【コルカタの空港のバス乗り場で疑心暗鬼に・エスプラネード行きのバスに乗る】インドとネパールでの一ヶ月:その6

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一ヶ月かけてインドとネパールを旅してきた時の記録です。

 

このページでは、Kolkata(コルカタ)のネータージー・スバース・チャンドラ・ボース国際空港にあるバス亭でのやりとりや、Esplanade(エスプラネード)行きのバスに乗ったときのことについて書いています。

 

空港を出てバス乗り場へ

コルカタの国際空港で一夜を明かした。

 

バスの始発より少し早い時間だが、待つのは飽きたので、バス乗り場まで行ってみよう。

 

空港内の窓から外を見ると、遠景に霧がかかっている。

 

空港の出口には軍服を着た人が見張りをしている。

空港を出るのは自由だが、入るときは航空券を所持しているかチェックされるらしい。

 

空港から出てみると、涼しいというより寒いぐらいだ。

インドは暑いイメージだったのだが、冬はしっかり寒い。

 

空港を出て、右に向かって進む。

そちらの方にバス乗り場があるはずだ。

 

バス停の近くに行くと、ほっかむりの男たちが「ハロー!ハロー!」と言いながら客の呼び込みをしている。

 

バス乗り場にはいくつかベンチがあり、そこでバスを待つことに。

シートの無いベンチもちらほら。

 

前方の景色。

空港近くがすでに、なんというかインドらしい風景だ。

 

遠景に大きな建物。

遠くに家族連れがおり、そのそばに野犬が寝ている。

 

道路を歩いている人は、車が来てもお構いなしに歩き続ける。

クラクションを鳴らされてもどこ吹く風。

 

これからエスプラネードというところに行く予定なのだが、スマホで調べたところ、「VS1」という名前のバスがエスプラネードまで行くはずだ。

他の行先のバスも、大体エスプラネードの近くを通るようではある。

 

とりあえずVS1のバスを待ってみよう。

 




エスプラネードについて

 

エスプラネードというのは、バスステーションのようなところらしい。

 

空港からそこそこ離れた場所にあるが、コルカタ各地へのアクセスが良く、私の目的地のサダルストリートにも近い。

 

とりあえずここに行ってみて、歩いてサダルストリートを目指してみようと思う。

前のページにも書いたが、サダルストリートは有名な安宿街である。

 




バス停で客引きされる

バス停のベンチに座って待っていると、ほっかむりをした男が話しかけてくる。

 

ポケットからバイクのカギを見せつつ、俺がバイクで送ってやるというようなことを言ってきた。

バスよりバイクタクシーの方が良いという。

 

どこへ行きたいのか聞かれ、「エスプラネード」と答える。

すると男は、「エスプラネードはバッドビューだ」と言う。

 

それでも良いと言うと、「エスプラネード行きのバスは来ない」と言ってくる。

これは嘘だろう。

エスプラネード行きのVS1が8:00に来ると言うのを調べていたので、腕時計を指しながら「エイトオクロック」と言い、前を向くと、男は向こうへ行った。

 

インド関係の旅行書やブログを読み漁っていたので、私の警戒心はかなり強くなっていた。

向こうから話しかけてくる人間は、全員詐欺師だと思って対応することにしていた。

 

そのまま待っていると、もうひとり赤い服を着たほっかむりの男が来て、エスプラネード行きのバスは来ないと言ってくる。

それも同じようにあしらった。

 




バスは来るのか来ないのか

 

しばらくすると二台のバスがやってきた。

先頭のバス内には、なんとバイクが載せてあった。

 

先頭のバスから降りてきた二人が、バスに乗れと私に話しかけてくる。

私が「VS1」というと、そのバスは来ないと言ってくる。

 

その二人もあしらったが、こうまでみんなが同じことを言ってくるので、本当にVS1のバスは来ないのかと思い始めた。

 

それに、今の二人はバスの乗務員のようだ。はたして乗務員が騙してくるだろうか。

バイクのカギを見せてきた男はともかく、乗務員がバスが来ないと嘘をつくことに何の意味があるだろうか。

 

そんなことを考えていると、私の近くに座っていたバスの乗客らしきおじさんが、バスの関係者らしき人と話した後、私の元にやって来た。

 

その人によれば、「やっぱりVS1のバスは来ないか遅れる」ということらしい。

「ここで待っていても、VS1に乗れるかは分からない」

「どのバスも大体エスプラネード近くを通るので、どれかのバスに乗った方が良い」と。

 

私は英語が苦手だが、単語を拾いつつ、だいたいそんな意味を読み取れた。

 

わざわざ私のために聞きに行ってくれた、その人の好意に感謝しつつ、やっぱりまだ疑念を捨てきれないでいた。

前に読んだブログか何かで、何人かのインド人がグルになって騙してくるという手口を見ていたのだ。

 

私はその人に対して感謝の意を表しつつ、とりあえず待ってみると伝えた。

男は頷き、先頭のバスに乗って行った。

 

※この文章を書いているのは帰国してからだが、今になってみれば、VS1のバスが来ないというのは正しかったように思う。

これからインドで色々な経験をする中で、信じられる人と信じてはいけない人の区別が付くようになっていく。

 




困った時の対処法

インドに行く前から、こういう場合のような、判断に困った時の対処法は考えていた。

 

こういうときは旅人の特権、すなわち、いくらでもある時間を有効活用することにしていた。

 

何かあった時はすぐに選択肢に飛びつかず、一旦時間を置いてみる。

とりあえず待ってみて、冷静に状況判断ができるようになってから、取れる選択肢の中で良さそうな手段を取ることにしていた。

 




バスに乗ってエスプラネードへ

 

さて、今回の場合、取れる選択肢はいくらでもあるが、現実的なのは、

1.もう一台残っているバスに乗る

2.来るか来ないか分からないVS1を待つ

3.タクシーを拾っていく

4.歩いて行く

のどれかだろう。

 

選択肢を色々と考えてみたのだが、考える前から、自分の中ではすでに結論が固まりかけていた。

 

もう一台残っているバスの運転手が、「渋くてカッコ良いマフラーのおっちゃん」だったのだ(マフラーがカッコ良いのか、おっちゃんがカッコ良いのか、どっちでしょう?)。

 

私にはそっち系の趣味は無いのだが、その運転手を見た時に、ドキッこのバスに乗って行こうかしらと思っていた。

 

バスの前面にある表記を見に行くと、やはりVS1ではない。

だが、このバスもエスプラネードの近くを通るはずである。

 

運転手に声をかけられたので、バスを指さしながら、「ニアバイ エスプラネード?」とエスプラネードを強調しながら聞くと、運転手が「ダムルシ」と言ってくる。

たぶんそこがエスプラネードの近くの地名なのだろう。

 

運転手に促されつつ、一も二もなくバスに乗り込んだ。

 




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