笹川流れの間島周辺へ



暑い日が続いている。 5月下旬だというのに日中の気温が25度を越した。 つい最近までまだ寒いなあと思っていたのに・・・毎年春から夏の気候変化は急激だ。 今日は風も波もなく晴れの予報だ。 ここ数日間天気の良い日が続いているので、水は澄んでいるだろう。 前日の夕方も非常に穏やかで、夕日が綺麗だった。 カヤックを漕いで周遊するなら最高のコンディションなのだが、釣りをするには少し厳しい状況だ。 晴れの日は暑さで体力を使うし、目も眩む。 それに潮が澄んでいると魚は釣りにくい。 ただ、波が低いのは非常にありがたい。 カヤックを積んで笹川流れの間島周辺へ向かう。 場所は初めてカヤックフィッシングをした所だ。 あのころは右も左も分からず、陸から大して遠くない所で右往左往していた。 道具も余計なものをたくさん積んでかさ張っていたのを思い出す。 あれから十回にも満たない釣行回数だが、以前よりカヤックの漕ぎ方もカヤックフィッシングの仕方も、比べ物にならないほど上達したと思う。 最初に訪れた場所で上達の程を比較したい。
















準備と出航



今回は今までのように2本の竿を用意したが、落とし込み用とキャスティング用として明確に役割を分けた。 落とし込み用の竿には前回マゴチを釣ったジギングラップの26g・ゼブラブルピンカラーをセット。 竿をしゃくると不規則にダートし、魚を誘う。 海水にさらすと金属部分が非常に錆びやすいので、釣りの後はすぐに真水にひたさないといけない。 また、大物相手には針の強度が心もとないかもしれない。 今までショアジギング用の30g前後のルアーしか備えていなかったが、カヤックフィッシングには少し軽すぎるように感じていた。 なので、今回は重めのルアーもいくつか用意してみた。 ジギングラップで釣れないようならそちらに切り替えよう。 また、キャスティング用の竿にはポップクイーンの28g・血ミドロイワシカラーをセット。名前がおどろおどろしい。 カヤックフィッシングは探れる場所が広すぎて、どこで釣りをしたらいいのか分かりにくい。 ならば、アピール力の強いポッパーで魚を呼び出そうという作戦だ。 この2つで深場と浅場の両方を攻める。 荷物をカヤックに積み込んで出航する。 海は非常に透明度が高い。 漕ぎ出して少し進んでみたが、海中の様子が手に取るように分かる。 何度か魚が泳いでいるのも見えた。 メジナかスズメダイのようだ。 魚探を見ながら漕いでいたが、10mぐらいの水深になっても底まで見えるほど透明度が高かった。













魚がヒット・・・?



しばらく漕いで沖に出た。 今日は波も風もなく、非常に漕ぎやすい。 最初のカヤックフィッシングのときより3~4倍ぐらいの距離沖に漕ぎ出したと思う。 水深は20mぐらい。 風がほとんどないので、シーアンカーを使わなくてもそれほど流されない。 潮の境目でカヤックを停め、釣りを始める。 ジギングラップを底まで沈め、何度かしゃくって少し巻き、またしゃくるのを繰り返す。 何度か繰り返していると、突然何かに引っかかったように動かなくなる。 魚か!? 中々巻き上げることができない。 引きも感じない。 これは根掛かりのようだ。 カヤックに乗っていると、糸を巻くときにカヤックも引っ張られるので、ルアーが引っかかっていても糸を巻けてしまう。 ドラグによってリールから糸が出ていくこともあり、無限に糸を巻けてしまう。 根掛かりかどうかが非常に分かりにくい。 どうやっても外れそうにないので、泣く泣く糸を切ることに。













思わぬ来客



糸をPEラインから切ってしまったので、先端のショックリーダーは全てなくなってしまった。 こんな時のためにと用意しておいた予備のリールに取り換える。 サハラの3000番・ダブルハンドルだ。 手を出しやすい価格帯だが性能は問題なく、色々なラインナップがあるのも特徴だ。 リールを変えている時、ふと海中を見てみると、何と大きな魚影 パッと見サメのように見えた。 これからジョーズのような展開が始まるのだろうか・・・ いや、サメではなくイナダだった。 結構大きい!! 逃げられる前に何としても釣りたいと思い、とにかく何かを投げようと、準備中だったサハラを放っぽり出してポップクイーンを投げる。 少し遠目に投げて飛沫を立てながら巻いてくる。 ダメだ・・・反応しない。 その後、メタルジグに変えたりして誘いをかけるも反応がなく、何を投入しても喰ってきそうにない。 そうこうしていると、カヤック内部の空洞に響くような、ドーン・ドーンという音がし始めた。 何だろうと思っていると、驚くことに、さっきのイナダがカヤックに体当たりをしているようだ!? カヤックの下に潜っては、一定の間隔で体当たりをしている。 予想外の出来事に呆然としつつも、ルアーを沈めて誘いをかける。 だが、何をやっても乗ってこない。 今は餌を追う気分ではないのだろう。 結局、このイナダには陸に上がるまで付きまとわれることになる。 いったい何故カヤックにぶつかって来たのかは、結局分からないままだった。 魚探の超音波に反応しているのかと思ったが、魚探を止めてもぶつかり続けてきていた。 何をしても逃げないので、写真や動画をたくさん撮影した。 それはまた別のページに載せようと思う。 また、イナダが舟の下にいる時の魚探反応もたくさん写真に納めたので、それも別のページに載せようと思う。













キジハタをゲット



突然のイナダの来訪に驚き、何とか釣ろうとして四苦八苦していたが、何をしても釣れないので飽きてきた。 絶え間なく流れてくる、イナダがカヤックに体当たりするドーンという音をBGMにしつつ、他の魚を狙うことに。 リールを取り換えた落とし込み用の竿に、タイラバのタイガーバクバク60g・グリーンゴールドをセットする。 結構大きいので魚が掛かるのか不安だ。 グリーンゴールドカラーにしたのは、この時期のマダイに良いと聞いたためだ。 イナダと一緒に移動しつつ、良さそうな魚探反応を探す。 すると、下の画像のような反応が見えた。 海底付近に小さい点がたくさん見える。 以前、このような反応の場所でマゴチを釣ったことがあった。 ちなみに、水深10m付近の反応はタイラバの反応だ。 期待しつつタイラバを落とす。 アクションは付けず、底を取ってすぐにただ巻きをする。 開始一投目、すぐに何かがヒットした!! アワセを入れて巻き上げる。 結構引きは強いが、散発的なので青物ではなさそうだ。 またマゴチだろうか。 あともう少しというところまで巻いてきた。 と、そこで手ごたえがなくなる・・・ バラシてしまった・・・ 気を取り直してタイラバを再投入。 すると、数回目でまたアタリが!! 先ほどよりもしっかりアワセを入れ、海面まで巻き上げる。 姿を見せたのは・・・ 何と高級魚のキジハタだ!! 笹川流れでも釣れるのか。 フィッシュピックで締めようとしたが、頭蓋骨が硬く、中々刺さらない。 カヤック上でナイフは使いにくいので、用意していたハサミでエラを切る。 このハサミは切れ味が良く頑丈で、魚を締めたりトゲを切ったりもできる。 締めたキジハタをネットに入れておく。 今の時期は気温が高いものの、水温はまだ低い。 海水に浸しておけば悪くならないだろう。













再度のアタリ



キジハタを釣り上げ、意気揚々と釣りを続ける。 良さそうな魚探反応を探す。 ふと気付くとイナダがいなくなっている。 カヤックに体当たりをしていた時はうっとおしかったが、いなくなるとちょっと寂しい。 魚探を見ながらしばらく漕いでいると、色々な反応が見えた。 底生魚の反応だ。タイではなかろうか。 タイラバを投入してみたが、タイラバにつられて浮き上がって来たような反応が見えた。 だが食いつかない。 先ほどキジハタを釣った時と同じような魚探反応を見つけた。 すかさずタイラバを投入する。 すると、すぐに何かがヒット!! 先ほどと同じような感触。 釣り上げてみると、またキジハタだった。 非常にうれしい。 模様が鮮やかでオレンジ色の斑点が美しい。 口元を見ると、フックは完全に刺さっておらず、引っかかっているだけだった。 硬い口元を針が貫通するよう、もっとアワセを強く入れなければならないようだ。













陸地へ帰還



キジハタを釣っている時、気が付くとイナダが戻ってきていた。 また舟艇からドーンという音が響く。 このときカメラを水中に入れて写真を撮った。 他の水中写真も別のページに載せることにする。 キジハタを2匹釣って満足したので、イナダと一緒に陸を目指す。 イナダがどこまで着いてくるのかを知りたかったので、イナダが着いてきているかを確認しながらカヤックを漕ぐ。 水深10m地点までは着いてきている。 7mぐらいのところでどこかへ行ってしまったようだ。 何だかんだ、あのイナダとは長く一緒にいたので、すっかり愛着が沸いてしまった。 誰かに釣られたりしないで寿命を全うすることを祈る。 海はとてもきれいで、海底が良く見える。 陸に上がって片付けをする。 結構な時間海上にいたため、かなりの体力を使っていた。 ヘトヘトになりながらカヤックを運んだ。 それにしても、イナダと戯れる日が来ようとは思いもしなかった。 不思議なこともあるものだ。 釣れたキジハタはどちらも30cmに満たないぐらいの大きさだった。 刺身にしたが、身に弾力があり、高級魚とされているのが頷ける美味しさだった。
















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