【野付半島のナラワラ見物とネイチャーセンターを訪問】車で北海道一周の旅・その57

2024年9月10日

車で北海道をほぼ一周したときの記録です。

このページでは、野付半島のナラワラと、ネイチャーセンターを訪れた時のことについて書いています。

 

野付半島へ

 

羅臼の郷土資料館を出て、海岸沿いの国道244号を南へ。

次の目的地は、北海道で一番気になっていた場所だ。

 

標津町を通り過ぎ、国道を左折して道道950に入る。

 

野付半島に到着した。

 

ここ野付半島は、形が非常に特徴的だ。

渦を巻いたような形をしている。

 

ゼルダの伝説ブレスオブザワイルドで、全体マップの右上あたりに、渦巻き状の半島があった。

現実の世界に、フィクションのような形の場所があるというのが興味深く、気になっていたのだ。

今回の北海道一周の中で絶対に訪れようと思っていた。

 

どのような場所か楽しみにしていたので、興味津々で車を走らせる。

ここの道路は、南北の両側を海に挟まれている、珍しい道だ。

 

こちらは北の方、外海側だ。

 

 

こちらは南の湾側。

渦を巻いている方だ。

 

水面が緑色になっているのは、水深が浅く、底から生えている海藻が見えているからだろう。

 

 

半島の先の方向。

 

建物も見える。

 

先へ進もう。

 

野付半島のナラワラ

野付半島に入ってからしばらく車を走らせ、ナラワラが見える駐車場に到着した。

 

 

野付半島は開けており、とても風が強い。

 

 

ナラワラというのは、立ち枯れしたミズナラの木のことだ。

 

 

駐車場からナラワラまでは結構遠い。

300mmレンズを持ってきていて良かった。

 

 

ここ野付半島は、地殻変動や砂礫の堆積作用により、数千年の間でも大きく形を変えている。

 

 

 

一度生えたミズナラの木が、地盤沈下などで海水や塩分にさらされてしまい、立ち枯れしてしまったのがこのナラワラである。

 

 

 

そういえば、美瑛の青い池でも池の中の木が立ち枯れていた。

青い池は人造池であり、元々木が生えていたところに美瑛川の水を引き込んだので、木が立ち枯れしてしまっていた。

 

 

立ち枯れした木のすぐそばには海水面がある。

 

 

土壌が塩分を含み、木が生育できる環境ではなくなっているのだろう。

 

野付半島のネイチャーセンターへ

ナラワラを見終え、野付半島をさらに進む。

 

ネイチャーセンターに到着。

 

一階は土産屋があり、二階にはインフォメーションセンターがある。

 

最近観察された生き物など、野付半島のリアルタイムの情報が手に入る。

 

おすすめの探鳥地も掲示されている。

野付半島はバードウォッチングにも良さそうだ。

 

センターから、これから訪れるトドワラの方向を見ることができる。

 

 

国後島も見えていた。

 

野付半島の歴史と北海道の古代文化

 

センターのパネルによれば、ここ野付半島では、古くから人々の生活が営まれていたらしい。

そのことを示すように、半島の各地には遺跡があり、会津藩士の墓まである。

古くは擦文時代の竪穴式住居まで発見されているようだ。

 

擦文文化については、先ほど訪れた羅臼町の郷土資料館で勉強していた。

古代から北海道では、本州と違った文化を発展させてきた。

擦文文化は、本州が飛鳥時代から鎌倉時代のころ、北海道で主流だった文化だ。

 

飛鳥時代から鎌倉時代といえば、西暦約600年~1300年。

年代は幅広いが、そのぐらいの昔から、野付半島には人が住んでいたということだ。

 

野付半島に来てみると、開けているので風が強く、とても住みにくい場所だと思う。

家も建てにくそうだ。

 

それでも人が住んでいたということは、相応の利益があったからではないか。

 

野付半島の湾内には、広くアマモという海藻が繁茂しており、シマエビがたくさん生息している。

エビを求めて大きな魚も入り込んでくるだろうし、もちろんエビ自体も漁獲の対象になる。

満足な道具や船が作れない時代でも、浅瀬なので漁がしやすかっただろう。

だからこそ、古代から人が入り込んでいたのではないか。

 

以上は推測だが、知識を組み合わせて推測をするのは楽しいものだ。

郷土資料館やネイチャーセンターを巡る楽しみは、こういうところにあると思う。

 

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Posted by 無郷庵