さだまさしさんの防人の詩を聞きながら日本海沿いを北上【笹川流れ・象潟ねむの丘】

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哀愁を感じに秋の東北へ

7月にバンコクへ行ってから、2か月と少し経った。

 

仕事を辞めたので何もすることがなく、かといって、8月はあまりの暑さに外へ出る気にならなかった。

 

9月の後半になり、やっと暑さも和らぎ始めた。

そろそろまたどこかへ出かけたいものだ。

 

そう思っていた矢先に風邪をひいてしまった。

39℃の熱が出て、熱が引くのに一週間かかった。

その後もだるさは続き、今度は咳が止まらない。

 

仕事をしていたころは、熱が出ようと具合が悪かろうと仕事に出ていたものだった。

今は少し具合が悪いだけで何もする気が起きなくなる。

 

もう一週間様子をみたところ、やっと症状が良くなってきた。

 

二週間ずっと寝ていたので、栄養と体力を付けに久しぶりの旅行に出ることにした。

行先を色々と考えたのだが、温泉と食べ物を目的にして、東北の日本海側を巡ってみることにしよう。

 

折よく、数日後から気温が下がるらしく、観光もしやすくなるだろう。

 



旅の予定

 

旅の行先は東北だが、下のようなルートで回ろうと思う。

 

新潟を出発し、日本海沿岸を北上。

そして青森市へ。

 

青森市からは脊梁山脈に沿って南へ。

山形の辺りから西へ向かい、新潟へ戻るという寸法だ。

 

期間は決めていないが、おおよそ一週間で帰って来ようと思う。

 

旅の目的は、先に書いたように食べ物と温泉。

道の駅や観光地を回りながら、食べたいものを食べ、有名どころの温泉を巡るつもりである。

帰りに飯豊の辺りで、秋の果物をたくさん買って帰りたい。

 

それにしても、6月に北海道を一周したのだが、また北へ向かうことになるとは。

 

旅に出ようと思うと、何となく北へ向かいたくなってしまう。

北の方が涼しく過ごしやすいという実利的な面もあるのだが、心情的な理由も強い。

 

寒さや雪の多さのせいだろうか、何となく、東北は暗く物悲しいイメージがある。

その雰囲気が何よりも好きなのだ。

 

笹川流れの桑川へ

日曜の昼下がり、新潟を出発して北を目指す。

 

時間に制限はないので、ゆっくり北を目指し、行けるところまで行って泊まる予定だ。

 

新潟を出発して村上市を過ぎる。

 

村上から北の海岸は、「笹川流れ」と呼ばれる風光明媚な場所だ。

大小さまざまな奇岩が林立し、目を楽しませてくれる。

 

途中、海岸に降りて少し散策する。

 

沖に粟島が見える。

 

気温は夏のようだが、吹いている風は秋のものだ。

 

 

 

そういえば、ここに来るまでにエギングの人をあまり見かけなかった。

今はアオリイカが釣れる時期のはずだが。

今年は釣れていないのだろうか。

 

笹川流れを進み、桑川にある「道の駅 笹川流れ」に着いた。

ここには笹川流れの塩などが売っている。

 

日本海ソフトを購入。

さらに北へ向かおう。

 

蓬莱山という大岩が姿を見せる。

 

 

背後の山々は、まだ色づいていない。

 

今回の旅では、どこかで紅葉も見たいと思っている。

青森の辺りまで行けば、紅葉が見ごろな場所があるのではないか。

 

さらに北へ進もう。

 

さだまさしさんの防人の詩

ところで、今回の旅では運転が長くなるので、CDをいくつか持ってきていた。

 

今かけているのは、さだまさしさんの防人の詩。

この曲との出会いは強烈だった。

 

乃木大将に興味を持って調べていたとき、二百三高地を主題にした映画があるのを知り、三船敏郎が出演しているのもあって見てみたのだ。

 

余談だが、私は黒澤明監督の椿三十郎という映画が好きで、何度も見返している。

椿三十郎で主演を務めているのが三船敏郎である。

 

話を元に戻すが、映画の二百三高地を見ていた時、不意に流れた曲が防人の詩だった。

曲が流れだした瞬間、これは、と思い、全神経を曲に集中させた。

 

曲の中では物悲しいメロディーとともに、「海は死にますか」「山は死にますか」と問いかけが来る。

全編通して暗く、その暗さがたまらない。

聞いていると、何故かモーツアルトのレクイエム、ラクリモーサが連想される。

同じ死を扱う曲として、共通点があるのかもしれない。

 

防人の詩の歌詞は、万葉集から採られているというのも素晴らしい。

映画の中で聞いてから、すぐにCDを買いに行き、それ以来何度も繰り返し聞いていた。

 

まだ残暑が厳しい中に、ふと秋の気配を感じる。

この曲は今の季節にピッタリだ。

運転中の車の中で、「苦しみ」「悲しみ」「死にますか」という言葉が流れ続けている・・・

 

鳥海山の威容

新潟から海沿いに東北へ向けて出発した。

 

今は新潟の県北を走っている。

 

今日の目的地は、秋田県の象潟にある、道の駅 象潟ねむの丘だ。

 

道の駅 ねむの丘は、敷地が広く様々な設備がある。

浴場やレストランもあり、東北へ向かう前哨基地としてぴったりだ。

 

さて、運転を続けて山形県に入った。

 

ここからがまだ長い。

象潟までノンストップで走り続けた。

 

鶴岡、酒田を過ぎ、ひたすら北へ。

 

途中、右手に大きな山が現れた。

あれは鳥海山だろう。

 

鳥海山は古くから信仰の対象とされてきた山であり、頂上には神社がある。

鳥海山がそのような特別な扱いを受けてきた理由は、鳥海山を麓から見れば一目瞭然だ。

 

圧倒的な存在感。

 

山が信仰の対象とされる理由には、山が与える自然の恵みや、火山活動などによって地域に影響を及ぼしてきたからというのもあるのだろう。

だが、一番の理由はその威容にあると思う。

海のそばにドンとそびえる独立峰の姿には、自然と敬意を感じてしまう。

 

今回、鳥海山に登ってみたいと思っていたのだが、風邪が治りかけでまだ体力が戻っていない。

いずれまた来ることにしよう。

 

道の駅 象潟ねむの丘の周辺を散策

 

走り続け、やっと道の駅 象潟ねむの丘に到着。

 

ここは色々な施設が入っている。

周辺には散策路もあるので、まずは歩き回ってみよう。

 

道の駅の裏手は海になっている。

 

 

もうすぐ夕暮れ時。

散歩にはこの時間帯が一番だ。

 

 

 

海岸沿いを歩いてゆく。

 

 

海岸沿いの階段に座り、しばらく海を眺める。

 

 

寒くなってきた。

展望温泉に行こう。

 

展望温泉「眺海の湯」と「レストラン眺海」での夕食

館内のエレベーターで4階へ。

 

エレベーターを出ると正面に靴入れと券売機がある。

券売機を見ると、一回券と一日券があったので、一日券の方を購入。

夕食の後、また入りに来ることにしよう。

 

ここは脱衣所も浴槽も広々としている。

 

温泉は、黄色く透明でしょっぱい。

温泉に出たり入ったりを繰り返しながら、明日に向けて鋭気を蓄えた。

 

さて次はレストランへ。

レストランは道の駅の二階にある。

 

席に着いて釜揚げのしらす丼を注文。

 

しらす丼は普段あまり食べたことがなかったが、薬味も効いてとても美味い。

 

夕食を食べ終え、一旦車に戻る。

 

再度展望浴場へ行ったりしながら、一日が終わった。

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