ニートの辛さよ
仕事を辞めてニートに
今年度になって仕事を辞め、ニートになりました。
仕事は十年近く続けてきたのですが、待遇も、同僚との関係も悪くなかったのですが、どうしてもやりたいことができたので、仕事を辞めることにしました。
ただ、仕事を辞めてすぐあと、アクシデントがあって忙しくなり、やりたかったことは先延ばしになってしまいました。
最近になって色々なことが一段落したのですが、やりたかったことは時期を逸してしまいました。
また機会が巡ってくるまで、しばらくはのんびりしながら、あちこち旅でもしようかと思っています。
このページでは、ニートになってみて思うことを、つらつらと書いてみようと思います。
ニートについて
Wikipediaによれば、ニートとは、
就学・就労していない、また職業訓練も受けていない若者(15歳-29歳)を意味する用語
だそうです。
私も仕事を辞めましたが、ニートという言葉は青少年に対して使う言葉なので、厳密には、私はニートと呼ばれないようです。
ここでは広義に、学業や仕事や求職活動をしていない人という意味で、ニートという言葉を使うことにします。
過去のニート体験
実は、私は以前にも一度、ニートになったことがあります。
大学生の時だったのですが、進路の変更のため、大学を半年間休学しました。
大学に籍を置いていたため、これも厳密にはニートと呼べないかもしれませんが、何もすることがなかったのでニートに近い状態でした。
思えば、生まれてこの方、小学校から大学まで、毎日学校に通う生活を送っていました。
それがいきなり、半年間も何もすることがないという状況に置かれたわけです。
最初のうちは、毎日が休みだという嬉しさで一杯でした。
ところが、何日か経つと、やはり時間を持て余すようになってきます。
何もすることがなく、外出もほとんどしなかったので、毎日本を読んだりゲームをしていました。
そうしていると、次第に頭の中が煮詰まってきます。
周りの同級生たちは、順調に大学を卒業して、良い企業に就職していくのだろう。
一方の私は、レールを外れてしまったので、このまま社会復帰ができなくなるのではないだろうか。
進路変更のためとはいえ、休学してよかったのだろうか。
社会に出たくない。
そんな考えが頭を占めてきました。
それと同時に、「あのときあんなことを言わなければ良かった」とか、「あのときあんなことをされて嫌だった」とか、悪い思い出や記憶が、頻繁に思い出されるようにもなってきました。
良い出来事と悪い出来事は、同じくらい起こっているはずなのですが、悪いことばかり頭に浮かんできます。
人間、良いことはすぐ忘れるのですが、悪い記憶はかなり前のことでも、よく覚えているものなのでしょう。
そんなこんなで次第に自暴自棄になり始め、このときは精神的に、かなりつらい思いをしました。
このままではまずいと思い、ハローワークで短期の仕事を探しに行きました。
幸い、良い職場で採用してもらい、生き返ったような気分で数か月を働きました。
このときの職業経験が、自分への自信にもつながっています。
退屈に慣れる過程
さて、現在の話に戻ります。
私は仕事を辞め、しばらくニート生活を続ける予定です。
何もしていないと、また大学生のころのように頭が煮詰まってくると思うので、意識して外に出るようにしています。
ですが、やはり仕事をしていた時に比べると、いくつかの変化がありました。
仕事をしていたときは全く夢を見なかったのですが、今は毎晩のように、過去の出来事に関連した夢を見るようになりました。
大学生のころのように、悪い記憶がたくさん浮かんでくるようにもなりました。
なぜか、仕事をしていたときのことはあまり思い出さず、学生の頃の嫌な思い出ばかり浮かんできます。
仕事で色々な経験をしてきた今にして思うのは、嫌なことばかり思い出すのは、何もしない生活に慣れるために、必要な過程なのではないかということです。
起こってしまった出来事をクヨクヨ考えるというのは、誰しもあることだと思います。
悪い出来事があったとき、今後同じ失敗をしないために、「ああすればよかった」と考えてしまうのは、生存可能性を高めるための、人間の本能だと思います。
仕事で忙しかったときは、仕事のことに脳の作業メモリが使われ、自身の過去に目を向ける余裕がありませんでした。
仕事をしなくなると、過去のことを整理する余裕ができ、今までに溜め込んでいた色々なものを頭が勝手に整理し始めるのではないでしょうか。
そうして頭の中の整理が済んで初めて、何もしない生活に慣れていくことができるような気がします。
ニートや定年退職の前に
今、無為に日々を過ごしながら思うのは、仕事をするのは大変なことですが、やるべきことや自分の役割があるというのは、人間にとって大切なことなのではないかと。
仕事を辞めてニートになったり、定年退職をした後は、毎日が休みになります。
今まで必死に働いてきたのが、いきなり自分の役割が無くなるわけで、そのギャップから社会的な疎外感を感じやすくなります。
上手く環境の変化に対応できないと、精神的な不調に陥ってしまうこともあります。
仕事を辞めるときは、少しずつ仕事量を減らしていくとか、会社以外に自分の役割を作っておくとか、環境を急激に変えない工夫が必要なのかもしれません。