シットオントップカヤック内への浸水を防ぐ方法
~シットオントップカヤック内部への浸水を防ぐ~
※2021/01/28に改訂
シットオントップカヤックの内部
カヤックの内部についてのページで紹介した通り、
シットオンタイプのカヤックは中が空洞になっています。
シットオンカヤックは、この大きな空洞により浮力を生み出しています。
空洞内部に水が入り込むと浮力が小さくなり、しまいにはカヤックが沈没してしまいます。
浸水の原因1
シットオンカヤックの本体が割れていたり、穴が開いてでもいない限り、浸水の原因は大きく分けて2つです。
一つ目は、カヤック内部の空洞に通じるハッチやドレンプラグが開きっぱなしになっていることです。
カヤックの機種にも依ると思いますが、唯一カヤック内に通じているのがハッチやドレンプラグです。
出航前にハッチやドレンプラグの閉め忘れがないかしっかり確認しましょう。
目につきやすいハッチは閉め忘れないと思いますが、ドレンプラグは注意が必要です。
ドレンプラグというのは、カヤックの後方についている水抜き穴を塞ぐためのプラグです。
カヤックの後方にあるので、つい締め忘れてしまうことがあります。
内部の水を排水するときはドレンプラグを開けてカヤックを縦にして排水します。
浸水の原因2
浸水の原因の2つ目は、艤装パーツと本体の隙間です。
ドレンプラグとハッチをしっかりと締めても浸水するならば、浸水の原因は間違いなくここです。
艤装パーツを付けるには、基本的にはカヤックに穴を開けなければいけません。
穴が開けば、どうしてもそこから浸水するリスクがあります。
この隙間からの浸水を防ぐ方法を、これから見ていきましょう。
浸水を防ぐ一番のポイント
浸水を防ぐ一番の方法は、カヤックが水を被らないようにすることです。
カヤック下部の、普段水と接する部分には艤装パーツが付いていないはずです。
そのため、艤装パーツがあるカヤックの上部に水が掛からなければ、浸水することはありません。
カヤック上面に波を被りやすいのは、波打ち際だと思います。
初めてカヤックに乗ったとき、出航の際に波打ち際で大量に水を被ってしまいました。
そのときに内部を見てみたらたくさん水が入っていました。
特に出航時は気を付けなくてはならず、もしここで浸水すると、浸水したままカヤックに乗ることになり大変危険です。
出航時に波打ち際で水を多く被ってしまったら、沖に出る前にカヤック内部を確認した方が良いでしょう。
逆に、大海原の真っただ中にいるようなときはカヤックにあまり水がかかりません。
もしカヤックの上部まで波が来るような日であれば、カヤックには乗らない方が良いと思います。
隙間からの浸水を防ぐ
艤装パーツがある以上、内部への浸水は避けられません。
とはいえ、少しでも浸水を減らせないかと試行錯誤してみました。
色々と試した中で一番良いと思ったのが、シリコーンシーラントでの穴埋めです。
シリコーンシーラントを使うには、シリコーンのボトルだけでなく、
コーキングガンというものが必要です。
がっちりした器械ですが、値段はそれほど高くなく、500円もしません。
使用前に中のシールに穴を開けておきます。
コーキングガンに本体を取り付けます。
トリガーを引くと液剤が出ます。
下の写真のレバーを押し込むと、ピストンが緩んでシリコーン本体を取り外せます。
艤装パーツを外し、周辺をシリコーンで埋めてから、ネジを締め直しました。
ハッチの周りもシリコーンを注入しました。
はみ出たシリコーンは丁寧にふき取ります。
フラッグを取り付けるパーツをネジ留めしようと思っていたので、シリコーンを注入しながらタッピングネジで留めてみました。
私のカヤックでは、シリコーンの液剤がカヤック本体に接着しませんでした。
それでも固まったシリコーンがパッキンの役割を果たしてくれるので、隙間からの浸水はなくなりました。
シリコーンが本体に接着しないので、艤装パーツを取り外すこともできます。
もちろん、カヤック本体の素材によってはシリコーンが接着してしまう可能性があります。
シリコーンを使う際は少しカヤックに付けてみて、接着しないかどうか確認してからの方が良いでしょう。
もし艤装パーツを取り外すことがないならば、セメダインなどの接着剤でがっちり固定しても良いと思います。
ネジの緩みの確認
隙間を塞ぐのも重要ですが、ネジなどが緩んでいないかも出航の度に確認したほうが良いです。
艤装パーツを外していたときに気付いたのですが、どのパーツもネジが緩んでいました。
特にハンドルを止めるネジは緩みやすいようなので、要注意です。
ネジ類がしっかり締まっているかどうか、カヤックに乗った後は必ず確認したほうが良いでしょう。
シリコーンで隙間を塞ぎ、ネジをしっかり締めて乗ったところ、内部への浸水が目に見えて減りました。
カヤックを手に入れたら、まずは隙間を塞いでから乗り始めたほうが良さそうです。