コルカタの鉄道チケット外国人専用窓口
サダルで熱を出してから三日が経った。
体調は万全とまではいかないが、すっかり熱は下がったようで、だいぶ楽になった。
今日はガヤまでの鉄道のチケットを手に入れるため、これから外国人専用窓口に向かう予定だ。
インドの鉄道は、基本的に事前予約制になっているようだ。
人気の路線だと、利用する人が多く、キャンセル待ちになることもある。
チケットはスマホでも予約できるらしいのだが、せっかくなので、外国人窓口まで予約しに行ってみることにした。
チケットを買うための外国人専用窓口は、駅ではなく、フェアリープレイスという場所にある。
フェアリープレイスの窓口は、ゲストハウスから見て北西にある。
ちなみに、ガヤへ行くための電車に乗るハウラー駅は、地図の左上(川の向こう)に位置している。
私が滞在しているサダルストリートから、フェアリープレイスの窓口までは、それほど遠くなく、歩いても行くことができそうだ。
だがせっかくなので、エスプラネードから窓口近くのマハカランというところまで、地下鉄に乗ってみようと思っている。
エスプラネードは交通の要衝で、地下鉄の駅もあるし、バスの発着場にもなっている。
飛行機でインドに着き、空港からバスに乗った時も、エスプラネードで降りたのだった。
さて、出発前にいつものブルースカイカフェに行き、朝食をとって飲み物を調達した。
インドでは、鉄道のチケットを取るのは大変だと聞く。
無事に鉄道のチケットが取れたら、マウンテンデューで祝杯を上げようと思う。
コルカタの地下鉄に乗る
まずはエスプラネード方面まで徒歩で行く。
サダルからだと、エスプラネードに行くには大通りを渡らなければいけない。
だが、大通りを渡る手前にも、地下鉄の入り口があるので、大通りを渡る必要はない。
階段を下りて、地下鉄駅の構内へ。
インドでは、駅などで写真を撮ってはいけないと聞いたことがある。
現地の人に迷惑をかけるようなことや、余計な緊張を生むようなことは控えるべきだと思っているので、基本的に、写真が禁止の場所では写真を撮らないことにしていた。
地下鉄に乗るのは簡単だった。
システムも日本と似ている。
窓口があるので、「マハカラン」と目的地を告げると、「ファイブルピー」と値段を言われた。
お金を払ってチケットを受け取る。
地下鉄のチケットはこんな感じだ。
QRコードや値段、目的地などが書かれている。
それにしても、5ルピーという値段は、今までに買ったりしたものと比べると、破格の安さに思える。
屋台でチャイを一杯飲む値段で、地下鉄に6回乗れるのだ。
そういえば、バンコクで乗った電車も5バーツ(二十数円)という安さだった。
チケットのQRを改札にかざすと、改札が開いた。
マハカラン方面の地下鉄はGreen Lineといい、だいたい15おきに発車しているようだ。
Green Lineは、川向こうのハウラー駅のあたりまで通じている。
ハウラー駅の奥にある、ハウラーマイダンというところが終点のようだ。
Green Lineの他にBlueLineというのもある。
BlueLineは、路線がエスプラネードから東西に延びている。
GreenLineとBlueLineは、構内でプラットフォームが分かれているし、案内通りに行けば分かるようになっている。
コルカタの移動手段として、(私のように)路線バスはちょっと敷居が高いという人でも、地下鉄は停まる駅が分かりやすいし、システムも簡単なのでお勧めだ。
地下鉄を利用できるようになると、コルカタでの移動が楽になると思う。
そんな簡単で便利な地下鉄なのだが、後で、勘違いから構内で右往左往してしまった。
事の顛末は今後のページに書くことにする。
さて、グリーンラインの地下鉄に乗車。
マハカランは、エスプラネードの一つ後の駅なので、電車に乗ってすぐに到着する。
マハカランからフェアリープレイスの外国人専用窓口へ
マハカランで降りると、辺りは工事の真っ最中のようだった。
歩いてフェアリープレイスへ向かう。
フェアリープレイスは、公的機関の施設が集まっている場所だそうだ。
そういう場所柄か、道に警備の人が立っている。
ここでも写真は撮らないでおいた。
公的な施設が多いはずなのだが、道端には、屋台もたくさん出ているのが面白い。
こういうのは許容されているのだ。
日本で言えば、新宿駅前の東京都庁の辺りが、屋台だらけになっているようなものだと思う。
私は東京に詳しくないので、的外れな例えかもしれないが。
屋台の美味しそうな果物を、物欲しそうに眺めながら、鉄道チケットの外国人窓口に向かって歩く。
鉄道チケットの売り場は、大通りに面しているのだが、半分シャッターが下りたようになっており、ちょっと分かりにくい。
建物の上の方に看板が出ている。
中は広くガランとしており、客は誰もいなかった。
奥のカウンターに、係りの人が一人座っている。
外国人専用窓口で鉄道チケット購入の旨を伝える
窓口の人のところまで行き、チケットを買いたい旨を伝える。
行先や日時を聞かれたので、あらかじめノートにメモしておいた、
・行先
・日時
・電車の番号と名前
・座席のランク
などを見せた。
行先はガヤ。
出発は今週末、4日後の予定にした。
行先などのメモを見せると、申し込み用紙を渡された。
用紙を書くのと、パスポートとビザのコピーを取ってくるように言われた。
パスポートのコピーを取りに行く
コピー屋の場所を教えてもらうが、流暢な英語なので、正直さっぱり分からなかった。
脳が、英語を聞き取ることをあきらめているような気がする。
英語が分からなくても、大体何とかなることが分かってきたので、最近、別に英語が分からなくても良いかと開き直るようになっていた。
とはいえ、コピー屋の場所の見当が付かないのは困った。
係りの人の英語の中で、「クロス」だけかろうじて聞き取れたので、十字路の角にあるのかと想像。
また、説明が短かったので、近くにあるのだろうと思い、外で適当に探してみることにした。
困ったら誰かに場所を聞いてみれば良い。
インドでは、コピーは「ゼロックス」と言うようだ。
通りに出て少し歩くが、やはりというかさっぱり分からない。
そこで気づいたのが、先ほどの「クロス」は、「クロス」ではなく「アクロス」ではないかということだった。
通りの向こう側にあるのかもしれない。
とりあえず通りの向こう側に渡り、窓口の入口から見て、右側の方向に向かって歩いてみる。
すると、小さな通りが交わっている角の所に、コピー機が置いてある店を見つけた。
良かった良かった。
客がいたので並んでいると、店の奥の人が手招きしてくれた。
店の人は慣れているらしく、パスポートを渡すと、こちらが何も言わなくても、顔写真のページとビザのページを、一枚の紙にまとめてプリントしてくれた。
一枚で4ルピーだそう。
硬貨を渡し、無事にコピーを手に入れて、オフィスに戻った。
インドルピー硬貨
鉄道チケットを手に入れる
オフィスで用紙を記入し、パスポートのコピーと一緒に窓口に持って行く。
用紙の下の方、四角で囲まれた欄の外のところに、サインなどが必要と言われ、そこも記入。
車内食はいるかと聞かれ、いると答える。
ノンベジを選択。
係りの人が情報をパソコンに打ち込み、無事手続きが終わった。
チケットを受け取る。
チケットは結構大きめの用紙で、厚みもある。
電車の情報や車両番号、シート番号など、電車に乗るのに必要な情報が記載されている。
何だか、チケットを手に入れたのがとても嬉しい。
(大した移動ではないのだけれど)ゲストハウスから地下鉄でここまで来たり、窓口の人とやり取りをしたり、コピー機の場所を探したりと、初めての経験ばかりだった。
何かを達成しながら欲しい物を手に入れていくというのも、海外旅行の面白さなのかもしれない。
インドの人のホスピタリティー
最後に窓口の人が、日本語で「さようなら」と言ってくれた。
これこそがホスピタリティーだと思った。
たったこれだけのことが、どれだけ嬉しいか。
「たったこれだけのこと」と書いたが、窓口の人は、私が日本人だというのを見て、わざわざ日本語の挨拶を調べてくれたのだろう。
(これらは憶測だけれども)
チケットを手に入れようとして、右往左往している日本人のために、気を遣ってくれたのかもしれない。
インドでは、こういうことをサラッとやってくれる人が、けっこういた。
そういえば、バンコクでもこういう人がいたが、当時はその有難さに十分に気付けなかった気がする。
こういう気遣いをされたとき、有難いと思うと同時に、気遣われないように、つまり頼りがいのある態度・姿勢になりたいとも思うのだった。
補足:ガヤ行きの予定について
ページの最後に補足として、ガヤに行く日の予定を書いておこうと思う。
私の次の目的地、ガヤに行く列車は、コルカタから一日に何本か出ている。
ガヤまでは結構距離があるので、一番早い列車でも、片道5時間45分ほどかかる。
今回チケットを取った列車は、その一番早い列車、コルカタのハウラー駅から出る、バンデ バーラト エクスプレスだ。
この列車は週に6回、毎週木曜日以外に運行している。
運行時間は、私が乗った2025年の1月だと、ハウラー駅を6:45に出発し、ガヤ駅には12:30に到着予定となっている。
他にも列車がある中で、私がヴァンデバーラトエクスプレスを選んだのは、ガヤへの到着時刻がちょうど良いからだった。
ガヤに12:30ごろに着き、リキシャーでガヤからブッダガヤへ行くと、おそらく13:00過ぎになるだろう。
この時間なら、向こうでゲストハウスを探すのに調度良い。
列車を調べた限りでは、他に、
・夜にコルカタを出て、早朝にガヤに着くもの
・昼~夕方にコルカタを出て、夜にガヤに着くもの
などしかない。
早朝にガヤへ着いても、ゲストハウスを探すには時間が早すぎる。
かといって、夜にガヤへ着いたとして、暗いときに知らない場所を歩くのは避けたいし、現地の駅で一夜を明かすのも嫌だ。
そういうわけで、昼過ぎにガヤへ着く列車を選んだ。
列車に乗る当日の予定についてだが、インドの駅には、リタイアリングルームやウェイティングルームという設備が併設されていることがある。
リタイアリングルームは、ドミトリーや個室のある、ホテルのような設備である。
ウェイティングルームは、椅子がたくさん置いてある、大きめの待合室のような場所だ。
どちらも、列車を待つ人のための設備だというのは変わらないが、
・リタイアリングルームは長時間待つ人のための物
・ウェイティングルームは、比較的短い時間を待つ人のための物
という感じだ。
私の乗る列車は6:45出発なので、
・前日に駅へ行き、リタイアリングルームなどで時間をつぶす
・当日の早朝に駅へ行く
という方法が考えられる。
とりあえず今回は、前日に駅に行こうと思っている。
私は心配性なので、できるだけ早く駅に着いていた方が良い。
早めに駅に行き、どこに何があるかを調べておきたい。
それに、当日の早朝に行く場合、コルカタの日の出は6:00ぐらいなので、まだ暗いうちにタクシーを拾わなくてはいけない。
暗い中歩きたくないし、何より早朝は、野犬が活発にウロウロしている。
やっぱり前日に行くことにしよう。
ハウラー駅も大きな駅のはずなので、リタイアリングルームがあるはずだ。
前日に駅に行き、リタイアリングルームで時間を潰そう。
ただ、ネットで調べても、いまいちリタイアリングルームなどの情報が出てこない。
ネットで予約もできるようなのだが、よく分からなかった。
当日、ぶっつけで行ってみて、リタイアリングルームを探してみよう。