カヤックフィッシングとジギング
このページでは、カヤックからメタルジグを落とし込むジギングと、おすすめのタックルについて紹介します。
メタルジグのセッティングや、キャスティングのタックルについては、
・カヤックフィッシングとメタルジグ
・キャスティングとタックル
などのページをご覧ください。
もしもカヤックフィッシングでの釣り方に迷っていたら、ジギングをおすすめします。
ジギングとは、カヤックの真下にメタルジグを落とし込む釣り方です。
ジギングではジグを水中に入れたまま、表層から底までを満遍なく探ることができます。
手返しよく、効率的に広範囲を探ることができます。
メタルジグに掛かる魚は多く、釣れる可能性も高いです。
私の体感では、魚が多く大物が釣れやすいのは中層から底付近です。
その近辺を効率よく探れるのも、ジギングの非常に大きなメリットです。
ジギングで使用するルアーはメタルジグがメインですが、竿などの道具を流用してタイラバなども使うことができます。
タイラバは80gなど重いラインナップが多いのですが、カヤックから使う場合は30g~60gぐらいまでの物が使いやすいです。
私が使っているのはタイガーバクバクの45gです。
これより軽いものだと、キャスティング用のタイラバもあります。
タイラバは、根魚やマダイを専門に狙うならば良いと思います。
根魚は大きいルアーにも遠慮なく食いついてきます。
中型の青物はタイラバに食ってこないので、色々な魚を釣りたいのであれば、メタルジグがおすすめです。
ジギングとベイトタックル
後でタックルについて紹介しますが、ジギングでは、短く細いジギングロッドにベイトリールを組み合わせます。
ジギングロッドは、「C632ML」などのように、竿の表記に「C」が付いています。
竿の表記について詳しくは、「青物を釣ろう」の釣り竿の表記の読み方についてのページもご覧ください。
また、竿を持ちやすくするため、持ち手に引き金(トリガー)が付いているのもベイトロッドの特徴です。
ベイトリールは落とし込みに非常に便利です。
スイッチ(クラッチといいます)一つでメタルジグがスルスルと沈んで行き、ハンドルを回せばすぐにメタルジグを巻き上げられます。
クラッチは下の画像の銀色の部分です。
片手でクラッチを押し、ルアーを落とすことができます。
スピニングタックルでは、持ち手の反対側の手でリールのベールを起こさないといけないので、落とし込みには手間が掛かります。
ベイトタックルなしでの落とし込みは考えられません。
ジグの落とし込みをする前に、ベイトリールのブレーキを調整しておきましょう。
まずはブレーキを強めにしておき、ジグを落とし込んでみてジグの出が悪ければ、ブレーキを弱くしていきます。
目安としては、少しテンションが掛かりつつ、ジグがスルスルと出ていくぐらいが良いです。
ジグを落とすときは、ベイトリールの糸巻きの部分に親指を当て、少しブレーキをかけながら糸を出していきます。
そうして常に糸を張っておかないと、糸が糸巻きの中でぐしゃぐしゃになってしまうバックラッシュが起きやすくなります。
特に、ジグが底に着いた時にバックラッシュが起きやすいです。
ジグが落ちているとき、勢いよく糸巻きが回転して糸が出ていきます。
ジグが底に着いてストップしても、糸巻きは止まらず回転し続けます。
そして糸だけがどんどん出てしまい、リールの中で糸がぐしゃぐしゃになってしまいます。
それを避けるため、糸を放出するときは、糸巻きを指で押さえてブレーキを掛けるクセを付けておきましょう。
ジギングの方法
ジギングをする場所は、下の画像のような魚探反応が出ている場所が有望です。
底から数m上に、帯のような反応が見えています。
恐らく小魚の群れだと思うのですが、こういった反応にジグを落とし込むと、フィッシュイーターがよく釣れます。
良い反応を見つけたら、早速ジグを底まで落とし込んでみましょう。
ジグが底に着くと、糸の出がストップするのですぐに分かります。
底についた瞬間、間髪入れずに糸の放出を止め、竿をあおり、ジグを巻きあげましょう。
ベイトリールの場合、ハンドルを回すとクラッチが戻り、糸が出なくなります。
ハンドルを回して糸の出を止める→竿をあおる→そのまま巻き続けるというふうに操作します。
竿をあおるのは、ルアーを追ってきた魚に対するアピールと、ルアーの動きを止めないようにするため(止めると魚に見切られてしまうから)です。
ジギングでアタリが多いのは、ジグを底から巻き上げた瞬間です。
落ちていくジグを魚が追い、底でジグが反転したときに追いついて食ってくるからなのだと思います。
そのためか、ジギングで釣れた魚はアイ側のアシストフックに掛かっていることが大半です。
底に着いてからジグを巻く瞬間は、特に気を張っていましょう。
魚が掛かると、手にズシッとした重みが伝わります。
竿を立ててアワセをいれましょう。
魚が掛かった後のことについては、魚が掛かってから取り込みまでのページに書いていきます。
ジグを底まで落とし込んで巻き上げた時、魚が掛からなかったら、そのまま巻き上げましょう。
とりあえずジグが見えるまで巻き上げたら、また底まで落とし込むことを繰り返します。
風や波によってカヤックが流されていくので、縦だけでなく横にも広範囲を探ることができます。
巻いて沈めてを繰り返していると、大体どのくらい巻き上げると、ジグが手元に帰ってくるか分かるようになります。
感覚がつかめたら、今度は手元まで巻き上げず、中層まで巻き上げてから落とすようにします。
これを魚探で見ると、下の画像のような軌跡になります。
逆「V」字型の軌跡が見えるでしょうか。
私の今までの経験だと、魚は表層よりも底付近にいることが多いです。
底付近を効率よく探るのに、ジグが中層から底層にいる時間を長くするため、このようにジグを操作します。
落とし込みに関してのテクニックを紹介しておきます。
魚探で良い反応が見えないとき、魚探を見ながらカヤックを漕いで良い反応を探します。
良い反応が見えたらすかさずジグを落とします。
そのためにはカヤックを漕ぐ前に、ジギングタックルを操作しやすい位置にあるロッドホルダーに準備しておきます。
カヤックを漕いで良い反応を見つけたら、すぐさま竿を準備している方に身体を傾け、パドルを水に突っ込みます。
回り込むようにしてカヤックに急ブレーキをかけます。
パドルを水に突っ込んですぐ、竿を持ってジグを落とし込みます。
これを繰り返し、広範囲を効率よく探っていきます。
おすすめのジギングのタックル
実際に私が使っている、ジギング用のタックルを紹介します。
タックルは、ジギングロッドにベイトリール、糸はPEの1.0号~1.2号ぐらい、先端に6号~7号のショックリーダーを結んでいます。
メタルジグは、カヤックフィッシングとメタルジグのページに書きましたが、ムーチョ・ルチアばかり使っています。
ムーチョ・ルチアを使うのは、いつもムーチョ・ルチアばかり使っているので、私の中で実績ができ上がっているからです。
もちろん他のルアーでも釣れるので、使い慣れた物を使うのが良いと思います。
竿はアルファタックルのCRAZEE LT JIGGING SHAFT C632MLを使っています。
名前の「C632ML」というのは、「C」がベイトロッドであることを表しており、「63」の部分が6.3フィート(約1.89m)、次の「2」は2本継ぎ、最後の「ML」は硬さがMLクラスということです。
MLなので柔らかめの竿です。
竿には必ずフックキーパーを付けています。
陸から出艇する際や長い距離を漕ぐとき、ルアーをどこかに収納しておかないと、ルアーや糸がブラブラして邪魔になります。
最初はカヤックにジグを収納するホルダーを取り付けていましたが、どうも使い勝手が良くありませんでした。
色々試してみて、竿にフックキーパーを付け、そこにジグを付けておくのが一番だという結論に至りました。
リールはアブガルシアのプロマックスを使っています。
プロマックスを使っているのは、アブガルシアが好きだからというのと、手頃に手に入る値段だったからです。
正直なところ、ベイトリールは使用した回数が少ないので、ここに書けるほど良し悪しはわかりません。
今まで使ってみて、ワラサぐらいの大きさの魚でも寄せられますし、魚を何匹も釣り上げましたがガタはきていません。
海水での使用も、水に漬けなければ大丈夫そうです。
普段スピニングリールを使っていてベイトリールに不慣れならば、色々といじって操作に慣れておきましょう。
特にドラグやブレーキなどは、カヤックで沖に出る前にあらかじめ操作を確認しておきます。
ドラグは、手で強く糸を引っ張った時に、糸が出るぐらいに設定しておきます。
また、ベイトリールはリールの中で糸がグシャグシャになりやすいのですが(バックラッシュといいます)それを防いでくれるのがブレーキです。
前にも書きましたが、ブレーキは、実際にカヤックの上でジグを落としながら調整するのが良いと思います。
最初は強めに設定しておきましょう。
沖でジグの落ち方を確認しながら、少しテンションが掛かりながらジグが落ちて行くぐらいに設定します。
糸に関しては、陸から青物を狙うのと同じシステムを使っています。
この項の最初に書いた通り、1.2号ぐらいのPEラインに6号ぐらいのショックリーダーを合わせ、スナップスイベルも使います。
糸については、
・リールへの糸の巻き方
・青物釣りのPEライン
・ショックリーダーを使ったラインシステム
などのページに詳しく書いているので、そちらもご覧ください。
釣り竿にフロートを付ける
キャスティングのページにも書きましたが、竿を紛失しないようにフロートを付けておきましょう。
カヤックの離着岸時や不意に大物が掛かった時など、竿がロッドホルダーや手から離れて落水してしまうことがあります。
落水した竿はあっという間に沈んで行ってしまいます。
紛失を防ぐため、竿はロープでカヤックにつないでおくか、フロート(浮き)を付けておきましょう。
竿をロープでカヤックにつなぐ場合、カヤックが転覆した時に、ロープや糸が体に絡まって危険な気がします。
いざというときは、カヤックから竿が離れるようにしておいたほうが良いと思います。
私は竿に尻手ベルトを付け、そこにロープとフロートを付けています。
ロープの材質は何でも良いですが、長さは大事です。
ロープが長すぎると緊急時に絡まって危険ですし、短すぎると竿を持つときに不便です。
竿の持ち手よりも、少し長く取っておくと良いと思います。