【タイの入国審査官と警察について】初めての海外バンコク七日間紀行・番外編12

海外の旅,*バンコク七日間紀行*,旅行について,3バンコク駅周辺~ドンムアン~日本に帰国,覚え書き,全ページ

バンコクの旅行を終え、日本に帰ってから気になって調べたことがあったので書いておこうと思います。

 

タイの入国審査官と警察

タイ入国の際、タイの入国審査官がカーキ色の制服を着ており軍隊のようだったと書いていました。

 

タイに入国してからしばらく後、バンコクの市街地を歩いていたとき、入国審査官と同じようなカーキ色の制服を着た人を何人か見かけました。

その人たちは交通の取り締まりをしていたようでしたが、なぜ入国審査官と同じ制服を着ているのか気になりました。

 

日本の警察と入国審査官は、全く別の組織に所属しています。

もちろん服装もバラバラで、日本の町中で見かける警察官は、青を基調としたおなじみの制服を着ていますし、成田空港の出入国審査官はスーツを着ていた気がします。

その日本との対比で違和感を感じていました。

 

調べてみると、タイの入国審査官は、タイ王国国家警察庁に所属しているそうです(リンク先はWikipedia)。

タイ王国国家警察庁の統括本部の中に、「入国管理局」の記述がありました。

同じ統括本部中に、「タイ王国首都圏警察」や「各地方警察司令部」も所属しており、おそらくここが、日本の街中で見かける警察官がするような仕事、治安維持や交通整理を担っているのだと思います。

 

分かりやすく書けば、

首相→タイ王国国家警察庁→統括本部→首都圏・地方警察

首相→タイ王国国家警察庁→統括本部→入国管理局

ということです。

 

タイでは、警察官と入国審査官が、同じ部に所属しているのです。

組織的にかなり近い位置にいるということです。

だから制服が同じなのかと得心がいきました。

 







日本の入国審査官と警察

日本ではタイに比べ、警察官と入国審査官の所属する組織はかなり離れているはずです。

 

気になって日本の組織を調べ直してみました。

 

まず入国審査官は、法務省の外局である、出入国在留管理庁に所属しています。

 

外局というのは聞き慣れませんが、省の中に置かれながらも、独立性を持つ組織のことのようです。

海外関係の部署なのに、外務省ではなく法務省に置かれているというのも不思議です。

Wikipediaの出入国在留管理庁のページを見ると、出入国を管理する部署の管轄は、様々な歴史的経緯があり、内務省→外務省→法務省と移ってきているようでした。

 

一方の警察についてですが、警察庁のページに分かりやすい図が載っていました。

 

警察は大きく分けて、警察庁と都道府県警があります。

警察庁は、大本をたどれば内閣総理大臣の所轄であり、都道府県警は、各都道府県知事の所轄となっています。

2つは別系統の組織ですが、警察庁が都道府県警を管理する形になっているようです。

 

交通整理や治安維持をしているのは、都道府県警察に所属している警察官でしょう。

 

話が長くなりましたが、内閣官房のページにある「国の行政機関の組織図」をもとに、警察と出入国在留管理庁の系統を書いてみます。

実際はもっと細かく複雑なのだと思いますが、簡潔に書けば、

内閣→内閣府→国家公安委員会→警察庁→都道府県警

内閣→法務省→出入国在留管理庁

というふうになっており、2つの組織は、大本の部分から別系統の組織となっていました。

 

一方のタイについて、前に書いたものを書き直すと、

首相→タイ王国国家警察庁→統括本部→首都圏・地方警察

首相→タイ王国国家警察庁→統括本部→入国管理局

となっており、警察官と入国審査官の組織的位置がかなり近いのでした。

 

国が違えば組織のつくりも変わり、違いを比べるのも中々面白いものです。

この違いは、国がたどってきた歴史や、組織成立の変遷などによるのでしょう。

その国の文化や物事の考え方も関係しているかもしれません。

 




余談:アイヌ施策推進本部

最後に、余談の中の余談ですが、内閣官房のページにある「内閣の機関」というpdfを見ていたところ、「アイヌ施策推進本部」という組織を見つけました。

 

萱野茂 二風谷アイヌ資料館ウポポイなど、アイヌに関係する施設を北海道一周の時に訪れていたので、pdf内のアイヌの文字に目が留まりました。

 

アイヌ初の国会議員となった、萱野茂さんという方が、1997年にアイヌ文化振興法を成立させています。

この法律は2020年に廃止されましたが、同時期にアイヌ施策推進法という法律が施行され、国立アイヌ民族博物館を擁する、ウポポイ民族共生象徴空間も開業しています。

 

萱野茂さんから始まったアイヌ文化振興の流れが、止まらずに受け継がれていることを、内閣の機関のpdfで見つけ、嬉しくなったのでした。

 




関連ページ