【粟ヶ岳・中央登山道】登山記録①・2024/5/30

2024年6月14日

一年ぶりの山登り

 

仕事を辞めて数か月。

やっとのことでゴタゴタとした私事が片付き、時間に余裕ができた。

久しぶりに山登りでもしてみようか。

 

山登りは1年ぶりであり、そもそも運動自体ほとんどしていなかった。

そのリハビリに、ずっと登ろうと思っていた「粟ヶ岳」に登ってみることに。

 

粟ヶ岳は、五泉市・三条市・阿賀町・只見町あたりにまたがる、「川内山塊」の最高峰である。

川内山塊は険谷で知られ、沢登りをする人には有名な場所だ。

 

粟ヶ岳がきつい山だというのは知っていたのだが、何とかなるだろうと甘くみていた 。

1年間の不摂生でたるみ切った体には、あまりにもきつい山登りとなった、、、

 







加茂市の第一水源地へ

 

前日の遅くに、田上町にある「道の駅たがみ」に到着。

ここで仮眠をとる。

 

国道に隣接しているため、夜でもそこそこ車の走行音がする。

仕事や家事で忙しかったときは、些事の一つ一つが気になっていたものだった。

今はゆとりができ、うるさくて眠れなくてもまあいいか、ぐらいの心持ちでいる。

 

早朝まで休憩し、粟ヶ岳中央登山道の入り口となる、加茂市の第一水源地を目指す。

 

国道403から加茂市の中心部へ入る。

後はほぼ、道なりにまっすぐ行くだけだ。

 

粟ヶ岳は大きなランドマークとなっており、道路の案内標識にも、たびたび粟ヶ岳の名が出ている。

「粟ヶ岳」「美人の湯」「県民休養地」などの表示を目指していけば、目指す第一水源地に着く。

 

加茂川沿いの道を進む。

この辺りは温泉地のような風情がある。

 

山間に入っていくと、辺り一面に霧が漂っている。

 

前々日の夜に大雨が降った。

前日は曇りのち晴れで、山の近辺はまだ乾ききっていないのだろう。

 

登山道の視界は効くだろうかと心配したが、駐車場に着くころには霧が晴れていた。

 

第一水源地の駐車場に着いた。

 

平日の早朝なので、駐車場はガラガラだ。

 

水源地にはキャンプ場が併設されており、トイレもある。

 

 

 




粟ヶ岳の登山口まで

第一水源地の駐車場から、登山口までは少し歩く。

 

 

林道を行く。

 

 

 

突き当りを左へ。

右手にある祠で、登山の無事を願った。

 

ここが第二水源地だ。

堤を渡っていく。

 

 

結構落差があり、怖い。

 

登山届を出すボックスが。

ここが登山口だ。

 

この時点で朝の5時。

 




1合目から3合目まで(最初からの急登)

 

1合目の標識が。

M4,650というのはおそらく、頂上まで4,650m歩くということなのだろう。

H3.00というのは、頂上まで後3時間ということだろう。

 

色々なところで言及されているが、このコースタイムはかなり厳しいものだ。

 

粟ヶ岳は最初からのぼりが続く。

 

粟ヶ岳は、前に登った風倉山と似ているところがある。

堰堤を通って登山口にたどり着くことや、最初から急登が続くこと、「〇合目」の標識が点置されていることも同じだ。

 

ただ、山頂までのきつさは大きく違う。

風倉山では、標識から次の標識まで、だいたい15分ぐらいでたどり着くことができた。

今回の粟ヶ岳では、標識間の移動に30分近くかかってしまった。

 

つまり、山頂までにかかった時間は、30分×9=4時間半。

休憩も長くとったので、結局、5時間近くかかった。

 

新潟100名山+10という本に、この中央登山道の情報が書かれている。

曰く、頂上まで4時間が目安とのこと。

ひどい体力不足を痛感した。

 

さて、登山道を進んでいく。

粟ヶ岳の特徴のひとつは、最初からのぼりが続くため、2合目までにけっこう標高を稼げることだ。

 

まだ2合目の手前なのだが、かなりの高さに来た気がする。

 

ようやく2合目。

 

2合目をこえた後は、すこし平坦な道が続く。

 

湿気が多いためか、ひどく汗をかく。

 

 

すぐに登りが始まる。

 

 

そのうちロープが。

 

そしてハシゴが。

 

ハシゴはがっちり固定されている。

 

ここまでで結構きつい。

 

分岐に出た。

 

やっと見えた、、、3合目のベンチ、、、

 

 

現時点で6時。

 

3合目のはずなのに、すごく辛い。

ここをゴールにしたい。

 

長く休憩を入れた。

 




3合目から5合目まで(坂道の連続)

 

3合目からものぼりは続く。

 

 

ブナ林だ。

 

白い木肌のブナを見ると、清浄さを感じる。

 

 

のだが、いかんせん登りが辛すぎる、、、

エネルギーが切れないよう、駐車場でパンを喉に押し込んできたのが悪かったのか、胃がもたれる。

 

なんだかんだ、標高600mまで来た。

まだ600mか、という感じだ。

 

途中、粘土質の道もあってすべりやすい。

 

4合目。

 

 

 

ネマガリタケが散らばっている。

動物が食べた跡だろうか。

たぶんサルだろう、クマでないと良いのだが。

 

 

汗をかきながら登り続ける。

 

山を歩くことにより、1年分の不養生によって体に溜まった、さまざまな悪いものが、どんどん排出されていっている感じがする。

入れ替わりに、山中の気が体をめぐり、体内が清浄になっていく気もする。

 

気づけば胃もたれもなくなり、体が軽くなっている。

ようやく、体が山登りに順応し始めてきたらしい。

 

またベンチがある。

ここでもありがたく大休止させてもらう。

 

ベンチ周辺は開けており、眺めが良い。

 

 

山頂方面を向く。

粟ヶ岳の山頂は、左にあるピークではなく、その右奥にある。

まずは左のピークに登り、そこから右手のピークへ渡り行くことになる。

 

この時点で7時。

 

大休止を終え、先に進む。

ここから少し下る。

 

 

道端に花が添えられていた。

誰かがここで事故にでも会ったのだろうか。

手を合わせて先へ進む。

 

 

 

 

 

やっと5合目だ。

 




5合目から6合目まで(ハシゴとロープの連続)

 

坂の連続。

 

 

一心不乱に歩き続ける。

 

 

粟ヶ岳を登り始めてから、色々な考えが頭の中を巡っていた。

ニートの辛さよのページにも書いたが、仕事を辞めて暇な時間が多くなると、昔の嫌な記憶が次々と浮かんでくる。

 

1合目から4合目ぐらいまでは、次々と嫌な記憶が浮かび続けていた。

4合目を越えたあたりから、余裕がなくなってきたためか、それとも頭の引き出しに中身が無くなってきたためか、妄念が浮かばなくなってきた。

 

これは座禅をしているときの状態に似ている。

座っていると様々な想念が浮かんでくるのだが、これを一つ一つ切り捨てながら座り続ける。

次第に念が浮かばなくなり、暗く落ち着いた感覚の中で、自分と周囲の境が無くなってくるような感じがしてくるのだ。

 

3段梯子。

 

後方を見渡すと、かなたに水源地が見える。

あんなに遠くからここまで登ってきたのだ。

 

またハシゴが見えた。

 

今度はロープ。

 

 

低木が増え、視界が開けてきた。

 

遠くに見えるのは角田山と弥彦山だ。

 

 

 

ここがおそらく、粟庭の鎖場。

 

 

 

6合目の、粟庭の頭に着いた、、、

 

 

ここまでかなりきつかった。

現時点で8時。

登り始めてから3時間が経過している。

 




6合目から粟ヶ岳ヒュッテまで

 

かなり辛かったので、荷物を降ろして長い休憩を取った。

ここは眺めがよい。

 

カッコウやウグイスの鳴き声が聞こえる。

鳥になってひとっ飛びで山頂まで行きたいものだ。

 

さてここから、、、

 

見るからにきつい登りがはじまる。

 

正面のピークは山頂ではない。

 

ここを越えると山小屋があり、さらに次のピークから、もう一つ小さいピークを越えると山頂のはずなのだ。

まだまだ先は長い。

 

この辺りは崩れている箇所が多く、注意が必要。

 

 

 

 

水場を発見。

右の小道へ行くと水場があり、左は山頂までの進路だ。

水はあるので左へ行く。

 

 

雨水を逃がすための樋だ。

新発田の焼峰山にも樋があったことを思い出す。

 

一つ一つの資材が結構な重さだろうに、ここまで運んで設置してくれた方に感謝の念が堪えない。

ベンチにしても、ハシゴにしてもそうだ。

 

 

登りが辛い。

 

何かが見えてきた。

 

やっと粟ヶ岳ヒュッテに着いた。

 

ここにもベンチがあり、また大休止を取る。

 

 

次のページに続きます。

 




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Posted by 無郷庵