【自称先生に会う】バンコク七日間紀行・その17

タイの首都バンコクを、七日かけて歩いた時の記録です。

このページでは、カオサン通り手前で客引きに捉まった時のことについて書いています。

 

・文章を書いている現在、1バーツは約4.4円ですが、手数料なども考えて1バーツ5円として計算しています。

 

自称先生に会う

 

カフェを出て、カオサン通りへ向けてさらに歩を進める。

 

大きな交差点の手前、あと少しでカオサンだというところで、見知らぬ人に英語で声をかけられた。

後で調べたところ、ラマ7世王博物館のあたりだったと思う。

 

声をかけてきた人は近くの大きな建物を指さし、ここで先生をやっていると言う。

人懐っこい感じだ。

外国人の私が歩いているのを見かけ、声をかけてきたらしい。

 

何だかよく分からないが、カオサンでホステルを探すには時間が早いので、とりあえず話を聞いてみることにした。

 

自称先生との会話

話を聞いてみるも、向こうの英語が聞き取りづらく、またこちらも英語が不得手だったこともあり、何を言っているのかよくわからない。

 

こちらが頓珍漢な返しをするので、向こうがメモなども駆使しながら教えてくれたところによると、

・スーツのファクトリーがある

・今日はブッダホリデーで、寺院の見学が無料になる

・青色のトゥクトゥクはガバメント(政府)のトゥクトゥクで、90バーツでどこでも連れて行ってくれる

・カオサンノーグッド、アユタヤグッド、チェンマイグッド

とのことらしい。

 

最初の声のかけられ方などが自然で、先生という肩書もあり、初めの方は疑っていなかったが、話を聞いているうちに段々と怪しく感じ始めた。

 

職業を聞かれたので、同じくティーチャーだと答えると、一瞬たじろいだように見えた。

この時点で心象は黒だった。

 

自称先生は「ブッダ!ホリデー!フリー!!」と連呼し、私を青いトゥクトゥクに連れて行こうとする。

 

本来なら付いて行ってはいけないのだろうが、どこかで時間を潰そうと思っていたので、乗り掛かった船だと思い付いて行ってみることに。

 

バンコクで一度はトゥクトゥクに乗ってみたかった。

こういった機会でもなければ、乗らずじまいになってしまいそうだ。

また、詐欺ならばどんな手口で来るのか体験してみたかったというのもある。

 

危険時のシミュレーションを幾通りもしつつ、トゥクトゥクに乗せてもらった。

 

まずはラッキーブッダの寺院へ行くようだ。

 

余談1:先生は先生だったのか

以下の話は、私の会った自称先生が、どういう人物だったのかを推測したものである。

 

外国人の私からすると、タイ語が分からないので調べて回ることもできないし、ただ観光に来ただけなので、別に本気を出して突き止めたいとも思わない。

ただ考えるのが楽しいから考えただけである。

話の中で、特に結論は出ないということを明記しておく。

 

まず、私の会った自称先生が本当に先生だったのかどうかは、結局のところよく分からない。

人懐っこさと面倒見の良さからは、本当に先生のような感じがしたし、もし本当に学校の先生ならば、授業は人気が出るだろうと思う。

 

だが、今後のページに詳しく書くが、この後スーツファクトリーに連れて行かれ、高額なスーツを買わされそうになった。

よくある契約で、観光客をスーツ屋に連れて行って何かを買ってもらえれば、先生やトゥクトゥクの運転手にリベートが入るという仕組みではないかと思っている。

このことからして、先生はスーツ屋やトゥクトゥクの運転手とグルだったのは間違いないだろう。

 

だからといって、先生が本物の先生でないとは言い切れない。

本業の先生をしながら、副業で客引きをやっている可能性もあるからだ。

 

余談2:タイの先生

 

日本の学校の先生は地方公務員だ。

日本の地方公務員は、地方公務員法の中で副業がある程度禁止されている。

なので私からすれば、まさか先生が副業、まして客引きなんてしないだろうという先入観があった。

 

タイでは、先生というのはどういう存在なのだろう。

少し古い情報だが、独立行政法人労働政策研究・研修機構のページに情報が載っていた。

 

先方のページによれば、

タイの場合、公立学校の教員は国家公務員

なのだそうだ。

タイの国家公務員は、副業が法律で禁止されているかまでは分からない。

 

タイの先生は国家公務員なので、日本の先生よりも立場としては上なのだろうか。

もちろん、タイと日本とで立場を比べられるわけではないが、タイの国民から見て、国家公務員や先生がどういう存在なのかは気になるところだ。

 

余談3:先生の給料

一つ気になるのが、リンク先のページに書いてある待遇面の情報。

 

2002年の新卒初任給は6360バーツとある。

6360バーツと言えば、現在の日本円で30000円ぐらいだ。

 

2024年現在の給与がどれくらいなのか調べてみると、タイニュースクロスボンバーというサイトによれば、給与最低額が15000バーツ(75000円)と書いてあった。

この情報が本当かどうかは分からないが、2002年から比べれば、2倍ちょっとの増額になっている。

それでも安いことは変わりない。

 

現在は、日本とタイの物価が同じくらいになってきている。

日本で一か月75000円で暮らしてくださいと言われたら、住む場所にもよるが、かなり厳しいだろう。

 

実家暮らしならともかく、賃貸であれば、家賃と水道光熱費でほとんど給料が残らない。

バンコクの賃貸の料金も少し見てみたが、東京と変わらないぐらいのようだ。

やっぱり厳しい。

 

同じ先生といっても、ランクが上がれば給与もけっこう良くなるようだ。

だが初任給だけ見れば、副業がしたくなる、というより、しなければ生活ができない水準だ。

 

私の会った自称先生がもし本物の先生だとしたら、結構なベテランで、給与はそこそこもらっていそうな気がする。

それでも副業をしない可能性がないとは言い切れない。

 

とりあえず考えられるのはここまでか。

興味がある人は、突っ込んで調べてみてほしい。

 

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