【燻製についての説明】鮎の燻製を作ろう①
このページでは、燻製についての一般的な話を書いていきます。
次のページからは実際に、鮎を燻製にした手順を紹介します。
鮎をいただいたので・・・
知り合いから鮎をいただきました。
よく脂が乗っており、黄色い紋が美しいです。
スイカやキュウリのような独特の青臭さもあります。
この紋様と香り、どちらも天然物の特徴だそうです。
せっかくの高級魚なので、どうやって食べるか悩みます。
思案した結果、半分は塩焼き、もう半分は燻製にしてみることに。
鮎の燻製を作ってみたら上手にできたので、これから燻製作りの過程を書いていこうと思います。
燻製について
燻製とは、食材を煙で燻したものです。
小型の箱に、食材と煙を出すための木くず(チップ)を入れます。
チップに火を点け、箱内に煙を充満させ、食材に煙をかけていきます。
燻製を作る理由
食材を煙で燻すことで、長期間の保存がきくようになります。
同時に、独特の香り(燻香)と食味を楽しめるようになります。
元々は、食材を長く保存する目的で燻製にしていました。
ところが、食材を保存する手段が発達した現代では、保存食を作る意義が薄れてきました。
今はどちらかと言えば、燻した食材の独特の香気や食味を目的として、燻製を作ることが多いようです。
燻製の種類について
燻製の種類についてですが、燻製時の温度の違いで、冷燻・温燻・熱燻の3種類に分けられます。
生ハムなど、食材を生の状態にしたままで燻製する場合は、温度を上げないようにして食材に煙をかける、冷燻を行います。
食材を燻製にすると同時に、熱で調理したい場合は熱燻を行います。
例えば、鍋の底にアルミホイルを敷いてチップを載せ、上に網を敷いて食材を置きます。
鍋を火にかけ、温度を上げた状態で燻製を行うと熱燻ができます。
冷燻と熱燻の中間が温燻です。
ホームセンターなどでよく売られている簡易燻製器は、あまり温度が上がらないので温燻向けです。
温燻では、食材に十分に熱を通すことが難しいです。
上の画像のチーズを燻製すると、端が溶けて丸くなるぐらいに熱が通ります。
温燻では、生の食材が食べられるぐらいまで火を通すのは、難しいと思います。
あくまで、食材に煙の風味を付けるための燻製法だと思っておきましょう。
基本的な温燻の方法
燻製の仕方ですが、すでに火が通っている物やチーズなど、そのまま食べられるような食材であれば、温燻します。
食材をそのまま燻製器に入れ、チップに火を点けて煙でいぶします。
湿っている食材の場合は、よく乾燥させてから燻製器にかけます。
窓を開けて様子を見ながら、燻製していきましょう。
茶色く色づけばできあがりなのですが、味見をしながら、好みの風味になるまで煙をかけていきます。
基本的な熱燻の方法
生の肉や魚など、火を通さなければいけないものは、熱燻で調理します。
食材を燻製しても、味が付くわけではありません。
燻製しながら食材に熱を通す場合は、事前にしっかりとした味を付けておくのが良いです。
特に魚や肉類は、塩水に漬けて味付けをしてから、燻製を行うのが一般的です。
塩水に漬けるのは味付けの他に、食材を長持ちさせるため、という理由もあります。
食材を塩水に漬けることで、浸透圧により表面の水分が排出され、食材が腐りにくくなります。
このような目的があるので、塩水はかなり塩分濃度が濃い、5%~20%程度の物を使います。
食材を塩水に漬けた後は、真水でしばらく流し、塩抜きをしないと塩辛くて食べられません。
ちなみに、燻製時に使う塩水のことを、ソミュール液と呼びます。
また、ソミュール液にスパイスなどを入れたものをピックル液と呼びます。
魚などの水分が多い食材は、流水で塩抜きをした後、しっかり乾燥させてから煙に当てなければいけません。
食材に水分が残っていると、味に酸味や苦みが出てしまうからです。
次回から、実際に鮎を燻製にした過程を紹介します。
まずはピックル液作りからです。