温泉街を抜けて北きつね牧場へ
山の水族館を出て、次は歩いて「北きつね牧場」へ向かう。
牧場は、拠点にしている道の駅おんねゆ温泉から歩いてすぐの距離にある。
この辺りの温泉街は、古き良き静かな佇まいがあり、とても雰囲気が良い。
ただのんびりと散歩するだけでも心が安らぐ。

道沿いの街路樹には、北海道らしく白樺が植えられていた。

白い樹皮と独特の黒い模様が美しい。

川に架かる橋を渡って牧場方面へ進む。

親柱には「水郷大橋」と刻まれている。


天気が良く、それでいて気温は高すぎず心地よい涼しさだ。
今日はのんびり歩くのに最高の日である。




放し飼いのキタキツネたちと至近距離で触れ合う
建物の受付で入場料を払い、いよいよキタキツネたちが放し飼いにされている屋外スペースへ向かう。

扉の横には、動物を刺激しないための注意書きがびっしりと掲示されていた。野生動物を扱う施設の緊張感が漂う。
ガラス越しに覗くと、なんと入り口のすぐ目の前で一匹のキツネが待ち構えていた。

扉が開くのを待っているのだろうか。それとも、開けた途端に一目散に外へ逃げ出そうと企んでいるのだろうか。

キツネを驚かせないよう、扉をわずかに開け、体を滑り込ませるようにして素早く中へ入る。
距離が近い。

これほど至近距離で、生きたキツネをじっくり見たのは人生で初めてだ。


今年の春に生まれたばかりという、あどけない顔つきの若いキツネたちの姿もあった。




広い敷地のあちこちで、キツネたちが無防備に寝そべっている。平和な光景だ。


そして、今回の北海道一人旅で撮影した数多くの写真の中でも、個人的に一番のベストショットがこちら。

ピンと立った耳、つぶらな瞳、フサフサの尻尾。愛らしさが凝縮されている。

キツネの生態とエキノコックスについての考察
牧場の奥の方へと散策を進める。
敷地内の木の根元を見ると、ポッカリと穴が空いている箇所がいくつもあった。
どうやらキツネたちが自分で土を掘って、巣穴を作ってしまっているようだ。



一番奥まで歩いてきた。



ここが遊歩道の終点のようだ。折り返して、元の出口の方へ戻ることにする。



牧場の見学を終え、室内の建物に戻ってきた。

売店にはここでしか買えないオリジナルグッズも多く並んでおり、記念にポストカードやキーホルダーなどを購入した。
ところで余談になるが、北海道でキツネといえば、避けては通れないのが「エキノコックス」問題だ。
エキノコックスとは、主にキツネや野犬を宿主とする寄生虫である(詳細は厚生労働省のホームページなどに詳しい)。
キツネの糞などに含まれるエキノコックスの虫卵を、人間が沢水などを通じて誤って経口摂取してしまうと、長期間の潜伏を経てエキノコックス症を発症することがある。
このエキノコックス症は、重篤な肝機能障害など引き起こす恐ろしい感染症だ(国立感染症研究所のページ参照)。
北海道のローカルルールとして「生水を(特に沢や川の水を)絶対に飲んではいけない」とよく言われるのは、水中にこの虫卵が潜んでいる危険性があるためだ。
また、キツネの体表自体に虫卵が付着している可能性もあるため、野生のキツネに安易に触れてはいけない。牧場の入り口に「絶対に触らないように」と厳しい注意書きがあったのも、こうした背景がある。
さて、のんびりと歩いて道の駅まで戻ろう。

陽も傾き始め、昼下がりの穏やかな時間が流れている。

民家の庭先には色鮮やかな花が植えられており、とても良い雰囲気の町だった。