艤装について
艤装とは
艤装とは、カヤックに装備を取り付けることを言います。 元々艤装という言葉は、大型の動力船に大型のパーツを取り付けることを指していたようです。 カヤックのような小型の舟に対してもこの言葉が使われるようになりました。
基本はネジ止め
カヤックに装備品を固定するにはネジ止めが一番です。 カヤックにパーツを取り付けるのに、接着剤やテープなど色々な方法を試してみましたが、やはりネジで止めるのが一番頑丈で確実でした。
頑丈さが大切
カヤックにパーツを取り付ける時は、固定の頑丈さが大事です。 カヤックを移動するときにパーツがぶつかる可能性もありますし、海に出て漕ぐときもパーツに水圧が掛かります。 頑丈に取り付けておかないとパーツはすぐに外れてしまいます。 カヤックを車載して運転中、パーツが外れて後続車に当たりでもしたら一大事になります。
ネジ止めの問題点
ネジ止めの問題点は、一度ネジ止めをするとパーツが動かせなくなることと、カヤックに穴を空けなければいけないことです。 少しの穴であれば、浸水のリスクが大きく高まるようなことはありませんし、カヤックの強度に影響が出ることもありません。 とはいえ、できるだけネジ止めの数は少ないほうが良いでしょう。 カヤックを購入する際はロッドホルダーなど、できるだけ自分の必要な装備が揃っているカヤックを選ぶようにしましょう。 穴を開ける必要が出た時は、穴の数が最小限になるようにし、できるだけ小さく穴を空けます。 穴を空けた後で後悔しないよう、取り付けるパーツの寸法などもよく測った上で、慎重に空けるようにします。
ネジ止めはタッピングで
カヤックへのネジ止めは、先が尖っているタッピングネジで簡単にできます。 タッピングネジをカヤックに当てて回せば、カヤックにネジが入っていきます。 ドライバーを手で回すよりも、小型の安いもので良いので電動ドライバーを使うのが断然楽です。
下穴について
また、ネジを回す前にドリルで下穴を空けておいたほうが確実です。 電動ドライバーはドリルに対応していることが多いので、その点でも電動ドライバーを用意するのがおすすめです。 下穴の寸法は、ネジの径からネジのピッチ(溝の深さ)を引くと求められますが、そこまで厳密に計算しなくても大丈夫です。 ほんの小さい穴を空けておけば、そこを手掛かりにネジが入っていきます。 ネジの材質は、必ず錆びにくいステンレスを選びましょう。
Scottyのマウントをカヤックに取り付ける
艤装パーツを扱う企業
カヤックの艤装パーツは、Scotty社やRAM社、RAILBLAZA社の物などがあります。 私はScottyの物を使っています。 Scottyを選んだのは、近所のカヤック用品店でScottyの品ぞろえが良かったためです。 どこも海外の会社であり、日本ではカヤック用品を売っているような実店舗や、通販でしかパーツが手に入りません。
艤装には専用のマウントが必要
各社の艤装パーツを使うには、それぞれの専用のマウントをカヤックにネジ止めする必要があります。 どの会社のマウントもかなり頑丈で、ずっしりとした重みがあります。 マウントだけでなく、カヤック関連の艤装パーツはどれも丈夫な分厚いプラスチックでできています。 マウントは単体で購入することもできますが、ロッドホルダーなどを購入した時に付属していることもあります。
カヤック付属のマウント用ネジ穴
私のカヤックは元々マウント用のネジ穴が空いていました。 そこでScottyのマウントを買って付けようとしたのですが、穴の位置が合いません。 仕方なくマウントの穴をやすりで削り、強引に合わせました。 今にして思えば、私のカヤックのネジ穴は、他の会社のマウントに対応していたのかもしれません。 カヤックにマウント用のネジ穴が空いている場合、どこのマウントに対応しているかを確認する必要がありそうです。
マウント用のネジ
ネジはマウントに付属していたものを使ったと記憶しています。 カヤックに直接タッピングネジでマウントを留める場合、マウントをホームセンターに持っていき、サイズの合うネジを確認したほうが良いでしょう。
Scottyのマウントにロッドホルダーを取り付ける
ロッドホルダーの取り付け
カヤックにマウントを取り付けたら、ロッドホルダーを付けてみましょう。 取り付けは簡単で、マウントの中のでっぱりと、ロッドホルダーの穴の位置を合わせ、マウントにロッドホルダーを差し込みます。 差し込めるところまで差し込めばOKです。
ロッドホルダーの角度変更
Scottyのロッドホルダーは、前後左右と上下の、二段階に角度を変えることができます。 まず、マウントとロッドホルダーのかみ合わせの位置を変えることで、ロッドホルダーをカヤックの前後左右に向けることができます。 さらにロッドホルダー自体に付いている嚙み合わせの位置を変えることで、向きの上下を変えることもできます。
トリプルロッドホルダー
基本的に、一つのマウントにつき一つのロッドホルダーしか付けられません。 ロッドホルダーを増やすには、カヤックに取り付けるマウントを増やすか、先ほどの画像に出ていたトリプルロッドホルダーというマウントを増やすパーツを取り付ける必要があります。 トリプルロッドホルダーは簡単な組み立て作業が必要です。 このトリプルロッドホルダーは、ロッドホルダーを増やすのに便利ですし、釣りに使う小物をぶら下げておくこともできます。 利便性は高いのですが、Scottyのパーツに限らず、艤装パーツを増やすことにはいくつかの注意点もあります。
艤装パーツを増やすことの問題点
一つは、かなり重くなるという点です。 前に述べた通り、カヤック関連の艤装パーツはどれも分厚いプラスチックでできており、大きく重いです。 トリプルロッドホルダーを付ける場合、それ自体の重さもありますし、ロッドホルダーを付けることで、さらに重さが増していきます。 それによる持ち運びの大変さはいうまでもなく、カヤックがバランスを崩す原因になることにも注意が必要です。 後述の理由も合わせ、波の高い時には使わない方が良いと思います。
もう一つの問題点
艤装パーツを増やすことのもう一つの注意点は、体の運動を妨げてしまうことです。 例えばトリプルロッドホルダーを付ける場合、カヤックの真ん中に取り付けると、足を上げたときに干渉してしまいます。 ただ動きづらいだけなら良いのですが、カヤックがひっくり返った時が大変危険です。 足がロッドホルダーに絡まってしまう可能性があり、命に関わります。 カヤックがひっくり返るような波高では絶対に使えません。
ギアヘッドマウントエクステンダー
パーツの位置を調整する、ギアヘッドマウントエクステンダーという物を入れて高さを調整する方法もあります。 こうすると足に干渉しづらくなりますが、余計に重くなりますし、重心が高くなる分、なおさらカヤックが不安定になってしまいます。
私の艤装スタイル
今の艤装スタイル
私はこれまでにScottyの艤装パーツをたくさん試してきました。 結果一つの形に落ち着いたので、最後に私の現在のスタイルを書いておきたいと思います。
フィッシュファインダーマウントのみ取り付ける
今はカヤックの真ん中のマウントに、フィッシュファインダーマウント(+魚群探知機)を取り付けるのみで、追加のロッドホルダーなどは取り付けていません。 フィッシュファインダーマウントというのは、魚群探知機を取り付ける台のことです。 台に穴が空いており、そこに魚探をネジ止めするのだと思いますが、私はケーブルタイで魚探を固定しています。
魚探を置くスペースが必要になった
元々、カヤックの真ん中に空いていた、丸いホルダースペースに魚探を置いていました。 ここにプライヤーや魚を締めるためのハサミを置きたくなり、新たに魚探を置く場所を考えました。 そこでマウントにフィッシュファインダーマウントと魚探を取り付けてみたところ、使いやすく、魚探の視認性も良いため、今ではこの形で使い続けています。
ロッドホルダーの増設は不要
カヤックフィッシングを続けていて分かったのですが、沖に持って行く竿は2本もあれば十分で、3本だと多いぐらいです。 たくさん持って行っても使いこなせませんし、カヤックの上で邪魔になります。 私のカヤックには、4つのロッドホルダーが付いています。 前方の2つに竿を立て、後ろの1つにランディングネットを差していきます。 装備はこれで十分で、これ以上のロッドホルダーは必要ないということに気付きました。 もしも購入したカヤックにロッドホルダーが無かったり、数が十分でない場合は、艤装パーツでロッドホルダーを増設するのが良いでしょう。
ロッドホルダーの特殊な用途
また、特殊な事情でロッドホルダーが必要になることがあるかもしれません。 私は常々、カヤックでフライフィッシングをしたいと考えています。 ところがフライ用のロッドは、竿尻が短いため、リールが引っかかってカヤックのロッドホルダーに入りません。 そこでScottyのベイトロッド用のロッドホルダーを購入しました。 これならば構造的に、安定してフライロッドを保持しておけます。 もちろんベイトロッドを使うのにも役立つでしょう。 フィッシュファインダーマウントも使いたいため、前の項で説明したトリプルホルダーを使う必要もありそうです。
他の艤装パーツ
最後に、ロッドホルダーやフィッシュファインダーマウント以外のScottyの艤装パーツを紹介して、終わりにします。 ・ベイトボード 作業台です。 縁にルアーや道具をぶら下げられます。 ・カメラマウント GoProやデジカメなどを取り付けられるマウントです。 カメラ用のネジが付いています。 ・トランスデューサーアーム 魚群探知機に付属している振動子を、水中に入れておくためのアームです。 振動子の取り扱いは面倒なのですが、これを使うことで取り回しが楽になります。 ちなみに魚群探知機の配置についてのページでは、振動子をカヤック内に入れる方法を紹介しています。