恐山菩提寺の宿坊での二日目・早朝のお勤めと恐山を訪れての感想
このページでは、恐山菩提寺の宿坊に泊まった時の、二日目の出来事を書いています。
早朝のお勤め・南直哉さんにお会いする
翌朝、6:00に起床の館内放送が流れ、6:30からお勤めが開始となります。
それまでに宿坊の外にある長い渡り廊下を通り、地蔵殿に集合します。
お勤めというのは、お寺ごとに内容は違うと思いますが、読経・礼拝などの儀式に参加させていただくことです。
お勤めに参加する際に事前知識は必要なく、お寺の方に指示されたとおりに行動すれば大丈夫です。
基本的に、お坊さんが礼拝や読経をしてくださるのを側に座って見ています。
6:00に起床してすぐ地蔵殿に行くと、一番乗りでした。
地蔵殿の内部を見ながら待っていると、畳の上に座るよう指示されたので、そのまま座って待ちます。
そこに3名のお坊さんが到着し、お勤めが始まりました。
ふと見ると、その3名のお坊さんの中に、院代の南直哉さんがいました。
南直哉さんについては前のページに書いています。
大学生のころから院代さんの著作を読んでいたので、お会いできたことで感動も一入でした。
宿泊者全員の名前が読み上げられ、ご祈祷を受けました。
地蔵殿での礼拝と読経の後、外に出て本堂に場所を移し、また礼拝と読経が行われます。
その最中に、宿泊者一人ひとりがお焼香を行います。
事前に曹洞宗の焼香の仕方を予習していったのですが、各自の宗派に合わせた焼香の仕方でも良く、分からなければ周りの人の真似をしても大丈夫です。
お勤めの後に朝食へ
そうして朝のお勤めが終わり、本堂の中を見学した後、部屋に戻りました。
すぐに朝食があるので、箸を持って会場に向かいます。
夕食と同様に五観の偈を心のなかで唱え、朝食をいただきました。
箸は持ち帰ることができます。
五観の偈の文章とともに大切にしようと思います。
宿坊を後に
朝食後、チェックアウトまでは時間があったのですが、別の場所で用があってあまり時間もなかったので、すぐに宿坊を後にしました。
恐山菩提寺の近くには、宇曽利山湖という大きな湖があるのですが、前日、台風の接近により、ほとりまで行くことができませんでした。
少しだけ時間に余裕があったので、宇曽利山湖までは行けないまでも、途中まで少し歩いてみました。
曇っていましたが、雨風はなく割と快適でした。
荒涼とした地面が続きます。
所々に積まれた石や風景から、寂しさというか懐かしさというか、切ない感じを受けました。
遠くに宇曽利山湖が見えます。
ほとりまで行ってみたかったのですが、時間もないため引き返しました。
いずれ戻ってこようと思います。
→3年後、北海道一周の帰りにゆっくり見物しました。
服にはすっかり硫黄の臭いが染み付いていました。
恐山とはどのような場所だったか
慌ただしく恐山まで行って帰ってきました。
台風であまり外を歩くこともできず、宿坊の部屋でごろごろしていただけでしたが、何もしない時間を十分に楽しむことができました。
恐山がどういう場所だったかを振り返ってみると、院代さんの恐山: 死者のいる場所という本に書いてある、パワーレススポットという表現がしっくりときます。
恐山といえば、名前からして怖い感じがしますし、荒涼たる風景も相まって、荒々しいようなイメージを持っていました。
ですが、実際に行ってみると、むしろ人の暖かさもあって、どこか懐かしさや温かみ・寂しさを感じるような場所でした。
そんな場所だからこそ、たくさんの人の思いを受け止めることができるのでしょう。
ぜひまた来てみたいと思う場所でした。
次に来たときは宇曽利湖のほとりに行ってみたいものです。