ホステル(ゲストハウス)とはどんな施設?
「ホステル(またはゲストハウス)」というのは、一般的なホテルよりも設備やサービスが簡易的な宿泊施設のことです。
簡易的といっても、普通に寝泊まりして過ごす分にはまったく問題ありません。

設備やサービスが削られている分、基本的にはホテルよりも宿泊料金が格段に安くなります。
そのため、宿泊費をできるだけ安く抑えて長期間旅行したいバックパッカーにとっては、非常に有難く欠かせない施設です。
また、豪華なホテルよりもフロント従業員や他の旅行者との距離が近く、アットホームな雰囲気を味わえるのも大きな特徴です。
バンコクのホステルの料金相場
私がバンコクを一人で歩き回って実際に宿泊した中では、個室(一部屋)の料金は一泊「700バーツ~900バーツ(約3500円~4500円)」ほどが相場でした。
二段ベッドなどが並ぶ多人数部屋(ドミトリー)を選べば、その半額か、それよりもう少し安いぐらいの値段で泊まれます。

ホステルによっては、この安い宿泊料金の中に、簡単な朝食(パンやコーヒー、フルーツなど)が無料で含まれているところもあります。

もちろん、根気よく探せばもっと安いホステルはいくらでも見つかるはずです。
バンコクの中でも、カオサンロード周辺などのバックパッカー街と、ビジネス街とでは相場が変わってきますし、バンコクから離れて地方都市に行けば、さらに物価が安くなると思います。
ただし、あまりにも料金が安すぎるホステルになると、セキュリティが甘かったり、後述する水回りの設備が悪かったりする可能性があるため注意が必要です。
ホステルの設備とアメニティ事情
ホステルは設備が簡易的だと最初の方で書きましたが、「どこまでの設備が整っているか」は、本当にそのホステルによって千差万別です。
例えばシャワーやトイレについては、フロアごとの共同(シェア)だったり、個室の中に一つずつ付いていたりと様々でした。

シャワーとトイレが仕切りなく同じ空間にある、いわゆるユニットバスのような構造かどうかもホステルによります。
私が泊まったホステルはどこも浴槽(バスタブ)はなく、シャワーと洗面台とトイレのみのシンプルな造りでした。
アメニティに関しては、シャンプーとボディーソープはどこのホステルのシャワールームにも備え付けられていました。バスタオルも無料で貸し出してくれるところが多かったです。
ハンガーはどの部屋にもありましたが、個数は2〜3個とまちまちです。手洗いで洗濯をして干す予定があるなら、折りたたみ式の旅行用ハンガーを自分でいくつか持って行った方が無難です。
寝具(シーツや枕)に関しては、私が選んだ宿が良かったのか、どこも清潔で綺麗に整えられていました。
また、バンコクは一年中暑いため、エアコンはどこのホステルにも必ず付いていました。
テレビや小型冷蔵庫、そして「部屋に窓があるかないか」は、ホステルのグレードによってかなり違ってきます。窓のない部屋(窓なし部屋)は少し息苦しく感じることもあるので、気になる人はチェックインの前に確認しましょう。
予約なし!飛び込みでの宿泊の仕方
今の時代、どのホステルもネットの総合サイトから簡単に事前予約ができるのだと思いますが、私はあえて予約をせずに、自分の足で探して「飛び込み」で宿泊交渉をしました。
理由の一つは、何かの本かブログで「旅行の予約サイトで予約して決済も済ませたのに、現地に行ったら予約が入っていなかった」というトラブルの話を見たことがあり、少し警戒していたからです。かといって、つたない英語で国際電話をかけて予約する勇気もありませんでした。
そのため、ホステルが密集していそうなエリアを歩き回り、外観の雰囲気が良さそうなホステルを見つけたら、とりあえず中に入ってフロントで「アイ ウォント トゥ ステイ ヒアー(I want to stay here:ここに泊まりたいです)」と直球で伝えていました。
本当は、「アベイラブル ルーム(available room:利用可能な部屋)」といった単語を使って「空いている部屋はありますか?」と聞いたり、値段を確認してから「部屋を一度見せてもらえませんか?」と交渉して決めるのが、バックパッカーの賢いやり方なのでしょう。
ですが、バンコクはとにかく暑く、重い荷物を背負ってホステルを探し歩いているとすぐにヘトヘトになってしまいます。
複数のホステルを回って値段や部屋の綺麗さを比較検討する体力的な余裕がなかったため、とりあえず良さそうなホステルに入るなり、「泊まりたい!」と伝えて即決していました。
不安とプレッシャー:ホステル探しの精神的負担
私がバンコクに行ったのは7月でした。
おそらく乾季のハイシーズンではないため、どのホステルもそれなりに空室があったはずです。客の人数に対して部屋が余っている、いわゆる「客側が有利な状況(買い手市場)」だったはずなのです。
それにもかかわらず、私は常に「部屋が空いていなかったらどうしよう」と焦り、ホステル側にお願いして泊めてもらうような「売り手市場」の弱い気分で宿探しをしていました。
なぜなら、初めての海外一人旅であり、言語的にも地理的にも文化にもアウェイな環境に身を置いているため、終始不安で仕方がなかったからです。
先述の通り、バンコクの強烈な暑さの中で重い荷物を背負って歩くのは肉体的にも大変です。見つけたホステルの門を叩いてみて、たまたまそこに英語が通じるスタッフがいて、さらに部屋に空きがあったとしたら……もう値段の交渉や部屋の検討などせずに、「早くこの重い荷物を下ろして休みたい!」という一心で、すぐに決めたくなってしまうのです。
ホステルを飛び込みで探すのは、まるで知らない会社に飛び込み営業の仕事をしているような気分になります。
勇気を出してホステルのドアを開けても、従業員に言葉が通じないかもしれませんし、「満室だ」と冷たく断られるかもしれません。
そのため、ホステルを探して歩く時間は、毎日本当に嫌で胃が痛くなるような作業でした。
しかし、結果的に私が勘で選んで泊まったホステルはどこも清潔で従業員も優しく、「勇気を出して探して良かった」と思える素晴らしい場所ばかりでした。
実際にはこちらがお金を払う「お客様」であり、ホステル側も一人でも多く客を泊めたいはずなのですから、私はあんなに過度な精神的負担を感じる必要はなかったのです。
何度も旅の経験を重ねていけば、この飛び込みでのホステル探しももっと楽に、そしてゲームのように楽しめるようになるのでしょう。
スマホと自分の足を駆使したホステルの探し方
今はスマホの地図アプリや予約サイトを駆使すれば、現地で全く苦労しなくても、カフェに座ったまま安くて良いホステルを探せるはずです。
私も所々でスマホのGoogleマップを見ながら、現在地周辺のホステルを探していました。
もしスマホに頼り切るならば、Trip.comやAgodaなどの旅行総合サイトで口コミを見て、当日予約まで済ませてしまうのが一番確実でスマートな方法なのでしょう。
ですが、前の項に書いたように予約トラブルが起きる可能性もゼロではありませんし、何より「ある程度は自分の足で歩いて探した方が、旅らしくて面白いし良い経験になる」と思ったので、あえて事前予約はしませんでした。
私がホステルを探すときのコツは、あらかじめGoogleマップで「HOSTEL」と検索して密集している地域にアタリをつけておき、あとは実際にその周辺の路地を自分の足で歩いて探す、という方法です。
ただ、Googleマップ上ではホステルのピンだらけに見える場所でも、実際に行ってみると入り口に看板が見当たらず、入りづらい雰囲気のビルばかりのこともあります。
コロナ禍で本当にホステルが潰れて無くなっているのか、それとも看板が小さかったり雑居ビルの上階にあったりして見つからないだけなのか、歩いているだけでは何とも分かりません。
もしホステルが見つからなかったり、満室ばかりで断られたりしたら、思い切ってその密集エリアから少し離れた静かな場所で探してみるのも一つの手です。
実際、少し離れた路地裏を歩いてみたことで、安くて居心地の良い隠れ家的なホステルを見つけたことが何度かありました。
不安な宿探しを終えて泊まる場所が見つかると、その町の住人として受け入れられたような、なんとも言えない深い安心感に包まれます。
ホステルの部屋に重いバックパックを置いてしまえば、あとは冷房の効いた部屋でのんびり過ごすなり、身軽になって周辺の観光や屋台に繰り出すなり、まるで水を得た魚のように自由に動けるようになります。この解放感こそが、バックパッカー旅の醍醐味なのかもしれません。