【稚内市青少年科学館を見学】車で北海道一周の旅・その31
車で北海道をほぼ一周したときの記録です。
このページでは、稚内の青少年科学館を訪れた時のことについて書いています。
青少年科学館へ
水族館を出て、隣にある青少年科学館へ向かった。
近隣には飲食店が多い。
ウニとかカニとか、海産物を食べていきたいものだ。
科学館に入り、まずは2階を見に行く。
様々な化石が展示されていた。
アンモナイトと一口に言っても、実は1万以上の種類があるそうだ。
アンモナイトの種類と産出する年代の表なども展示されていた。
二階を見終え、一階の展示を回る。
南極の風景がパネルで展示されている。
南極の地形やオーロラなど、貴重な写真ばかりだ。
南極地域観測隊にまつわる道具なども展示されている。
タロとジロの物語
正直なところ、青少年科学館という名前なので、子ども向けの展示が主だろうと侮っていた。
今回、北海道を一周する中で一番心を動かされたのが、ここで見たタロとジロの話だった。
けっこう有名な話で映画も作られている。
Wikipediaのタロとジロのページにも詳しい。
昔の南極地域観測隊では犬ぞりが用いられ、牽引に樺太犬が採用されていた。
1956年、南極観測の第一次越冬隊に連れられ、何十頭もの樺太犬が一緒に、南極の昭和基地へと向かった。
翌年、第二次越冬隊が南極に着いたのだが、天候が悪化し、昭和基地での活動が困難になってしまう。
第一次・第二次越冬隊ともに本国へ退避せざるをえなくなったが、樺太犬たちを一緒に連れ帰ることができず、基地に置いていかなければならなくなった。
南極の気候や、基地の残存食料などを考えれば、犬たちに悲惨な運命が待ち受けていることは明白だった。
そして約一年後、昭和基地に戻ってみると、なんと二頭の犬(タロとジロ)が生存していた。
この件で日本中が感動に包まれたが、犬を置き去りにせざるを得なかった隊員たちは、大きな非難を浴びたという。
そんな内容を展示で読み、何ともやるせない気持ちになった。
南極観測には大きな意義があり、そのために、当時はどうしても犬を連れて行くことが必要だったのだろう。
だが、大義など犬たちにとってはどうでも良いことで、何もなければのんびりと生き、天寿を全うできたかもしれないのに、南極に連れてこられたばかりに早死にすることになってしまった。
隊員に非難を浴びせた人たちの気持ちも良くわかる。
けれども一番つらかったのは、犬たちと長い間一緒に生活していた隊員たちだっただろう。
犬たちを置き去りにすれば、その後どうなるかは容易に想像できる。
隊員たちがそのことに思い至らぬはずがない。
犬たちを置いて行かなければならなかった無念さは、想像するに余りある。
厳しい言葉を浴びせかけられれば、なお一層心痛は増すだろう。
世の中は割り切れないことばかりだ。
仕事でも私生活でも、簡単には片付かないような、判断の難しいことばかり。
ノシャップ岬を見に行こう。