ゲストハウスでの朝食
ブッダガヤ六日目の朝。
今日は、ガヤ駅からパトナに向かう列車のチケットを手に入れるという大仕事があった。
昨日、鉄道チケット売り場を覗いた時、地元の人たちがチケット売り場前に何人もおり、これは一筋縄ではいかないなと思っていた。
インドでは列に並ぶとき、少しでも前と距離が空くと横入りされてしまう。
図々しく行かないと、いつまで経ってもチケットが買えない。
聞いた限りでは、この辺りにはコルカタのような外国人専用のチケット窓口も無いようだった。
あのチケット売り場に行くしかない。
そんなわけで、チケットを買うため奮ってゲストハウスを飛び出した。
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のだが、ゲストハウスの入口でマネージャーから声をかけられた。
朝食を食べていくか、と。
ありがたくいただいて行くことに。
美味かった。
もしかすると、このゲストハウスは朝食付きだったのかもしれない。
私は英語がさっぱりなため、朝食について説明されていたけれど聞き逃していたのかもしれない。
さて、腹ごしらえを済ませてチケットオフィスへ。
ブッダガヤの鉄道チケットオフィスへ
いつもの裏道を通り、ツーリストオフィスの裏にある、鉄道チケットオフィスへ向かう。
裏道から見える、ベトナム寺の五重塔が好きだった。
入ってみたいのだが、いつも門が閉まっている。
別の入口があるのかもしれない。
ブッダガヤを出るまでには行ってみたいものだ。
チケットオフィスに向かう途中、Metta Buddharam Templeという場所に立ち寄った。
目立つ場所なので気になっていた。
入った時の様子は、また後のページに書こうと思う。
もう何度も行き来した、ブッダガヤのメインストリート。
ここを道なりに行くと、ブッダが悟りを開いた菩提樹のあるマハーボディ寺院に着く。
リキシャやバイクがひっきりなしに往来している。
しばらく歩き、鉄道チケットオフィスに着いた。
見知ったガイドたちと遭遇
チケットオフィスは、大通りから小道の方に入り込んだところにある。
入口の小さいゲートを通ると、こじんまりとしたカウンターがある。
今日は人がまばらだ。
カウンターの前に人がいなかったので、カウンターの前に行こうとすると、横から声をかけられる。
何と、偶然ガイドのAさんが居合わせていた。
それどころかガイドのCさんもいるではないか。
※AさんもCさんも以前会ったことがあり、二人とも、日本語がけっこう達者だった。
Aさんとは日本寺で知り合い、マハーボディ寺院を案内してもらっていた。
また、Cさんとは道ですれ違い、少し話をしていたのだった。
AさんとCさんは、互いに知り合いというわけではなさそうだった。
ここには偶然居合わせただけのようだ。
さあ困った。
今日こそ彼らから何かを買わされるに違いない。
パトナ行きのチケットを購入
そう身構えたのだが、結果的に、彼ら(特にAさん)とここで出会えたのは僥倖だった。
というのも、鉄道チケットのカウンターの人は、ヒンドゥー語しかできなかったのだ。
Aさんが、日本語で私に指示してくれる。
「ここにある紙を書きなさい」
「紙のここにゲストハウスの住所とサインを書いて」
「パスポートを出して」
「料金を出して」
「ここのカウンターはお釣りが無いよ」
それに従い、全く苦労せずにチケットを手に入れることができたのだった。
本当にありがたや。
仏様の導きに違いない。
ガイドの人たちと顔見知りになるのは、悪いことばかりではないのだなと思った。
Aさんには昨日、「スジャータ村や前正覚山にはもう行ってしまった」と嘘をついていたので、ちょっと後ろめたい気分になってきた。
発行されたチケットは大判で、電車番号や座席番号など、電車に乗るのに必要な情報が書かれている。
とりあえずこれで、最大の懸念事項が解決できた。
まだ、細かい点で気になっていることはいくつかあるのだが、本当に良かった。
Aさんにお礼を言いつつ、チケットカウンターの外に出る。
外にはCさんが待ち構えていて、話しかけてきた。
「〇〇さん(私の名前。彼は私の名前を間違えて覚えていた)」
「列車のチケット買えた?」
「良かった、心配してたんだよ」
これは心理的な距離を縮めようとする手口だ。
話半分に聞いておかないといけない。
「お土産屋を見て行ってよ」と言われるが、これから日本寺に用事があると嘘をつき、その場を離れた。
日本寺に行こうと思っていたのは本当なので、そのまま日本寺の方に足を向ける。
ガヤからパトナへ行くチケットについて
今回購入したチケットは、ガヤからパトナへ向かう鉄道のチケットだ。
これまでに何度か書いたが、元々ヴァラナシに向かうつもりだったのが、クンブ・メラという祭りがあり、ヴァラナシ方向の移動手段を確保できそうになかった。
それでヴァラナシ行きをあきらめ、旅行の行程を短縮してパトナに向かうことにしたのだった。
今回私が乗る電車はPALAMOU EXPRESS(パラムエクスプレス)といい、二日後の朝6:40にガヤ駅を出発する予定だ。
シートは3Aという、ちょっと良いクラスにした。
インドの電車に乗るのはまだ二回目なので、余裕を持って駅に着いていたい。
ここで悩むのは、ガヤ駅に前日に行っておくべきか、それとも当日の早朝に行くべきかということである。
前にコルカタで電車に乗った時、前日の昼にハウラー駅に着き、18時間ほどを駅の中で過ごしたのだった。
とても辛かったので、二度とあんな行程は勘弁だった。
ガヤ駅はハウラー駅より設備が良くなさそうなので、なおさらである。
できれば、電車に乗る当日の早朝に、ガヤ駅へ行きたい。
ただ、早朝にブッダガヤを出発してガヤに向かうとすると、怖いのが野犬だった。
野犬にかまれると狂犬病になる恐れがある。
ゲストハウス近くの通りは野犬がかなり多いのだが、そこを通って行かないと、リキシャを捕まえられそうな大通りに行けないのだ。
日の出ないうちは野犬が活発に動くので、早朝にあそこを通るのだけは御免こうむりたかった。
さて、どうしたものか。
早朝にガヤへ行きたいが、野犬が、、、
当日の朝に、ゲストハウスまでリキシャに迎えに来てもらうことはできないだろうか。
後でゲストハウスで聞いてみよう。