内浦を出て釜谷に向かう
さて、あまどころアイスを食べ終え、いよいよ釜谷に向かう。
ここからが大変だ。
釜谷へは、島の中心を通る、県道321号を歩いて向かうことにしていた。
2019年に来たときは、島のコミュニティーバスで釜谷まで行った。
そのときも県道321号を通ったのだが、起伏が激しく、この道を歩いて行くのは骨が折れそうだと思ったという記憶があった。
今回は、日ごろの運動不足解消のため、コミュニティーバスを使わず、歩いて行ってみようと思っていた。
何せ、一年前に仕事を辞めてからというもの、ほとんど運動していなかった。
北海道を一周したり、バンコクを歩いたり、インドやネパールに行ったりしたものの、一年の大部分は椅子に座って過ごしていた気がする、、、
テントと5日分の食料をザックに入れて背負っており、荷物もかなり重いのだが、まあ何とかなるだろう。
観光案内所の裏を通り、小中学校の方へ向かう。
ここを、海沿いに左へ行くと、内浦キャンプ場などがある。
右が釜谷方面だ。
先程の分岐を右へ進むと、島唯一の小中学校がある。
学校の前には、これまた島唯一の、信号機がある。
この信号機は、島民の子どもたちが本土に行った時、信号機を知らないと困るので、付けられたらしい。
学校を通り過ぎると、道は次第に勾配を増していく...
内浦から釜谷へ歩く
最初からけっこう勾配がきついぞ...
運動不足の体には堪える。
ずっと上り坂だ。
荷物が重いこともあり、かなりキツイ。
車の退避所があったので、しばらく休憩。
待避所のすぐ先も坂になっている。
辛い...
水分を取りつつ出発し、坂を上っていく。
待避所の後の坂を越えたところに、「灯台入口」の看板を発見。
ここから先はずっと下り坂になっていた。
良かった。
下り坂はとても楽だ。
海が見えてきた。
眼下に見える道は、島の北側へと続く道だろう。
2023年に訪れた時は、釜谷キャンプ場で一泊した後、あの道をずっと進み、島を一周したのだった。
分岐に出た。
ここを真っすぐ行くと、釜谷キャンプ場や集落がある。
右に行けば、先ほど見た、島の北側へと続く道だ。
前方に何やら見えてきた。
釜谷の集落だ。
見覚えのある大岩も。
釜谷の集落へ続く道を、途中、右に折れる。
坂道を下ると釜谷キャンプ場だ。
懐かしい景色が見えてきた。
釜谷キャンプ場でテントを張る
海岸には海鳥たちが群れている。
平日だからか人っ子一人いない。
貸し切りのようだ。
ようやく釜谷キャンプ場に着いた。
重い荷物を背負って坂道を歩いてきたので、もうすでにヘトヘトだが、やるべきことは山積みである。
まずはテントを張りにかかろう。
テントは重さを考え、ポール(支柱)の無いタイプを持って来ていた。
中心に木の枝でつっかえ棒をする。
丁度良い長さの棒が無かったので、針金を巻いて長さを調整。
ロープを石に結びつける。
テントの入口の幕は、ロープに木の枝を付けておく。
こうすると、木の枝に石を載せるだけで、入り口の幕を固定できる。
入口を開けるときは、石を動かすだけでよいので、開閉が楽になる。
テントを張っている最中の図。
大体の形を決め、ロープの張りや、中の棒の長さを調節していく。
テントの生地が痛まないようにするため、下にブルーシートを入れてある。
この後、ブルーシートはテントの下に入れ、裾からはみ出ないようにしておいた。
そうしないと、雨が降った時にブルーシートに雨水が溜まってしまう。
後で失敗したと思ったのは、地面をよく整地せずにテントを建ててしまったことだ。
下が石だらけなので、寝る時に体が痛かった。
さらに、地面が斜めなのも良くない。
毎回、面倒くさがってテキトウに建ててしまうのだが、寝る時に後悔することになるのがお決まりのパターンだった。
学習しない。
奥の方に砂利の場所があったので、そこに建てた方が良かったかもしれない。
だが、水場やトイレまでの距離が遠くなるので、やっぱり今の場所の方が良いか。
洗濯を済ませる
テントを張り終え、次は洗濯だ。
内浦からここまで歩いて来て、けっこう汗をかいてしまった。
水場に行ってみると、飲み水ではないので、飲まないようにと張り紙がされていた。
前回来たときは、このような張り紙は無かった気がする。
沢の水を引いているのかもしれない。
どちらにせよ、水が無いのでこの水を飲まなくてはならない。
沸かしておけば大丈夫だろうか。
とりあえず洗濯だ。
観光案内所で、ゴミ袋を二枚もらっていた。
そのうちの一枚を使って洗濯をする。
海外に行った時に学んだ洗濯方法だ。
袋の中に洗濯物を入れ、水を入れる。
よく揉み洗いし、何度か水を変えながら濯いでいく。
洗ったら、洗濯物をよく絞り、木の枝で作った簡易干し場に干しておく。
棒の間には細いビニール紐を渡してある。
ビニール紐は色々なことに使えて便利だ。
海外に行ったときも大活躍だった。
一日目の夕食を準備する
とりあえずやるべきことは終わった。
テントでゆっくりする。
一息ついて、夕飯の準備にかかることに。
12:00に内浦へ到着して、ここに来るまでに、何だかんだ時間がかかっている。
暗くなる前に食事を終えないと。
毎食のメインは尾西のアルファ米だ。
そこに味噌汁を足すことに。
画像の右上は、アオサを乾燥させたもの。右下は昆布ダシ。左下は味噌である。
今回はお釈迦様の成道にあやかり、私も、道の一端でも得られないかと思って粟島に来ていたのだった。
せっかくなので、食事も生臭ものを使わないで作ろうと思っていた。
加えて、質素な食事を心がけることにする。
尾西のアルファ米は、ピラフやキノコご飯、ドライカレーなど、バリエーションが豊富である。

御神楽岳・室谷コース
だが、今回は白米やお粥、・赤飯など、あまり味のしない物を選んで持ってきていた。
初めての味噌汁作り
さて、湯を沸かして食事を作ろう。
実は私は、これまで生きてきて、満足に味噌汁を作ったことがなかった。
せっかくなので、この機会に作れるようになっておこうと思い、粟島では毎食味噌汁を作ることにしていた。
みそ汁の材料として、先程の昆布ダシと味噌、そして乾燥した具材をいくらか持って来ている。
具材は何年か前に買ったものばかりで、賞味期限の切れたものが多い。
そのような具材を供養するつもりで、かき集めて持って来ていた。
さて、みそ汁だが、要はダシの旨味に、味噌のしょっぱさを合わせれば良いわけだ。
インドでたくさんカレーを食べ、実際に自分でも作ってみて、何となく料理の要領が分かってきていた。
沸かした湯を、一部アルファ米のパッケージに注ぐ。
残った湯に乾燥材料を入れ、材料が柔らかくなるまで煮た後、適量の昆布ダシと味噌を加える。
昆布ダシは、とりあえず大さじ1程度、味噌も大さじ1(山盛り)を入れてみる。
味が足りなければ、味を見ながら調味料を足していけば良い。
できた。
結構美味い。
初めてなのによくできた気がする。
食べている途中、白米が味気なかったので、みそ汁に入れて猫まんまにして食べてしまった。
一日目の終わり
食事を終え、食器を洗って歯を磨く。
これから雨が降るらしいので、洗濯物を取り込んでおこう。
まだ乾ききっていないので、テントの中の前室に広げておく。
もう辺りは薄暗くなっている。
自然のリズムに任せ、暗くなったら寝ることにしていた。
灯りはヘッドライトしか持って来ていないし、特にすることもない。
しばらく座禅をした後、寝袋に入った。