実際の事故に遭遇
事故の要因としての天候
私の今までの経験から、海でカヤックに乗るときに事故につながりそうな事柄を考えてみると、 ・カヤックの整備不良 ・波打ち際での離着岸の不手際 ・漁船や障害物との衝突 ・乗員の体調不良 ・乗員の技量不足 ・波風 などが考えられます。 このページではその中の、事前に予測がつくところの波風について書いていきます。
漁船の転覆事故に遭遇
以前、秋の海岸沿いを歩いていたとき、ふと海の方を見ると小さい漁船がひっくり返っていました。 傍らには人が浮かんでいます。 詳細が見えるぐらい近くではありましたが、陸からは届かないぐらいの距離です。 驚いて海上保安庁に連絡しようとしたのですが、近くにいた人がすでに連絡をしてくれていたようでした。 最初から見ていたわけではないので、何故ひっくり返ったのかは分かりませんが、恐らく波風で転覆したのだと思います。 当時はそれほど波が高いようには見えませんでしたが、白波が立っていて風もそこそこありました。
カヤックから見た波
実際カヤックに乗ってみると、船体が低い分、低い波でも結構な高波に見えます。 波が0.4mぐらいの予報で海へ出たことがありますが、一つ一つの波が前方の視界を遮るぐらいの大波に見えました。 そのときの釣行では沖で船酔いし、陸に上がるまでの一漕ぎ一漕ぎが地獄の苦しみでした。
カヤックと波風
波は転覆の原因
波はカヤックの転覆など、事故につながる大きな原因の一つだと思います。 波以外の要因で事故が起きるのは、カヤックの整備不良で浸水したり、他船と衝突したときぐらいです。 波のある日を避けることで、命にかかわるような水難事故に会う可能性をかなり下げることができます。
波の高さの判断
波のあるなしの判断ですが、私が参考にしているのは海天気.jpというサイトです。 ここで自地域の海を選択すると、数日分の天気と風の強さ・波の高さなどの予報が見られます。 表示では、波高の最低値は0.2mのようです。 私は波が0.2mのときにしか沖に出ないようにしています。
風の強弱の判断
また、風については海天気.jpのサイトで、黄色い矢印(4.0m以上?)がいくつかあるような日は出るかどうか考えます。 もっと風の強い、オレンジ色の矢印があるような日は沖に出ません。 船体の低いカヤックでは、風は波よりも直接転覆の原因になりにくいと思います。 風が強いと白波が立ちますし、カヤックが流されて復帰が大変になります。
カヤックフィッシングと天気
カヤックフィッシングに適した天気
波風だけでなく、晴れや雨などの天気ももちろん重要です。 寒い時期は晴れの日が良いですが、カヤックフィッシングに一番適しているのは曇りの日だと思います。 日が射していると眩しいですし、暑い時期は熱中症になりやすくなります。
熱中症には要注意
私は一度沖で熱中症になったことがあります。 パドルを漕ぐのもままならず、かなり危険な状態でした。 カヤックフィッシングのときはできるだけ暑い日を避け、ミネラル分が入った飲料(スポーツドリンクなど)をたくさん持っていきましょう。
大雨は避ける
雨に関しては、カヤックに乗るとどうしても濡れてしまうので、多少の雨でも気にせず乗ります。 あまりに大降りのときは、体温調節が難しくなりますし、視界が効かず他船に衝突するリスクが高くなるので乗りません。
雷は絶対に避ける
なにより、雷の予報のときは絶対に乗ってはいけません。 平坦な海の上では、釣り竿に一番雷が落ちやすくなります。
カヤックフィッシングに適した気温
気温については陸地と同様、涼しいと感じるぐらいの気温が一番行動しやすいと思います。 ただ、カヤックに乗る場合は、涼しいよりも少し暑いぐらいの気温が良いかもしれません。 沖では風を遮るものがないため、よほどのべた凪でなければ、何かしら風が吹いています。 風が吹けば体感気温が下がりますし、海水や雨で濡れたりすればなおさら冷えてきます。 まとめると、カヤックフィッシングにベストなコンディションは、波風ができるだけ無く、天気は曇りで、20℃より少し上ぐらいの温度が良いでしょう。 少しでも波風が有るときは、沖に出るのを控えましょう。