【五日目の終わり】車で北海道一周の旅・その35
車で北海道をほぼ一周したときの記録です。
このページでは、五日目の回想などを書いています。
道の駅さるふつ公園へ
宗谷岬を出て、さらに海岸沿いを進む。
そういえば、もうここはオホーツク海沿岸なのだ。
北海道の道路を走っていると、自由に利用できる駐車場をしばしば見かける。
中にはカメラマークの標識が立っている駐車場もあり、そういったところからは、北海道らしい雄大な景色を望むことができるのだ。
景色に見とれながら車を走らせていると、道の駅さるふつ公園に着いた。
稚内のあたりから、明らかに気温が低く、風が冷たくなっていた。
今はたぶん10℃台だ。
寒い、というよりは涼しいぐらいなので、ずっとこのぐらいの気温であってくれると嬉しい。
そういえば、数日前に訪れた占冠の道の駅で、30℃なんていう表示を見たばかりだった。
今日の朝、幌延町に行った時もけっこう暑かった。
同じ北海道でも、場所によって気候・気温が全然違う。
五日目の回想
腹が減っていたのだが、まずは風呂に入りたかった。
道の駅に併設の、さるふつ憩いの湯へ向かう。
ここはたぶん温泉ではないが、良い湯だ。
北海道に来てから毎日温泉に入っていた。
久しぶりに、無色透明・無味無臭の湯も良いものだ。
湯につかりながら、今日通ってきた道を思い出す。
天塩から幌延町のトナカイ観光牧場に行き、生まれて初めてトナカイを見た。
幌延ビジターセンターでは長沼周辺を歩いた。
稚内市街からノシャップ岬と来て、水族館や科学館も訪れた。
稚内市街を出て、日本最北端の地・宗谷岬にたどり着いたのだった。
そしてオホーツク海の沿岸を通り、ここ猿払まで来た。
今日ついに、日本最北端の地を踏んだ。
今、オホーツク海の沿岸にいるというのも、何だか感慨深いものだ。
人間と動物の関係性
湯につかりながら、稚内の青少年科学館で見たタロとジロの物語を思い出す。
今回北海道に来た理由の一つに、人間と動物の関係性について考えてみたかった、ということがある。
北海道では道路にエゾシカが出てきたり、道でヒグマと遭遇したなんていうニュースを見るので、人間と動物との距離が近く、考える材料がたくさんあるのではないかと思ったのだった。
実際、北海道では動物を多く見かけた。
私は昔から釣りを趣味としていたが、何となく魚がかわいそうになり、あまり釣りをしなくなってしまった。
それをきっかけに、魚だけでなく、虫や動物についても色々と考えるようになった。
特に家畜など、人間のために命を奪われる動物についてよく考える。
家畜を飼うのは辞めるべきなどと言うつもりはない。
このご時世、畜産を辞めてしまったら、人間は生きていくことができなくなるだろう。
人間のために命を奪われるといえば、虫もかなりの被害にあっているはずだ。
私は北海道に来て、500km以上は運転したと思う。
ここに来るまでに数えきれないほどの虫を轢いてきたはずなのだ。
毎日大量の虫が車に轢かれている。
地球上の生物に、「どれか一つの種族を絶滅させるとしたらどの生物が良いか」とアンケートを取ったところ、人間が選ばれたなんて言うフィクションの話もあったっけか。
ところで、こんなことを考えて活動家になりたいとか、ヴィーガンになりたいとかいうわけではない。
考えて何かの答えがでるわけでもなく、動物が可哀そうだという気持ちに折り合いが付くわけでもないだろう。
それでも考えたかったので、北海道に来た。
ホタテの刺身定食
風呂から上がり、腹の減りが最高潮だった。
近くにあるレストラン風雪へ行く。
猿払といえばホタテ。
ホタテを食べたかったが、刺身にフライ、カレーなど、色々なメニューがある。
ここは王道に刺身定食といこう。
美味い。贅沢。箸が止まらない。
明日の計画
外に出ると雨が降っていた。
大急ぎで車に戻る。
明日もこの調子で雨が降り続けるだろうか。
ガイドブックとにらめっこしながら明日の計画を立てる。
明日は、ひたすらオホーツク海沿岸を走り続け、網走まで行こうと思っている。
紋別に寄りたい場所がいくつかあるので、早朝にここ猿払を出発し、紋別まで一直線に向かおう。
温根湯の辺りにも寄りたい場所があるので、サロマ湖の手前でいったん内地の方に折れる予定だ。
一日の移動距離としては、これまでで一番長いものになるだろう。
オホーツク海沿岸を少し走ってみた感じでは、車通りが少なく、景色が良くてダイナミックで、運転は苦にならなそうな気がする。
明日はどんな景色に出会えるだろうか。