釣行前の浸水対策
カヤックを手に入れたらまずは浸水対策を行っておきましょう。
カヤックで沖に出てから浸水したら、大変なことになってしまいます。
このページでは、シットオントップカヤックの浸水対策としてできることを海に出る前と出た後に分けて説明します。
シットオントップカヤックの内部は気室になっており、そこで浮力を生み出しています。
気室に水が入ってしまうと浮力が失われ、最悪沈没につながります。
まず、海に出る前の準備としてできることを考えてみましょう。
カヤック内部への浸水を防ぐにはカヤック内に通じている隙間をできるだけ塞ぐのが肝心です。
ネジが緩んでいると浸水の可能性があるだけでなく、車で運搬しているときにネジが飛び、最悪の場合周りの人や車に当たってしまうかもしれません。
特に持ち手の所はネジが緩みやすいです。
ネジがしっかり締まっているか、釣行のたびに一個一個確認しておきましょう。
カヤックにはドレンプラグという水抜き穴が付いています。
ここもネジになっています。海に出る前に、締まっているかどうか確認しておきましょう。
他に水が入り込む可能性があるのは、ロッドホルダーやハッチなどと本体との隙間です。
カヤックを購入したら付属のロッドホルダーやネジなどのパーツを外し、隙間に防水処理が施されているかどうか確認しましょう。
ただネジ止めされているだけの場合、そこから水が入り込んでしまうので防水しておきましょう。
シリコーンシーラントで隙間を埋める
隙間を埋めて防水するには、シリコーンシーラントが便利です。
接着剤を柔らかくしたようなもので、固まった薬剤は弾力があり、こするとボロボロになります。接着力は弱いので接着には不向きで、隙間を埋めるのに使います。
私のカヤックの場合、シリコーンを塗った時には薬剤がカヤック本体にピッタリとくっついていましたが、薬剤が固まると本体から剥がれてきました。
薬剤が剥がれるようになってしまっても、弾力によって本体とパーツの間をぴったり埋めてくれるので、防水には問題ありません。
カヤックの素材によっては薬剤が取れなくなったりすることがあるかもしれません。
まずは少量で試してみるのが良いでしょう。
なお、シリコーンを使うには、チューブからシーリング剤を押し出すためのコーキングガンという物も必要になります。
シリコーンの注入の仕方です。
まず、チューブのキャップを外して内部のシールを破ります。
チューブをコーキングガンにセットします。
このままトリガーを引いていくと、ピストンが押され、シーリング剤が押し出されていきます。
チューブを外すにはレバーを押し込みます。
そうするとロックが外れるので、後ろの鉤型の部分を引っ張ってピストンを戻します。
カヤックからパーツを外し、隙間にシリコーンを注入していきます。
ネジ穴なども、今後ネジを回す必要がないのであれば埋めてしまっても良いと思います。
ネジを回す必要が出てきたら、薬剤をこすれば剥がれます。
ハッチの隙間など、あらゆる隙間を埋めておきましょう。
シリコーンを隙間に注入したら、パーツをぐりぐりと本体に押し付け、ネジ止めし、薬剤で隙間が埋まるようにします。
はみ出た薬剤は拭き取っておきましょう。
しばらくそのままにしておけば薬剤が固まり、防水処理の完成です。
海に出てからの浸水対策
カヤックとパーツの隙間をシリコーンで埋めれば結構な防水効果がありますが、それだけでは防水は完璧ではありません。
ハッチやドレンプラグなどのパテで埋められない隙間があるため、どうしてもそこから水が入ってしまいます。
カヤックに水を入れないようにするためには、カヤックの乗り方が大事です。
カヤックの内部に通じる隙間はカヤック上部にしかありません。
カヤックが水を被らなければ、カヤック内部には水が入りません。
私が始めてカヤックに乗った時、波打ち際から出艇する際に水を被ってしまいました。
このとき内部に大量の水が入ってしまい、排水に苦労しました。
カヤックが一番水を被りやすいのは出艇時です。
カヤックを水に浮かべたら、すぐに波打ち際から離れるようにしましょう。
波打ち際を出てしまえば、波が高くない限りカヤックが水を被ることはありません。
出艇についてはカヤックでの離岸から着岸までのページに書いています。
少し沖に出た時点でハッチの中を見て、浸水していないか確認しましょう。
ドレンプラグを締め忘れたり、カヤックに亀裂が入っているのに気付かず沖に出てしまう可能性もあります。
カヤック内に水が入っていたらすぐ陸に引き返して浸水の原因を探りましょう。
カヤックを傷つけないために、沖に出た後で岩礁などの障害物にぶつけないように気を付けましょう。
どんなに浸水対策をしても、浸水の可能性をゼロにすることはできません。
何らかの原因で沖で浸水してしまったときのため、ビルジポンプは必携です。