猿払からオホーツクラインを南下【ブラックライトアート・北見神威岬公園・ウスタイベ千畳岩】

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ネットが不通に

オホーツク海の朝。

 

暴風が吹いている。雨も少々。

 

昨夜スマホをいじっているとき、「データ使用量が規定値を超えた」とメッセージが出て、ネットにつながらなくなってしまった。

契約していた2GBを使い果たしてしまったのだ。

 

スマホを使い始めてからというもの、ずっと2GBの契約にしていたのだが、月に2GBも使ったことは一度もなかった。

 

普段ネットはパソコンで見るし、悲しいことに、誰かと連絡を取ることもほとんど無い。

 

それが北海道に来てからというもの、情報収集や時間潰しについスマホをいじってしまい、知らず知らずのうちに2GBを使ってしまっていたらしい。

普段スマホを使わないからこそ、はまってしまった落とし穴だった。

 

ネットが無いとこの先大変だ。

どうしよう。

 

freeのwifiを探してしのぐしかない。

 



地下道のブラックライトアート

風雨が少し弱まった。

 

道の駅から道路を挟んで反対側にある、インディギルカ号遭難者慰霊碑を見に行く。

あの地下道を通ってみよう。

 

地下道に向かって歩く。

 

 

白い小山が見える。

あれはホタテの殻だ。

 

猿払はホタテの名産地というだけある。

すごい量だ。

 

 

 

ただの地下道かと思っていたら、ブラックライトアートが。

 

すごく綺麗。

海から陸の景色への移り変わりが、幻想的だ。

 

 

 

インディギルカ号慰霊碑へ

 

地下道をくぐり、まずは左手へ。

 

慰霊碑まで来た。

 

 

説明書きを読んでいると、いたたまれない気持ちになってくる。

 

昭和14年(1939年)の12月、ソ連船インディギルカ号が暴風雪にあい、岩にぶつかって座礁してしまったそうだ。

この海難事故で、700名もの犠牲者が出た。

 

700名といえばかなりの大事故だ。

だが、数字になってしまうとあまり実感が湧かない。

 

亡くなった方々の冥福を祈った。

 

海の方に行ってみると、岩の上に鳥がたたずんでいた。

 

と思っていたのだが、北海道から帰って拡大してみると、アザラシだった。

 

北海道で野生のアザラシに会いたかったのだが、一度も会えなかったと思っていた。

ここで会っていたとは思わなかった。

 

いさりの碑

 

次にいさりの碑へ向かう。

 

 

これはホタテの化石群だそう。

重量40トン。

 

いさりの碑だ。

説明書きには、猿払の漁業の移り変わりと、資源の大切さについて書かれている。

 

先ほどのインディギルカ号遭難碑もそうだったが、碑文は心を打つ名文が多い。

誰が文を考えるのだろう。

 

 

これからの行く先に目を向ける。

とても雄大な眺めだ。

 

海には薄く靄がかかっている。

 

 

岩の上に鵜がたたずんでいた。

 

地平線が光っている。

 

北見神威岬公園へ

 

今日はこれから猿払を出て、ひたすら南下する予定だ。

 

目的地は網走。

 

ここから網走まで250kmもあるらしい。

 

250kmは、直接網走に向かった場合の距離だが、途中おんねゆを経由する予定なので、今日中に網走まで行くのは無理かもしれない。

 

力尽きるまで走ることにしよう。

 

せっかくのオホーツク海なので、景色を楽しみながら行こう。

 

猿払からしばらく車を走らせると、駐車場を見つけた。

少し散策していこう。

 

北見神威岬公園だそう。

 

積丹にも神威岬があった。

 

ここの北見神威岬と積丹の神威岬、どちらもアイヌ語のカムイが語源なのだろう。

 

 

看板によれば、この神威岬は「ピリカノカ」とも呼ばれているそう。

ゴールデンカムイではピリカメノコ(美しい娘)という言葉が出てきた。

ピリカというのは美しいという意味で、ピリカノカは美しい形という意味だそう。

 

海は透き通って綺麗だ。

 

 

ウスタイベ千畳岩へ

北見神威岬公園を出て、さらに南へ。

 

国道から、途中で海の方に進路を取ると、ウスタイベ千畳岩に出た。

 

 

 

 

看板によれば、「ウスタイベ」とは「入り江の林の川」を意味するそうだ。

ここの千畳岩は、柱状節理の一種だそう。

 

柱状節理というのは、Wikipediaによれば、

規則性のある割れ目を持つ地質構造

だそうだ。

 

柱状節理といえば、白ひげの滝の上部や、粟島で見た立島も柱状節理のような構造が見られた。

 

 

何日か前に行こうと思っていた層雲峡も、柱状節理が見られるらしい。

 

層雲峡も行った方が良かったか。

まあ仕方ない。

 

ウスタイベ千畳岩まで降りてみる。

 

 

 

 

 

 

 

 

雨が降ってきた。

車に戻ろう。

 

 

道の駅 おうむへ

ウスタイベ千畳岩を出て、国道を南へ。

走って走って走り続ける。

 

南に向かううち、段々と天気が良くなってきた。

駐車場を見つけて写真を撮る。

 

 

 

 

まだ朝早いので、店などは閉まっている。

途中の道の駅は全てすっ飛ばし、一路、紋別へ向かうことに。

 

したかったのだが、猛烈にトイレに行きたくなってきた。

道の駅おうむに立ち寄る。

 

「おうむ」は鳥のおうむではなく、地名なのだろうけれど、たぶんアイヌ語が起源ではないか。

北海道の地名はアイヌ語が起源の物が多い。

 

展望台がある。

きっと見晴らしが良いのだろう。

行ってみたかったが、まだ開館には早い。

 

 

 

道の駅 おこっぺ

さらに南下する。

 

やっぱり道の駅には毎回寄ることにしよう。

また運転中にトイレに行きたくなるかもしれない。

 

次の道の駅、おこっぺに到着。

 

これを見ると、良寛禅師の戒語を思い出す。

 

良寛戒語は、森信三先生の修身教授録で見たのが初めてだった。

 

「物知り顔に言う」とか、「ことばとがめ」とか、言葉を発するときにしてはいけない戒めが、全部で90ヶ条も書いてある。

 

良寛様といえば、子どもと毬で遊んでいる姿が親しいが、これだけのことを念頭に置きながら修行なさっていたのだ。

 

電車がある。

 

 

看板を見ると、電車内をホステルとして利用できるようだ。

 

 

 

さて、紋別へ向かおう。

 

一路紋別へ

ここのオホーツク海沿岸はドライブにとても良い。

 

車通りは少ないし、道が広く、信号機もない。

道中に道の駅や駐車場が点在している。

 

海は広大で、陸の方に目をやれば、なだらかな丘陵地帯も広がっている。

景色に見とれながら走っていると、目的地まであっという間に着いてしまう。

 

また駐車場を見つけた。

海の写真を撮る。

 

 

 

カレイでも釣れそうだ。

 

 

道路のカラス

車を走らせていると、道路の真ん中にカラスが寝ているのを見つけた。

 

どうしたのだろうと思い、少し先の駐車スペースに車を停め、歩いてカラスに近付く。

 

カラスは生きていたが飛べないようだ。

車にでもぶつかったか。

羽で地面をかき、何とか私から遠ざかろうとする。

 

地面のカラスに近付こうとすると、上の電線に止まっていたカラスたちが、威嚇するように鳴き始めた。

助けてやろうとしているのだから襲い掛かって来るな、と上のカラスたちに念じながら、地面のカラスに近付くと、観念したように逃げるのをやめた。

 

持ってきていたビニール袋を手にはめ、カラスを持ち上げる。

そのまま道路わきの草むらに横たえてやった。

 

長く生きられないかもしれないが、道路に寝ているよりは良いだろう。

 

電柱のカラスたちは散り散りになっていた。

 

 

カラスは見ている。

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