彼らと関わるのも楽しかった。

 

 

ようやくインドに慣れてきたところなのに、このタイミングでインドを出てしまうのはもったいないという気もする。

 

ヴァラナシにも行ってみたかった。

 

 

その一方で、このぐらいのタイミングで出るのがちょうど良いかという気もしている。

 

 

ようやく楽しくなってきたというタイミングで出るのが、気持ちにあと腐れがなく、さっぱり出ていける気もするのだ。

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